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20~30代はわずか1割…「パパがんばってね」海の向こうからきたバス運転手がデビュー!

  • 2026.6.10

インドネシアから憧れの日本へ。北海道初となる外国人のバス運転手がデビューしました。

女満別空港と網走市内を結ぶ路線バス。
ハンドルを握るのは、北海道から南におよそ7000キロ、インドネシアからやって来たウィル ストロングさん41歳。

道内初の外国人バス運転手としてデビューしました。

網走バスの明神健太専務は「ウィルさんは英語が堪能なので、そういった面でも非常に活躍してくれるかな」と期待を寄せます。

深刻な運転手不足で路線バスの廃止や減便が相次ぐなか、地域の足を守る『新戦力』として期待される外国人ドライバーに注目します。

「パパがんばってね」

Sitakke

午前5時45分。緊張した面持ちで出社したウィル ストロングさん。
首都のジャカルタで飲食店の経営や日本語教師を務めていた経験がありました。
2025年秋に単身で来日し、網走バスに入社しました。

「もともと日本語が好きになったきっかけは音楽からですね。長渕剛、モンパチとかブルーハーツとか」

心の支えは、遠く離れて暮らす家族の存在です。
3月に生まれた次女は、日本の医療ドラマに登場する主人公・大門未知子にちなんで「ミチコ」と名づけました(ちなみに長女はアキコ)。

Sitakke

「『あすデビューするんだよ』とインドネシアにいる妻に言ったら『え!がんばってください』って。長女は『パパがんばってね』って」

2030年には3万6000人不足する

Sitakke

ウィルさんが勤める網走バスは、知床や道東をめぐる観光バスや都市間バスとともに、郊外の「路線バス」や「スクールバス」の運行を担います。

しかし、運転手不足と利用者の減少で、路線の維持は難しくなっています。

運転手不足は全国的な課題で、日本バス協会の試算では2030年には全国で3万6000人が不足するとされています。

そこで国は2024年、外国人が日本で働くための在留資格「特定技能」に、バス運転手などの「自動車運送業」を追加しました。

網走バスの小澤友基隆社長は「道内のバス会社も道外への採用活動を強めたということで競争が非常に強くなった。外国人運転手が特定技能で業種が加わったことでチャレンジしてみようと思った」と話します。

ウィルさんは日本語能力など厳しい条件をクリアし、営業運転に必要な「大型二種免許」も取得。路上教習を重ねてきました。

日本に来てから半年。
ついに迎えた、客を乗せての「運転手デビュー」の日です。

安心して乗れた

Sitakke

道内で初めてとなる外国人運転手のウィルさん。向かうは女満別空港です。

網走バスターミナルと女満別空港を結ぶ、35分間の路線。
安全運転をモットーにバスは走ります。

定刻どおり女満別空港に到着。路線を往復し、網走バスターミナルに戻りました。

ウィルさん「ありがとうございましたー」
降車する客「がんばってください」

お客さんからは「全然大丈夫、安心して乗った」「外国人だと感じず、日本の交通ルールを守って、丁寧な運転で安心して乗ることができた」との声が。

ウィルさんも「お客様を目的地まで安心して安全運転する、とにかくがんばります」と意気込みます。

「がんばってね」のうれしい言葉

Sitakke

HBCテレビ「今日ドキッ!」のスタジオではコメンテーター鶴岡慎也さんが「バスだけに限らず、いろんな業種で外国人の人って増えている」と話し、こう続けました。

「僕ら日本人からしたら『働いてもらっている』という感謝の気持ちを持たないといけませんし、外国人の人が『日本で働きたいな』と思うような、そういう場所にしていかないといけないなと思います」

ウィルさん自身も、降りるお客さんから「がんばってね」と声をかけてもらったのがとってもうれしかったと話していました。

ウィルさんは、英語もできるということで、網走バスの専務は「今後、都市間バスといった難しい仕事に関しても取り組んでほしい」とも話していました。

自治体も乗り出す「外国人ドライバー」育成

Sitakke

企業だけでなく自治体も外国人ドライバーの育成に乗り出しています。

札幌市が2026年度から始めた事業ではベトナムで事業を展開している企業とタッグを組んで行うのですが、海外での人材募集から日本語教育、そして来日してからの日本での運転免許取得や、着任後の生活支援までを一体的に支援します。

来日前と、来日後もサポートするということですが、やはり言語の問題とか交通環境、右ハンドル・左ハンドルも違う環境を乗り越えなければいけません。

この点についてコメンテーターの須田布美子弁護士も関心を寄せていました。

「ビザの要件を緩和して来日しやすいようにはなっても『来てからの問題』というのが、言語の問題、交通ルールの問題など非常にハードルは高いと思いますので、それがちゃんと事前にケアされてるってすごいことですよね」

札幌市の事業は、すでにベトナムで教習所などのノウハウを持つスタートアップ企業が取り組みますが、自治体が予算をつけて主導して行うというのは、国内でも初めての試みだそうなんです。

札幌市は再来年、2028年までにベトナムから10人程度の就労を目指しているということです。

日本に来てからも運転免許取得の教習は行われますが、ベトナムにいる段階から、左側通行に慣れてもらうため実際に車で教習を行うそうです。

今は世界的に人材の取り合いになっている現状もあります。
こうして「現地で」というのは大事かもしれません。

札幌市内のバス運転手、20~30代はわずか1割

ちなみに、今、札幌市内でバス運転手は約1500人いますが、20代と30代はわずか1割。
つまり将来、今のバスの本数はまず維持できないということを表している数字でもあります。

この10年で路線バスの便数はすでに3割減少しているという現実もあります。
しかもさらに加速する可能性も。

早く手を打たなければいけないということですので、こういう外国人材も含めてどうやって人材確保していくのか、これからの業界の取り組みに注目です。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年5月18日)の情報に基づきます。

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