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【60代エンタメ】『七月大歌舞伎』市川團十郎白猿、133年ぶり『鏡獅子』への思い語る ぼたん&新之助との親子共演!成田屋の芸継承への覚悟も

  • 2026.5.31

歌舞伎俳優の市川團十郎白猿さんが5月29日、「七月大歌舞伎」(東京・歌舞伎座、7月2日~26日)の取材会に登壇。「七月大歌舞伎」の昼夜二部にわたって出演する團十郎さんは、市川宗家(成田屋)のお家芸や、江戸の粋を描いた名作への思いをじっくり語りました。

撮影:田口真佐美
写真右は、『神明恵和合取組』の特別ビジュアル、写真左は今年1月に東京・新橋演舞場で上演された『春興鏡獅子』の舞台写真。いずれも「七月大歌舞伎」夜の部に上演される演目。

多くの取材陣の関心を集めたのが、『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』。團十郎の名で歌舞伎座にて通し上演されるのは、九代目市川團十郎による初演以来、実に133年ぶりとなります。
 
今年1月、新橋演舞場において團十郎さん、長女の市川ぼたんさん、長男の市川新之助さんによる親子共演で上演され、大きな話題を呼んだ本作。前半では、可憐な御小姓・弥生の優美な踊り、後半では獅子の精による豪快な毛振りが見どころとなる華やかな舞踊劇です。
 
今回の再演について團十郎さんは、
 
「(最初は)断ったんですけど 、“ぼたんさんが歌舞伎座に立てます”と。僕は子どもに弱いので、弱いところをつけ込まれて」
 
と笑顔を見せながら、
 
「求められることを、求められた通りにやるのもちょっと恥ずかしいじゃないですか。本当はまだ変えられるなら変えたい。だけど決まったことなので、一生懸命やります」
 
と率直な思いも吐露。

撮影:田口真佐美

さらに、
 
「祖父の十一代目も、父の十二代目も、團十郎時代には(『春興鏡獅子』を)やってないんです。意外と僕は、これまでやっていなかったことをやってる側の人間なのかもしれないですね。ただ、本来はやっていかないといけないのかなと。意外と責任感強めなんです」
 
と、“團十郎”の名を継ぐ者としての覚悟ものぞかせました。
 
『鏡獅子』初演の明治26(1893)年、牡丹の花に舞う胡蝶の精を演じたのは、九代目市川團十郎の実娘である二代目市川翠扇、二代目市川旭梅。
 
團十郎さんは、
 
「歌舞伎の未来を描いた舞踊劇。女性の活躍を考えた九代目團十郎が作ったのではないかとも考えられます」
 
と、作品に込められた先進性にも言及しました。
 
実は1988年、團十郎さん自身も新之助時代に胡蝶役として出演しています。当時を振り返り、
 
「七代目菊五郎のおじさまが弥生・獅子の精で、今の八代目(菊之助)さんと私が胡蝶でした。ふたりとも10歳くらいで、学校も同じだったので、バスに乗って一緒に稽古に通いました」
 
と懐かしそうに回想。
 
さらに胡蝶役について、
 
「きちんと音が決まっている中でシンクロしないといけない。向き合っている時はまだ簡単ですが、背中合わせになると音の取り方が難しくなる。それを合わせていくのは、10歳くらいの子には難しいですよね」
 
と、その難しさを明かしました。

(c)松竹

夜の部では、“火事と喧嘩は江戸の華”を体現する人気作『神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)』、通称「め組の喧嘩」にも出演。團十郎さんは、粋な鳶頭・め組辰五郎を勤めます。大詰で繰り広げられる鳶と力士たちの大立廻りも大きな見どころです。
 
辰五郎役については、
 
「私は七代目菊五郎のおじさまに習っていますが、やっぱり江戸の風を感じます。そして、父から習った“大きさ”が、自分の中に入っているように思います」
 
と語り、代々受け継がれてきた芸への思いをにじませました。
 
また昼の部では、松本幸四郎さんが初役で武智光秀を演じる『時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)』に出演。團十郎さんは、光秀の家臣・四王天但馬守を勤めます。
 
「私も参加して、幸四郎さんのお力になれることは嬉しく思います。幸四郎さんは、夜の『め組の喧嘩』にも出てくださいます。」
 
と、共演への喜びも口にしました。

撮影:田口真佐美

さらに、夜の部で上演される歌舞伎十八番『鎌髭(かまひげ)』についても多くの質問が寄せられました。團十郎さん自身は出演しませんが、同作品は市川宗家・成田屋のお家芸。中村福之助さん、中村鷹之資さんという若手俳優が挑みます。
 
團十郎さんは、
 
「私はこれまで歌舞伎十八番、新歌舞伎十八番の復活上演をしてきましたが、その形を他の人がやることによって、ようやく“歌舞伎化”されたと考えるべきなのかなと思うんです」
 
と語り、
 
「自分が作ったものを“やりたい”と言ってくれる若手俳優たちがいるのは、非常に嬉しいことです」
 
と、次世代へ受け継がれていく喜びを語りました。
 
成田屋のお家芸から、江戸の粋あふれる名作まで、見どころ満載となる「七月大歌舞伎」。豪華競演がそろう夏の歌舞伎座に、期待が高まります。

七月大歌舞伎
上映期間:2026年7月2日(木)~26日(日)
〈昼の部〉午前11時~
〈夜の部〉午後4時15分~
【休演】9日(木)、17日(金)
場所:歌舞伎座
チケット発売日:6月14日(日)10:00~
チケット料金:特等席 20,000円、1等席 18,000円、2等A席 15,000円、2等B席 14,000円、2等C席 9,000円、3等A席 6,500円、3等B席 5,000円、1階桟敷席 20,000円
チケット購入方法:
〈電話〉チケットホン松竹(10:00~17:00) 0570-000-489
〈web〉チケットWeb松竹
公式サイト:https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/976/

この記事を書いた人 杉村道子

カルチャー系を中心にインタビュー記事を執筆しています。趣味は歌舞伎、落語、ミュージル、ストレートプレイに小劇場と、ひたすら雑食舞台鑑賞。年に何本見ているのか、最近は怖くて数えていません。

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