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50代女性「目薬を使ったらなんだか“しみる”気がする」薬剤師が思わず注意した、保管にまつわるトラブルとは…?

  • 2026.6.29
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

「薬は冷蔵庫に入れておけば長持ちする」「余ったものは次に使えばいい」と思いがちですが、季節の変わり目には、その考え方が思わぬトラブルにつながることがあります。

本記事では、薬局でよく耳にする保管にまつわる失敗談をもとに、見落としがちなポイントを整理しました。

開封後の薬の使用期限や、気温差による形状の変化、持ち歩き時の注意点など、日常のちょっとした場面で役立つ知識をご紹介します。

最後には、今日から実践できる小さな工夫もお伝えしますので、ご自宅の薬箱を見直すきっかけにしていただければ幸いです。

良かれと思った「まとめ買い・作り置き」の盲点

食品の感覚で「ストックしておけば安心」と考えてしまいがちですが、薬には食品とは異なる時間軸があります。

開封したかどうかで、扱いが大きく変わるものも少なくありません。

開封後の目薬やシロップの使用期限

50代の女性から実際に会った相談です。

「去年もらった目薬がまだ残っていたから使ったけれど、なんだかしみる気がする」とご相談を受けたことがありました。

未開封の状態であれば箱に記載された期限まで使えることが多いのですが、一度開けた目薬は1か月程度を目安に使い切るのが一般的です。

シロップ剤も同様で、開封後は雑菌が入りやすく、見た目に変化がなくても品質が落ちていることがあります。「もったいないから」と取っておいたものが、かえって体に合わない結果になることもあるのです。

「もったいない」が品質低下を招くことも

同じ症状が出たときのために薬を取っておく方は多くいらっしゃいます。

お気持ちはとてもよく分かりますが、症状が似ているようでも原因が違うこともありますし、保管状態によっては成分が変化している可能性も。

特に粉薬や一包化された薬は湿気の影響を受けやすく、季節をまたいで保管したものは見た目が変わっていなくても注意が必要です。

気温差の大きい時季に注意したいこと

春先や秋口、また夏から冬への移り変わりの時期は、室温の変動が大きくなります。普段と同じ場所に置いているつもりでも、環境は思いのほか変わっているものです。

坐薬や軟膏が形を変えてしまう失敗

60代の男性から「夏に処方された坐薬を秋に使おうとしたら、形が崩れていた」とお話を伺ったことがありました。

坐薬は体温で溶けるように作られているため、室温が高い場所に置いておくと変形してしまうことがあります。

一度溶けて固まり直したものは、有効成分が均一でなくなっている可能性があり、使用は避けたほうが安心です。

軟膏やクリーム類も、温度変化で分離したり、質感が変わったりすることがありますので、季節の変わり目には一度状態を確認していただくとよいでしょう。

持ち歩き時の温度管理の落とし穴

外出先で飲もうと思ってバッグに入れた薬が、夏場の車内や冬場の暖房の効いた部屋で予想以上の温度にさらされることもあります。

冷蔵保存が必要な薬を旅行に持っていく際は、保冷バッグを利用するなどの工夫が役立ちます。

逆に冷えすぎても困る薬もありますので、長時間の持ち歩きが必要な場合は、事前に薬剤師にご相談いただくと安心です。

読者へのワンポイントアドバイス

保管にまつわるトラブルは、ちょっとした習慣で防げることがほとんどです。難しく考える必要はありません。

開封日をメモしておくと安心

目薬やシロップ、軟膏など、開封してから使用期限が変わる薬には、容器に開封日を書いておく習慣をおすすめします。

マスキングテープや小さなシールに日付を書いて貼るだけでも十分です。「いつ開けたか覚えていない」という不安がなくなり、使うかどうかの判断もしやすくなります。

また、定期的に薬箱の中身を見直し、古いものや見た目に変化があるものは無理に使わず、薬局へお持ちいただいて構いません。

処分の仕方も含めて気軽にご相談いただけます。日々のほんの少しの手間が、薬を本来の力で安全に使うための支えになります。季節の変わり目を、薬箱の見直しのタイミングにしてみてはいかがでしょうか。


ライター:下田篤男

京都大学薬学部総合薬学科を卒業後、調剤薬局やドラッグストアグループで薬剤師として勤務してきました。総合病院の門前店舗では管理薬剤師を務め、たくさんの患者さんと向き合う日々の中で、「薬を渡す」だけではない、人と人との関わりの大切さを実感しています。現在は薬剤師として現場に立ちながら、医療記事の執筆・編集や薬局経営コンサルタントとしても活動中。読者の皆さまに、薬局がもっと身近で頼れる場所になるような情報をお届けしていきたいと思っています。


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