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女性の歯&ホルモンの「密接な関係」と5大健康リスク、歯科医が解説

  • 2026.6.3
ozgurcankaya / Getty Images

口腔の健康(オーラルヘルス)について、イギリスの一般歯科医で口腔顎顔面外科医でもあるビアンカ・コーヴィーヴァ氏は、「女性たちにとって特に重大な問題」だと語ります。それは、女性は生涯を通じてホルモンバランスの変化に直面し、それらの影響を強く受けているため。

しかし、それにもかかわらず一般的なオーラルケアに関するアドバイスの多くは、性別を考慮したものになっていないのだそう。コーヴィーヴァ氏は、「適切に手入れをしているはずなのに、問題が改善しないと悩む女性が多いのはそのため」だと指摘しています。

この問題について、コーヴィーヴァ氏が特に女性が知っておくべき「重要なこと」だとする5つのこと、そしてそれらに対する適切なケアの方法とは、どのようなものでしょうか──?

1. ホルモンバランスの変化

それほど広く知られていることではないものの、歯茎や唾液腺などの組織の細胞には、女性ホルモンであるエストロゲンの受容体が存在します。つまり、エストロゲンの分泌量の変動は、口内環境に直接的な影響を与えているのです。

エストロゲンが減少すると、歯茎が敏感になるほか、歯垢(プラーク、細菌の塊)が付着しやすくなります。また、唾液の分泌量が減少すれば、ドライマウスになりやすい。生理周期のタイミングや妊娠中、閉経後など、そのときどきの体の状態にかかわらず、口腔内の炎症や疾患のリスクは、私たちが思っている以上に高いということかもしれません。

2. 胎児にカルシウムを「奪われる」?

「妊娠すると赤ちゃんにカルシウムを取られてしまうため、歯がダメージを受ける」というのはよくある誤解。生きた組織である(破骨細胞と芽細胞がある)骨とは異なり、生きた組織ではない歯には、そのような(破骨細胞が骨を溶かして全身にカルシウムを供給するような)役割はありません。

妊娠中に口腔内に起きる問題の主な原因には、次のようなものがあります。

  • ホルモンバランスの変化が歯周病リスクを高める
  • つわり(嘔吐)によって歯が酸にさらされ、エナメル質が溶ける
  • 少ない量を頻繁に食べることで、虫歯のリスクが高まる
  • 無性に甘いものや酸味のあるものを食べたくなる

3. 閉経と歯を失うリスク

歯周病は、プラークが歯茎に炎症を引き起こし、悪化すれば歯茎が下がったり、骨が溶けたりする疾患。女性は更年期に入ると骨密度が低下することから、それ以前から歯周病があった場合、歯を失う危険性はさらに高まるとされています。

Westend61 / Getty Images

4. 多嚢胞性卵巣症候群

イギリスではおよそ8人に1人が診断されているという多嚢胞性卵巣症候群(PCOS、十分に発育しなかった卵胞が卵巣内にとどまり、排卵が起きなくなる疾患)。

ホルモンバランスや口腔細菌叢(口腔マイクロバイオーム)の変化、そしてインスリンが十分に働かないインスリン抵抗性などによって悪玉菌が増殖しやすい環境が作り出されれば、歯周病のリスクが高まる。

歯周病によって骨が溶けてしまえば、それを元に戻すことはできません。できるのは、その後の進行を何とか抑えようとすることだけ……。

5. 自己免疫疾患

女性は男性のおよそ4倍、自己免疫疾患を発症する危険性が高いとされています。そして、それらの多くは口腔の健康に影響を与えるのです。

  • シェーグレン症候群:唾液腺に影響を及ぼし、ドライマウスの原因になると同時に、虫歯のリスクを高める
  • 全身性エリテマトーデス(ループス):口内炎(口腔潰瘍)ができる
  • 関節リウマチ:歯周病のリスクが高まる

特に注意すべきこと

重要なのは、ホルモンの変化は口腔の健康状態に影響をおよぼすものだということ。そして、その影響はある程度、自分でコントロールができるということ。

まず欠かせないのは、プラークの蓄積を防ぐためのケア。効果的だとされているのは、電動歯ブラシで1日2回、ブラシを歯と歯茎の境目に対して斜めに当たるようにして歯を磨くことです。

さらに、フロスを使ったケアを毎日行うこと。使用したときに歯茎から出血しても、それは炎症のサイン。使い方に問題があるためでなければ、2週間ほどで出血は止まるはずです。

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食生活も、大きなカギを握っています。どれだけ歯を磨いても、食生活が乱れていれば口腔の健康状態を改善することはできません。特に虫歯については、影響が大きいのは砂糖を摂取する「量」ではなく「頻度」。

また、間食の回数が多い人は、口腔内が酸性に保たれる時間が長くなり、細菌によって歯の表面のエナメル質が溶けやすくなります。甘いものを食べるのは食事のときだけにして、間食には砂糖が含まれないものを選ぶようにすることが推奨されています。

いずれにしても、問題を早期に発見し、必要なアドバイスを受けるためには、定期的に歯科検診を受けることが重要!

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

Translation: Ryoko Kiuchi From Women’s Health UK

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