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【豊臣兄弟!】謎多き慶(吉岡里帆)と小一郎(仲野太賀)がついに本当の夫婦に! 奥田瑛二×麻生祐未の豪華キャストにも注目

  • 2026.5.29

【豊臣兄弟!】謎多き慶(吉岡里帆)と小一郎(仲野太賀)がついに本当の夫婦に! 奥田瑛二×麻生祐未の豪華キャストにも注目

2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」。今まであまりスポットライトの当たることのなかった豊臣秀長を主人公に、戦国時代がどう描かれるのか? ここでは、ストーリー展開が楽しみな本ドラマのレビューを隔週でお届けします。今回は、第19回「過去からの刺客」と第20回「本物の平蜘蛛」です。

第19回「過去からの刺客」

このところ大きな合戦を中心に物語が進んでいて、そちらに気を取られていたが、きっと誰もが心のどこかに引っかかっていて気になっていたのが、慶(ちか/吉岡里帆)の存在ではないだろうか。

安藤守就(もりなり/田中哲司)の娘にして、小一郎(仲野太賀)の妻である。彼女について、これまでにわかっていることは、過去に美濃の斎藤家の重臣であった夫がいたこと、その夫は織田との戦で命を落としたこと、その後、彼女の父である守就が織田に寝返ったことで、小一郎との縁組が信長の命によって決まったことなどである。

そのいきさつを知っただけで、心に傷を持っていることは想像に難くないが、とにかく何を思っているのかわからない。よからぬ噂も立ち、それを本人も否定しない。謎めいていて、いつも不機嫌である。どこかに陰があって近寄りがたい雰囲気だ。だが、第19回でやっとその秘密が明らかにされた。

天正4(1576)年1月、織田信長(小栗旬)は、岐阜城とともに家督を長男・信忠(のぶただ/小関裕太)に譲り、自身は安土へ移ると決めた。琵琶湖東部の安土山に、地上6階建ての巨大な城を築き始めるのだった。小一郎の家臣、藤堂高虎(たかとら/佳久創)もその普請に加わった。

一方、秀吉(池松壮亮)と寧々(ねね/浜辺美波)にも変化が。前田利家(としいえ/大東駿介)とまつ(菅井友香)夫婦の四女・豪姫を養女に迎えたのだ。秀吉の母・なか(坂井真紀)が「この子はきっとお寧々によく似たお美しい姫様になるね」と目を細める。「似るのよ、長く一緒におると。血なんてつながってなくても」

天正5(1577)年、織田軍は能登国・七尾城からの救援の願いを受けて、柴田勝家(かついえ/山口馬木也)を総大将とする4万の軍勢を差し向ける。それを迎え撃つのは、「越後の龍」上杉謙信(工藤潤矢)だった。

しかし陣内では、勝家と秀吉が激しい言い争いになってしまう。秀吉は今すぐ出陣せよと進言するも、勝家は「七尾城の者たちを見捨てろと言うのか」と動かないのだ。「七尾城はすでに敵の手に落ちている、救援の求めも、自分たちへの罠かもしれない」と秀吉も譲らない。

その頃、高虎は、慶が他の男といるところを見てしまったと小一郎に告げに来ていた。小一郎は相手を百姓だと思い込んでいたが、高虎は「あの身のこなしは間違いなく侍でござる。おそらくどこかの武将の間者でございましょう」と断言する。改めて不安を覚えた小一郎は、慶に問いただすが、「もう会いませぬ。ですからこれ以上の詮索はお許しくださいませ」とはねつけられただけだった。翌朝、慶の姿はどこにもなかった。

小一郎に目通りを願う者(足立英)がやってきた。慶と一緒にいた男だ。男は自らを「村川竹之助」と名乗り、「羽柴様、お慶様をお救いください!」と頭を下げる。竹之助の手引きで小一郎が向かったのは、近江と美濃の国境、長浜から歩いて半日ほどのとある村であった。一面の田畑では、農作業をする者たちや子どもたちがいた。その中に、ある少年(高木波瑠)の姿があった。竹之助が「若は行かれませぬのか」とその少年に話しかけると、「わしは侍の子じゃ、あやつらとは遊ばぬ」と答えが返ってきた。

少年は慶の息子・与一郎(よいちろう)だった。小一郎のもとを訪れた竹之助は、慶の元の夫・堀池頼広(よりひろ)の両親である堀池頼昌(よりまさ/奥田瑛二)と絹(麻生祐未)は、戦で織田家に敗れて以降、百姓として働きながら、村で与一郎を育てていると告げた。さらにこの両親は、織田に寝返った守就の娘である慶を決して許そうとせず、与一郎と慶を引き離したのだと言う。「だからお慶様は私を通じて、ひそかに与一郎様を見守ってこられたのです」

与一郎は、祖父・頼昌に「武士として」厳しいしつけを受けていた。弓矢の稽古でなかなか的を射抜けない孫息子に、祖父は「あれを織田の武将と思うてよく狙え。それでも頼広の子か! お前の父は斎藤家の重臣だったのだぞ」と、とにかく手厳しい。

それを見ていた小一郎が一歩踏み出して「羽柴筑前守が弟、小一郎と申します」と名乗る。部屋に上がると頼昌の背後には甲冑があった。頼広のものだという。頼昌は「これは頼広じゃ。感ぜられますかな。織田家に殺された無念、頼広の怨念で呪い殺されぬうちに、とっとと帰ったほうが身のためじゃ」と声を荒げる。

しかし小一郎は、そんなことでは怯まない。ここへは自分の一存で来たこと、慶にはまだ話していないが、与一郎を養子にくだされと願い出たのだ。さらに頼昌と絹のことも迎え入れたいと伝えた。二人は「誰が織田の世話になどなるものか! 与一郎の父は頼広ただ一人じゃ」と断固拒否。だが小一郎も負けていない。「ならば、母はお慶だけでござりましょう。私のことは父と思わなくとも構いませぬ。しかし、お慶はずっと与一郎のことを思い続けておりまする。与一郎はどうかお慶のもとに」

遅れて慶も現れると、「勝手な真似をするな、与一郎を養子になど誰が頼んだ」とまくしたてた。小一郎はただ「そなたと与一郎が一緒に暮らせればそれでよい」となだめる。

夜になって、小一郎は慶と火を囲んで話をする。小一郎は自分と直(なお/白石聖)のことについて、静かに語り始める。そして慶にとっては、与一郎がそうした存在なのだろうと言うのだった。「一人でよう耐えられた。気づいてやれんですまんかった。わしら夫婦じゃからな。何でも力になるで。もっとわしを頼ってちょ」。慶もその言葉に初めて本音があふれてきて、涙ながらにこう言うのだった。「私は与一郎と一緒にいたい。与一郎を抱きしめとうございます」

慶の背中の傷も、与一郎を抱いて逃げようとしたとき、止める頼昌が太刀を振り下ろしてついた傷だとわかった。

翌日、小一郎は「必ず説き伏せる」と約束して再び村へ向かった。村では与一郎が相変わらず、上手くいかない弓矢の稽古をしている。小一郎は、「織田の侍を思い浮かべて殺そうとしておるのか」と聞く。「じゃから恐ろしゅうて力が入るんじゃ。気になっている柿を取ろうと思うてみよ」

すると次に放った矢は、みごと的に当たった。小一郎は的の近くから柿を取り出し、「お前が取った獲物じゃぞ、食え」と与一郎に手渡す。「弓にはこういう使い方もあるんじゃ。人を狙うのが苦手なのは、きっとお前が優しいからじゃ」。そこへ頼昌が現れて激昂、小一郎に向かって弓を引いて身構える。すると、「お待ちくださいませ!」と慶が現れた。

部屋に上がると、慶はずっと遠目に彼ら3人を見ていて、申し訳なく思っていたと告げ、与一郎を育ててもらったことに対して心からの礼を述べた。与一郎は渡さぬとあくまで譲らない頼昌に、「それで構いませぬ」と慶は言う。「ただ、与一郎に恨みを晴らさせるようなことだけはもうおやめください。憎しみだけで生きていくのはあまりに苦しくて、与一郎にはそんな思いはさせたくありませぬ。もしそれでお気持ちがすまぬと言うなら、私をお討ちくださりませ」

すると小一郎に続き、与一郎が「おやめください!」と声をあげた。「母上を斬らないでください。お願いします。お願いします」

「もうよしましょう」と絹も止めに入った。「許しておくれお慶。あなたを斬ったとき以来、この人は太刀を抜けなくなってしまったの。この人もずっと罰を受けてきた。だから許してやって」。そう言うと絹は、背後の甲冑を力いっぱい倒した。「これは頼広などではありませぬ。私たちの頼広は、もっと優しく笑っておりました。そうよね、お慶」

頼昌は与一郎に尋ねた。「与一郎、お前はどうしたい」。少しうつむいた後、与一郎ははっきりこう答えた。「わしはおじいに教えてもらった弓で、うまい実をいっぱい取りたい。そしてそれを母上に食べさせとうござりまする。おじいやおばあにも食べさせとうござりまする」。与一郎を頼むと頭を下げる頼昌に、小一郎は「必ずや、頼広殿のような立派な武将にお育ていたしまする」と誓うのだった。

与一郎と暮らすようになって、慶の表情は一気に和らいだ。よく似ている二人を眺めて、小一郎はこう言うのだった。「早う仲間に入りたいのう。知っとるか。血はつながっておらずとも、ずっと一緒におると似てくるのじゃぞ」

慶にも改めて伝えた。「ひとつだけ約束してくれ。この先はたとえ誰かを守るためであっても、自らの命と引き換えにするようなことは言わんでくれ。わしはそなたが大切なのじゃ。このわしが必ずうまくいく道を見つけてみせる。わしを信じてくれ」。慶も「この命、あなたにお預けいたします」と微笑んで答えるのだった。

いやしかし、少年の祖父母に奥田瑛二と麻生祐未という豪華キャストを配したのには驚いた。きっとこの先、それほど多くは登場しないであろう役どころのはずだ。だがそれは、ここをきちんと決めるか、外してしまうかで物語の重みがまるで違ってくる大事なシーンでもあった。だからこそ、このキャスティングなのだろう。とても心に沁みる一話になった。

第20回「本物の平蜘蛛」

第20回では、いきなり秀吉がピンチに陥る。勝家と決裂して、勝手に戦場を離れ帰宅したことが、信長の逆鱗に触れたのだ。しかも、その結果、織田軍は大敗を喫した。信長の怒りは収まらない。秀吉は安土城内の牢に入れられ、厳しい監視下に置かれることになった。

小一郎は、助けてくれる仲間を探して奔走する。蜂須賀正勝(まさかつ/高橋努)、宮部継潤(けいじゅん/ドンペイ)、丹羽長秀(ながひで/池田鉄洋)、明智光秀(みつひで/要潤)などを訪ねては必死で頼み込むが、誰もかれも歯切れが悪く、力添えは得られない。

そんな中、羽柴家では寧々が城に行くと言って聞かない。それを見た慶が「行くなら、家中(かちゅう)みなで参りましょう」とあることを提案する。

数日後、秀吉は信長に呼び出される。「羽柴筑前守秀吉、沙汰を申しつける。このわしの命を一度ならず二度までも背いたことは断じて許されぬ。よって」と言いかけたところで、小一郎が割って入った。「お待ちくださりませ! これを」。すると、畳全面に長い巻紙を広げたのだった。それは羽柴家や家臣たち全員による、信長に忠誠を誓う起請文(きしょうもん)であった。女たちも全員、署名をし、血判を押したのだ。「これに免じて、どうか兄をお許しくださいませ!」

しかし、信長はその巻紙を蹴散らして「このようなものを見せられたところでわしの怒りは収まらぬ。だがこの者たちの願いがあるいは天運を呼び寄せたか、運がよかったのう、サルども。松永がまた裏切りおった」と言うのだった。「わしの知る限り、あやつが最も心を許しておるのはお前たちじゃ。松永を説き伏せ、再びわしのもとにひざまずかせよ。ただし、ただでは許さぬ。あやつの持つ茶器の中で最も価値のある、平蜘蛛を差し出させよ。それができれば、お前のこたびの失敗は目をつぶってやる」。秀吉はひときわ大きな声で叫ぶのだった。「必ずや上様のご期待に応えてみせまする!」

信忠や家臣たちが松永秀久(ひでひさ/竹中直人)の居城である信貴山城を取り囲んで待機する中、兄弟は松永との談判に臨んだ。兄弟が伝えた信長からの命に、松永は「素直に平蜘蛛を差し出せば、大和は返してもらえるのか」とくらいついてくる。大和に固執する理由を「南朝時代のお宝が眠っておるからだ」とも述べたが、どうもその話の端々に嘘がにじむ。戯言(ざれごと)なのか、そうでないのか、兄弟は翻弄されてしまう。

松永は、自分の父が偽物づくりを生業としていたと説明する。そして自分もその父に作られたまがい物なのだと、卑下して育った。歴史ある大和を治めることは、自分が本物であることの証なのだと言うのだった。秀吉は、「上様はあなた様を死なせたくないのでございます。平蜘蛛を差し出されませ。拙者とともに長生きいたしましょう」と説得する。

松永は平蜘蛛を二人に差し出すが、見分けのつかない同じようなものが二つ並んでいた。それを見抜く勝負をしようと、松永は二人に持ち掛ける。本物を見抜けたら命に従うと言うのだ。どう見てもわからず困り果てた小一郎は、いきなりそのうちのひとつを持ち上げて落とす振りをする。すると「やめろ!」と松永が叫んだ。それを見て小一郎は、手にしているものが本物だと確信し、もう一つのものを叩き割った。負けを認めた松永は、「支度して参る」と部屋を出ていく。

しかし、兄弟が喜び合っていると、突然爆発音が聞こえ、壁が崩れてくる。慌てて駆け出す二人の目の前に、炎に包まれる部屋で立っている松永が見えた。「戦、戦、戦のこの世にはもう飽きた。先に行って待っていると信長に伝えよ」。そして、平蜘蛛はどちらも偽物であると告げるのだった。信貴山城は炎に包まれて落ちていった。

安土に帰った兄弟は、偽物の平蜘蛛を差し出し、その旨を信長に報告した。すると信長は、その偽物の茶器を兄弟に下賜(かし)し、「そうか、ではこれはお前らにくれてやる。だがお前たちが役目を果たしたことは認めてやる。よって、北国でのことは水に流す」と秀吉のことを許したのだった。秀吉は土に降りて、「殿、ありがとうござりまする。ありがとうござりまする」と心からの礼を言った。

「もしかしたら、上様は最初からこれが偽物であることを知っておったのではないか」と小一郎がつぶやいた。「あのとき、松永殿が謀反を起こすことは目に見えていた。上様はそれを待っておったのじゃないか。兄者を許す理由とするために」

部屋に戻った信長に市が声をかけた。「いつ見ても美しいものですね。本物の名器というものは」。「ああ、そうじゃなあ」という信長の目の先には、先ほどの器とそっくりの茶器が置かれているのだった。そして兄弟がもらった偽物の茶器からは、大和に眠るお宝のありかが書かれた絵図が出てきた。

第20回も虚実入り混じっているだろう物語の「虚」の部分のエンターテインメント性に、ぐいぐい引っ張られた回だった。兄弟がどう助け合って、ともに戦国の世を駆け上がっていったのか、少々「お人よし」に描かれ過ぎの感は否めないが、それも仲野太賀と池松壮亮、二人の演技力で納得させられてしまう。これから地位が高くなっていけば、「いい人」だけではいられない。そこがどう描かれるのか。それも楽しみだ。

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