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「10年以上宅配の仕事をしていて初めて」雨の日に慎重に荷物を届けると…後日、カスタマーセンターに届いた連絡にヒヤッ

  • 2026.6.25
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出典:photoAC ※画像はイメージです

皆さまこんにちは。元宅配員のmiakoです。

雨の日に外に出るのは、誰にとっても気が重いものですよね。
傘を差していても靴や裾が濡れてしまったり、荷物が濡れないように気を遣ったりすることもあるのではないでしょうか。

宅配の仕事も、雨の日だからといって休むことはできません。
今回は、雨の日の配達で出会った、お客様のちょっとした気遣いと、心に残る「ありがとう」の言葉についてお話しします。

雨の日、荷物を守るために宅配員が心がけていること

物流は止まることなく毎日動いています。宅配便も、雨の日であっても風の強い日であっても、よほどのことがない限りお届けに向かいます。

雨の日は、何より荷物が優先です。
自分の身を守ろうと傘を差すと、その分荷物が濡れてしまいます。
そのため、雨合羽を着て、できるだけ荷物に集中できるように、そして、荷物がなるべく濡れないように配達することが多くなります。

雨の日は基本的に、「置き配」ではなく、対面でお渡しする対応に切り替えることが多くなります。
お客様がお留守のようであれば、不在票を入れる対応になります。

それは、雨でダンボールが濡れてしまうと、お荷物の品質を損なってしまう可能性があるからです。
多くの荷物は紙製のダンボールのため、湿気を吸うと本来の強度が弱くなり、箱が破れてしまう可能性もあります。

そのため、置き配の指示があったとしても、指定された場所が濡れていたり、雨が降り込む可能性がある場合は、対面でのお渡しに切り替えることがあります。

ただし、ガレージの奥や倉庫の中など、雨が降り込みにくく荷物が濡れる可能性が低いと判断できる場所であれば、置き配で対応することもあります。

玄関先に用意されていたビニール袋、Aさまの気遣い

ある雨の日のことです。
アパートの2階にお住まいのAさま宅へ荷物をお届けすることになりました。

玄関前に着くと、ふと玄関わきにビニール袋とメモが置かれているのに気づきました。
メモには「宅配便はこのビニールの中に入れて、置き配でお願いします」と書かれていました。

先ほどお伝えした通り、雨の日は基本的に置き配ではなく対面でのお渡しに切り替えることが多くなります。
Aさまの玄関前は、今のところ雨が降り込んでいない状態でした。しかし、風向きや風の強さによっては、これから降り込んでしまう可能性もありました。

もし、このビニール袋の用意がなければ、チャイムを鳴らし、不在であればいったん荷物を持ち帰ろうと考えながら訪問したところでした。
けれど、ご用意いただいた袋は、大きめの透明なゴミ袋のようなしっかりとしたサイズで、両手で抱えてきた荷物もすっぽりと入りそうな大きさでした。

そこで、荷物をビニール袋に入れ、雨水が染み込まないように袋の口をしっかりとしばってから、置き配とさせていただきました。

わざわざ雨の日のために袋を用意してくださっていたことに、ちょっとした気遣いをありがたく感じた出来事でした。

雨の中、傘の下でお荷物をお渡ししたBさまとのやりとり

またある日の雨の日のことです。それまで強かった雨脚が、ちょうど弱まったタイミングでした。

Bさまへお届けする荷物は、ちょっと抱えられるくらいの小さめの荷物だったので、濡れないようにシートを被せて、雨の中を車から降りました。

Bさまのお宅は、門扉に鍵がかかっているお宅で、門扉のところにあるチャイムを鳴らして、門の外で待機します。

Bさまのお宅は屋根のない造りだったため、雨宿りができる場所がありませんでした。玄関先であれば玄関の屋根で雨をしのげるのですが、屋根のない場所での荷物の受け渡しになるため、荷物が濡れてしまわないか少し心配でした。

チャイムを押すと、すぐに「はーい」とお返事がありました。インターホンに向かって「宅配便です」とお声をかけると、「今行きます」とお返事をいただき、門に近い勝手口から60代くらいの女性が傘をさしながら出てきました。

お返事があった時点で伝票を準備していたため、門扉越しに雨の中で伝票をお渡しすると、濡れた伝票にサインをしてくださいました。
伝票を受け取ったあと、先にポケットへしまい、手元のシートでくるんでおいたお荷物を、お客様の傘の下でなるべく濡れないようにサッと取り出し、「雨なので、濡れないようにお気をつけください」とお伝えしながらお渡しいたしました。

そして、そのままその場をあとにしました。

カスタマーセンターに届いた「ありがとう」の言葉

その後、Bさまからカスタマーセンターへ連絡が入ったと聞き、ヒヤッとしました
お客様からカスタマーセンターへ連絡が入ったと伝えられるのは、クレームがほとんどです。

荷物のお渡しには細心の注意を払ったはずです。
その当時の自分の行動を思い返しながら、何がご不快を与えてしまったのだろうかと届いた内容を確認しました。

するとその内容は、私の想像とは真逆で、「雨の中、荷物が濡れないように工夫して配達してくださり、とても感激しました。ありがとうございました。」というお褒めの言葉をいただいたのです。

10年以上宅配の仕事をしていて、カスタマーセンターまで私へのお褒めの言葉が届いたのは、これが初めてでした。
この言葉は、その後の仕事の励みになりました。
どんなに忙しいときでも、雨で大変なときでも、お客様に寄り添う姿勢を続けていくことができました。

宅配員も人間です。ロボットのように、与えられた仕事をただこなしているわけではありません。
お客様一人ひとりの荷物と向き合いながら、お届けしています。

人なので、もちろん失敗することもありますし、判断に迷うこともあります。
ご不快な思いをされたというお申し出があれば、反省して次はないように心がけます。

それと同じくらい、お褒めの言葉をいただけるととても嬉しく、励みになります。

中には「こんな天気の日にわざわざ来てくれてありがとう」と、栄養ドリンクを渡してくださる方もいて、頑張りを認めていただけたとひそかに喜んだこともありました。

小さな気遣いが、宅配員の力になる

もし、宅配員の対応に少しでも満足してくださったときは、ぜひカスタマーセンターへお伝えいただけると、当人だけでなく一緒に働く仲間にもお客様への姿勢が伝わり、良い影響が広がっていきます。

お電話でもメールでも構いません。
もちろん、宅配員へ直接声をかけていただけることも、とても嬉しいものです。

雨の日の配達は、宅配員にとっても気を遣う場面が多いものです。荷物を守るための工夫や、お客様からのちょっとした気遣いが、お互いの安心につながることもあるのではないでしょうか。

小さな気持ちでも、声をかけていただけると「次も頑張ろう」という気持ちになります。

これからも、宅配員とお客様が、お互いに思いやりを持ちながら荷物をやりとりできる関係が続いていくことを願っています。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた“宅配のリアル”を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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