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「まじでありえないでしょ!」深夜、隣人の長電話が壁越しで丸聞こえだった。2年後、隣人が引っ越したワケ

  • 2026.6.11
「まじでありえないでしょ!」深夜、隣人の長電話が壁越しで丸聞こえだった。2年後、隣人が引っ越したワケ

壁越しに筒抜けだった深夜の長電話

以前住んでいたマンションは、隣の部屋との壁が薄かった。

引っ越して数日で、それははっきり分かった。布団に入って電気を消すと、ちょうど枕の向こう側から、誰かの話し声が漏れ聞こえてくる。

「それはさー!」

夜の十一時を過ぎても、日付が変わっても、隣の住人は長電話をやめなかった。普通の会話なら気にならない。でも、その人の声は内容まで全部聞こえてくるほど大きかった。

「だから言ったじゃん、無理だってさー!」

知らない誰かの恋愛相談、職場の愚痴、週末の予定。聞きたくもない他人の生活が、毎晩、壁一枚を通して私の寝室に流れ込んでくる。

生活音なら諦めもつく。けれど、これは生活そのものが筒抜けだった。

「もう、何時だと思ってるの」

枕に顔を押しつけて、何度そうつぶやいたか分からない。誰の声色か、笑い方の癖まで覚えてしまうほど、毎晩同じ声を聞かされ続けた。

管理会社への記録だけを淡々と続けた

意を決して管理会社に相談すると、担当者は隣に注意してくれた。

「先方には伝えておきましたので」

たしかに、その後数日は静かだった。ほっとしたのも束の間、また「それはさーー!」が戻ってきた。

「直接言ったら、何されるか分からないし」

夫にそう漏らすと、夫も眉をひそめた。

「相手の顔も知らないからな。やめておこう」

結局、私たちにできたのは記録を残すことだけだった。何月何日の何時に、何分間、どのくらいの声だったか。スマホのメモに淡々と書き溜めて、たまる度に管理会社へ送った。直接対決はしない。ただ事実だけを積み上げる。それが二年近く続いた。正直、もう引っ越すしかないのかと諦めかけていた。

トラックが去った夜に戻ってきた静けさ

転機は、ある日の夕方だった。エントランスで管理会社の担当者とすれ違うと、少しだけ声をひそめて教えてくれた。

「お隣さん、更新せずに退去されるそうです」

記録を出し続けたことが効いたのかは、最後まで分からない。

それでも、約束の日、隣の部屋に引っ越しのトラックが横付けされた。段ボールが運び出され、夕暮れの中をトラックがゆっくり走り去っていく。

私はベランダから、その背中をただ見送った。

その夜、いつものように布団に入って電気を消した。耳をすませる。聞こえない。あの笑い声も、知らない誰かの愚痴も、壁の向こうから何ひとつ漏れてこない。

「……静かだね」

隣で夫がつぶやいた。私は天井を見上げたまま、小さくうなずいた。二年ぶりに取り戻した、本物の静けさだった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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