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野原みたいな【ナチュラルガーデン】を25年育ててきた兼岡美香さんの庭へ。バラのアーチと雑木の森がつながる初夏の景色

  • 2026.5.29

野原みたいな【ナチュラルガーデン】を25年育ててきた兼岡美香さんの庭へ。バラのアーチと雑木の森がつながる初夏の景色

まるで野原を切り取ったようなナチュラルガーデン。アプローチを抜け、バラのアーチをくぐれば、緑豊かな落ち着きある空間が広がります。家族の歴史を刻み、DIYで進化を続ける、ぬくもりあふれる初夏の情景を訪ねます。

兼岡美香さん、スタージャスミンを這わせた小屋の前で。「無理せず細く長く楽しめるローメンテナンスの庭を目指したい」

家族の歴史とともに育まれたガーデン

歴史の残る街並みから少しはずれた静かな住宅街に、兼岡さんのガーデンがあります。この家を新築した25年前から始まったこのガーデンは、家族の歴史とともにゆっくりと育まれてきた、静かで落ち着きのあるナチュラルガーデンです。兼岡さんが野原ガーデンと呼ぶのは、隣家とのフェンスに沿ったアプローチの両サイドにある、グラスやナチュラルな宿根草が混じり合い育つメドウと、広い駐車場や小屋を含めた20坪の部分。そのアプローチを抜けて華やかなバラのアーチをくぐると、雑木を中心にした20坪の静かな雑木の庭があらわれます。二つの庭はつるバラのフェンスで仕切られ、まったく異なる表情をもちながらも、全体として見事に調和しています。

「かつては子どもたちの遊び場だった野原ガーデンには、砂場や平均台を作ったりしましたが、子どもの手が離れてからは父や夫の助けを借りて小屋やベンチ作りなどのDIY を楽しんでいます。またメインガーデンの骨格となるのは、やわらかな木漏れ日をつくる雑木たちで、その足元には、リーフを中心とした植栽にし、青・白・紫を基調とした小花を散らしています。最近はバラも何本か取り入れて少し華やかさを演出しています」

シマトネリコやシルバープリペットがやさしくそよぐ雑木の庭への入り口。つるバラのロサ・ムリガニーがアーチ全体を真っ白に染めて出迎えてくれる。足元に広がっているのはクリーピングタイム。

野原ガーデンから雑木の庭への境は、‘群舞’ やロサ・ムリガニーなどのつるバラの壁に。普段はシンプルな庭もこの季節だけは華やか。

鉄筋を曲げて自身でDIY した柵にクナウティア・アルべンシスがゆらゆらと風にそよぐ、野原をイメージした植栽。

一重の白いバラは「ロサミカ」と名づけた実生のバラ。マウンテンミント、スティパ ‘エンジェルヘア’ など水やりしなくても育つ植物たち。

雑木中心の緑あふれる森のような庭を作る

兼岡さんの庭は、まっさらな土地からすべて自分たちの手作業で作り上げられました。いちばん最初に行ったのは、庭の動線を決めることで、棒で地面に描いた曲線に沿ってレンガを敷き、小径を作ることで庭全体の骨格ができました。その後、小さな雑木の苗を1本ずつ植え、庭の中に“島”のような植栽スペースをいくつか配置しました。それぞれの島には、ホスタをはじめとしたリーフ類や宿根草を植え込み、コツコツと作業を繰り返して、年月とともに自然なボリュームと奥行きがでてきました。

「雑木中心の緑溢れる、森のような庭を作ることが理想でした。でもその一方、庭作りの過程で雑草との闘いもありました。そこで、島以外のスペースには敷石を取り入れ、ローメンテナンス化を図っています。敷石をみずから運び、少しずつ敷き詰めていくたいへんな作業をコツコツと繰り返すことで、機能性と美しさを両立させた現在の形が生まれました」

小道の右はアオダモ、手前に原種ガーベラ・ヤメソニーの赤、シロタエギクやヤマアジサイなど、森の中にぽつりと咲く宿根草のように。

雑木の庭の主ともいえるシマトネリコの下にはミツバツツジ、つるバラ ‘レッドキャスケード’、ヤマアジサイ ‘九重山’、タイワントキワアジサイ。

北側に位置するシェードには、コゴミ、ヤブレガサ、ミヤコワスレなどとたくさんの種類のヤマアジサイで山野草のコーナーを。

アンティークのジョウロのわきには、フィリペンデュラ、ニシキシダ ‘シルバーフォールズ’ などが広がる。

【後編に続きます】

撮影/柴田和宣 取材・文/橋本景子

※この記事は『園芸ガイド』2026年夏号の記事を、WEB用に再編集したものです。

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