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予約者から私の名前が消えていた旅行先のホテル。彼の「なんでもないよ」に傷ついた話

  • 2026.6.10
ハウコレ

ホテルのフロントで名前を告げると、係の人が予約画面を見て少し首をかしげました。記念日の旅行を心待ちにしていた私は、その表情の意味がわかりませんでした。けれど次の言葉で、楽しみは戸惑いに変わっていったのです。

予約者リストから消えた名前

記念日に合わせて予約してくれたホテルでした。一週間前には、彼が予約の画面を見せてくれて、二人の名前が並んでいたのを覚えています。それなのに、フロントで彼が名前を告げると、係の人は画面を確認してこう言いました。「ご予約は、お一人様で承っております」私の名前が、どこにもありませんでした。私は思わず彼の顔を見て、聞きました。「私の名前、なんで消えてるの?」彼はほんの少し目をそらして、それからこう言いました。「気にしないで。なんでもないよ」その短い返事が、なぜか冷たく感じられました。

観光地でも晴れない気持ち

その後は予定通り、近くの観光地をまわりました。海沿いの景色はきれいで、彼はいつも通り写真を撮ろうと誘ってくれます。けれど私は、さっきの出来事が頭から離れませんでした。

どうして私の名前を消したんだろう。誰かに二人の関係を知られたくないのかもしれない。それとも、私と来ていることを隠したい理由があるのかもしれない。考えるほど、悪い想像ばかりが膨らんでいきました。彼に合わせて笑おうとしても、うまく笑えません。彼も私の様子に気づいているのか、口数が減っていきました。楽しみにしていたはずの時間が、よそよそしく流れていきました。

部屋に届いた小さな花束

観光から戻り、二人で部屋へ向かいました。彼が扉を開けると、テーブルの上に小さな花束と、ケーキが用意されていました。カードには、彼の字で「記念日おめでとう」と書かれています。驚いている私に、彼はばつが悪そうに打ち明けました。「本当は、サプライズにしたかったんだ」ホテルに直接お願いして部屋の準備を整えてもらうために、予約を自分の名前だけにし直したのだそうです。

私に通知が届いて、計画がばれてしまわないように。フロントでうまく答えられなかったのも、隠しごとがあったからでした。うれしさと、少しのやるせなさが、一緒に押し寄せてきました。

そして...

彼の気持ちは、確かにうれしいものでした。私を喜ばせたくて、こっそり動いてくれていたのですから。それでも、フロントで名前が消えていたときに感じた心細さは、すぐには消えませんでした。私は思い切って、自分の気持ちを伝えました。隠されているようで不安だったこと、一言理由を言ってくれていたら、あんなに悩まずにすんだこと。彼は「ごめん、そこまで考えてなかった」と頭を下げてくれました。サプライズより、ふだんの小さな説明のほうが、私には大切なのかもしれません。次の旅行では、予約者の欄に二人の名前が並んでいるといいなと思いながら、私はケーキにそっと手を伸ばしました。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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