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「どうせ兄貴目当てでしょ!?」女性不信のこじらせ男子×読めない女子。勘違いから始まる、尊すぎる青春ラブコメ『おそらくカノジョは俺の兄貴を狙ってる』【書評】

  • 2026.5.29
おそらくカノジョは俺の兄貴を狙ってる 伊瀬まるの/白泉社
おそらくカノジョは俺の兄貴を狙ってる 伊瀬まるの/白泉社

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爽やかなキュンを摂取したい、じれったい恋愛模様に「うわぁぁーー!」と悶えたい……。そんなあなたにおすすめしたいのが『おそらくカノジョは俺の兄貴を狙ってる』(伊瀬まるの/白泉社)です。

主人公・遠野陽太はいたって普通の男子高校生。しかしイケメンかつ学園のアイドルである兄のせいで「自分に興味をもって仲良くなろうとしてくる女子が、実は兄目当てだった」という悲しい展開が何度も発生。女性不信に陥っていた。

最近やたらと話しかけてくる同じクラスの女子・北条泉も兄貴狙いに違いないと、うっかり好きになって傷つかないようにいち早く自身をガードする陽太。しかしその割には兄の話を振ってこず、何を考えているかわからない泉のことがどんどん気になってしまう。

第1話にして本作にハマってしまった私がおすすめしたいのが、泉が兄と話しているところを、陽太が見かけるシーン。「やっぱお前もそっちじゃん」と傷ついた陽太は、兄目掛けて走って来る女子の集団とぶつかって転んでしまう。すると兄と話していたはずの泉が目の前に。そこで陽太が「なんで兄貴の方行かないの」と思わず本音をこぼすと、泉は「なんでって 遠野のこと見つけたから」とこともなげに返すのだ。

日常の一コマと見せかけて、兄に負け続けていると感じる陽太にとって泉のひと言は、これまでのコンプレックスを一瞬溶かすくらい重要な言葉になったはず。本作はこのように人物の心情描写が丁寧で、それぞれの心に深く刺さる出来事が何気なく描かれる。それが時に恋愛のキュンを、時に友情のじんわりとした温かさを、読み手に届けてくれるのだ。

ちなみにこの後の陽太の赤面にもぜひ注目。

こじらせ男子の右往左往ぶりがかわいいし、「もう付き合っちゃえよ!」と言いたくなる付き合う一歩前のもどかしさが、キュンを届けてくれる。

その後も図書室で一緒に勉強したり、スーパーの帰り道に相合傘をしたり、席替えで隣同士になったり……。端から見たらわかりやすい泉の好意を正面から受け取れず慌てふためく陽太、ふたりの青春はとてつもなくかわいい。

最新2巻では体育祭のリレーで兄弟対決をすることに。実は足がものすごく速いのに「兄貴にはどうせ勝てない」と思い込む陽太。一方、兄も実は陽太に勝てないと思っていて……。兄から陽太への視点も初めて明かされる兄弟対決、結果はいかに?

その他、初めて泉が赤面するシーンや、泉と無二の友人・うらら、陽太といつメン・村井と高宮の友情も描かれる。

登場人物の中でも特に推したいのが日凪。最初は兄目当てで陽太に近づくものの、その行動を反省し陽太に謝罪。それからはなぜか陽太を義弟と呼び兄目当ての女子から守ってくれるように。泉と陽太の間柄を本人たちよりも的確に理解し、アシストしてくれる。

「甘酸っぺぇ~~」と日凪が悶える姿はもはや読者代表。これからもまだまだ続きそうな陽太と泉のじれったい恋愛模様を一緒に見守り続けたい!

文=原智香

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