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高齢者施設の外出レクリエーションで起きた“予想外の出来事”→現役介護士が語る、安全を守るために“欠けていた視点”とは…

  • 2026.6.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

高齢者施設での外出レクリエーション。当日に向けて準備を重ねていましたが、現地で待っていたのは予想外の出来事でした。

利用者の安全ばかりに目を向けていた私が気付いたのは「支える側」の体調管理の大切さ。介護現場での実体験を通して学んだことをお伝えします。

「もしも」を想定して準備していたレク

これは、私が有料老人ホームで働いていた頃の出来事です。

梅雨の訪れを感じる、紫陽花が咲き始めた季節のことでした。

施設では、利用者の皆さんと紫陽花を見に行く外出レクリエーションを企画していました。

雨の日が続く梅雨の時期は、どうしても気分が沈みがちになります。そんな季節だからこそ、外の空気に触れたり、季節の花を楽しんだりする時間を作りたいと考えたのです。

利用者の皆さんと同じ景色を見て、同じ季節を感じることは、介護職として働く中での大きな喜びのひとつでもあります。

当日は、天候によって内容を変える予定でした。

晴れていれば車を降りて散策し、雨であれば車窓から紫陽花を楽しむドライブ形式にするというものです。安全に楽しんでいただくため、数日前から天気予報を確認しながら準備を進めていました。

前日に雨が降った場合は足元が悪くなるかもしれない。

散策中に雨が降り出したらどうするか。

車椅子で移動する際に危険な場所はないか。

現地のルート確認やスタッフ同士の打ち合わせも行い、「もしも」の場面をできる限り想定していました。

そして迎えた当日。

空は曇っていましたが、前日は快晴で足元の状態も良好。天候が大きく崩れる予報もなく、予定通り散策を実施することになりました。

想定外だったのは天気ではなく…

ところが、そこで予想していなかったことが起こります。

午後になって気温と湿度が上がり、紫陽花が咲く場所には多くの虫が飛び交っていました。

利用者の皆さんに大きな影響はありませんでしたが、車椅子介助や見守りを行っていたスタッフやドライバーは何度も蚊に刺されてしまったのです。

さらに、慣れない屋外での介助は想像以上に体力を使います。

利用者の安全確認をしながら移動をサポートし、その上周囲の状況にも気を配ります。その結果、私たちスタッフは大量の汗をかいていました。

その時になって、私はあることに気付きました。

利用者の安全や快適さについては十分に考えていたつもりでしたが、私たちスタッフの体調管理については後回しになっていたのです。

もし暑さで体調を崩してしまったら。

結果として、利用者の安全にも影響を及ぼしていたかもしれません。

支える側への配慮も欠かせない

介護の現場では、利用者を第一に考えることが求められます。

しかし同時に、利用者を支えるスタッフ自身が安全で健康な状態であることも欠かせません。

後日、同じ内容の外出レクリエーションを行った際には、虫よけ対策や水分補給の準備をあらかじめ徹底しました。

その結果、大きなトラブルもなく、利用者もスタッフも安心してレクリエーションを楽しむことができました。

どれだけ準備を重ねても、想定していなかった出来事は起こるものです。

だからこそ大切なのは、「完璧な準備」を目指すことではなく、経験から学び、次に活かしていくことなのだと思います。

今回の出来事を通して私が学んだのは、利用者への配慮と同じくらい、支える側への配慮も大切だということでした。

利用者もスタッフも安心して過ごせる環境があってこそ、安全で心地よい時間が生まれるのだと、改めて実感しました。



文:けいこ/介護福祉士・Webライター 

介護福祉士として10年以上、デイサービスや入所施設などさまざまな介護現場で経験を積む。現在も介護職として働く傍ら、Webライターとして活動。介護や暮らし、働き方について発信している。二児を育てるワーキングマザー。


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