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25年前、ハスキーな声が色香を脱ぎ捨てた 働く女性のすぐ隣で鳴った"週末への疾走”

  • 2026.6.18

月曜の朝、足が重い。そんな気分の朝に、この曲のイントロが鳴ると、不思議と背中がすっと軽くなる。

2001年の初夏。Do As Infinityはまるで窓を全開にしたような、抜けのいい一曲を届けた。デビューから2年あまり、壮大なメロディと深い情感で世に知られたグループが、9枚目のシングルで選んだのは、思いきり風通しのいい場所だった。

Do As Infinity『Week!』(作詞・作曲:D・A・I)ーー2001年5月30日発売

肩肘の張らない、初夏の風みたいな軽さ。濃密なサウンドを得意とするバンドが、ふっと力を抜いて鳴らした音だ。だからこそ、聴いた瞬間に心がほどける。

風を切るギター、その上で弾むハスキーボイス

『Week!』のいちばんの魅力は、その抜けのよさにある。歯切れのいいギターのカッティングが軽快に刻まれ、そこへバンドサウンドが涼やかに重なって、走り出すような疾走感を生む。重さや陰りはどこにもない。聴いていると、自然と歩幅が広がっていくような開放感がある。

その軽やかなトラックの上で、伴都美子の歌声が気持ちよく弾む。彼女のハスキーな声は、しっとりとした曲では色香になる。ところがこのアップテンポでは、同じ声がまるで別の表情を見せる。少しかすれた質感が、軽快なリズムに乗ると、爽やかな前のめりの推進力に変わるのだ。

湿り気のある声が、乾いた風のように鳴る。この振れ幅こそが、彼女の歌の底力だと言いたくなる。

サビでは、その声がぐっと前に出て、跳ねるように転がっていく。語尾を引きずらず、軽く切り上げていく歌い方が、曲全体のスピード感をさらに押し上げる。声そのものがリズム楽器のように働いていて、サウンドと一体になって走る。歌とトラックが同じ方向へ駆けていく、その気持ちよさがこの曲の核心にある。

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2004年9月、デビュー5周年記念ライブを野音で開いたDo As Infinity(C)SANKEI

月曜の重さから週末の解放へ

タイトルどおり、この曲は一週間を曜日で綴っていく。月曜のけだるさ、火曜水曜と続く慌ただしさ、そして週末へ近づくにつれてふくらんでいく解放感。働く女性のなにげない日常が、そのまま歌のモチーフになっている。誰もが毎週くり返している小さな浮き沈みが、軽快なメロディに乗ってそこにある。

うまくいかない日も、ふと気持ちが上向く日も、一週間のなかには必ずまぎれている。そのでこぼこを、この曲は重くも軽くもしすぎず、ちょうどいい温度ですくい上げる。曜日が進むごとに気分が前へ動いていく構成は、聴き手の一週間のリズムにそのまま重なっていく。

だから刺さる。月曜の重さを知っている人ほど、金曜へ向かうこの曲のグルーヴに救われる。特別な物語ではなく、自分のことを歌われているような近さがある。

木村佳乃主演のTBS系ドラマ『嫁はミツボシ。』の主題歌として、毎週この曲が流れていたことも大きい。働きながら生きる日々と地続きの場所で、この歌は鳴っていた。テレビの前で一週間を区切るように聴いた人も多かったはずだ。

口ずさみやすいメロディは、聴いた次の日にはもう頭のなかで回っている。覚えやすさは、日常に寄り添う曲の強い武器になる。

日常の中へ駆けていく音

Do As Infinityが、これほど風通しよく駆け抜ける曲を残していたこと。それ自体が、いま聴き返すと小さな発見になる。重さを脱いだ彼らの音は、肩の力が抜けているぶん、まっすぐ気分に届く。

来週も月曜はやってくる。それでも、この曲が鳴り出すと、その重さを少しだけ笑い飛ばせる気がする。働く日々のすぐ隣で、いまもこの曲は金曜日へ向かって軽やかに走り続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。

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