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「若い人は本当にダメね(笑)」ボロい包丁で料理させる義母。翌年、お中元で送った最高級の包丁で形成逆転したワケ

  • 2026.6.11

結婚して最初のお正月、台所で渡された一本

結婚して最初のお正月、夫の実家へ初帰省したときの話だ。挨拶もそこそこに義母から「お料理の手伝いをしてね」と声をかけられ、台所に立った。

緊張で胃のあたりが固くなっていたが、ここで頑張れば嫁として認めてもらえるはずだ、と気合いを入れていた。

義母がまな板の横にすっと差し出してきたのは、柄の塗装が剥げ、刃先が銀色に変色した使い古しの包丁だった。

長ねぎを切ろうとして、すぐに違和感に気づいた。刃が全く立たない。皮の上を滑り、繊維を押し潰す感触だけが返ってくる。

1本切るのに何往復もしなければならず、横で見ていた夫がさすがに見かねて義母に声をかけた。

「この包丁、全然切れないよ。新しいのないの?」

振り返った義母は、にっこり笑ってこう答えた。

「若い人は本当にダメね(笑)」

嫌味の含み笑いだった。私はそれで上手にお料理しているわよ、と続けながら、義母は鍋の前から動こうとしなかった。

台所に立つ私の顔は熱くなり、夫は気まずそうに台所から離れていった。その場は笑顔でやり過ごしたが、帰りの車中、私は心の中で静かに反撃を誓った。

翌年のお中元と、披露した千切りの速度

翌年の夏、私はお中元として最高級ブランドの三徳包丁を義実家に贈った。

化粧箱に「日頃の感謝を込めて」と一筆添え、年末の帰省までに義母が使い慣れる時間も計算して送った。

年が明け、再びお正月の台所に立ったとき、私はその包丁を自分の鞄から取り出した。

「これ、お借りしますね」

義母の目の前で、刃を流水でさっと濡らし、まな板に長ねぎを並べた。

あとは手が勝手に動いた。刃が音もなく繊維を断ち、青い小口が次々と並んでいく。にんじんを取って飾り切りに移ると、義母の口が止まり、菜箸を持つ手が宙で固まった。

キャベツの千切りのスピードは去年の比ではなかった。仕上げに大根のかつら剥きを一枚通して見せると、義母は何度も瞬きをしてから、小さな声で「あら、上手ね」とだけ漏らした。

去年の含み笑いは、もうそこになかった。台所に立っていた義父も、夫も、私の手元に視線を集めて沈黙していた。

義母は何かを取り繕おうとして口を開きかけ、結局そのまま閉じた。

食卓に料理を並べ終えると、義母は一度も嫌味を口にしなかった。

年に一度の正月料理が、私にとっては年に一度の反撃の舞台になった。三徳包丁を片付けながら、私は静かに息を整えた。立場というのは、こんなふうにも入れ替わるのだと、その台所で確かに感じていた。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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