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深夜、仮眠室に響く指令音。元救急隊員が語る、1秒で頭を現場モードに切り替える“壮絶な裏側”とは…

  • 2026.6.24
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出典:photoAC ※画像はイメージです

こんにちは。ライターのとしです。

救急隊は、日中だけでなく深夜にも出動します。

夜間は仮眠を取る時間もありますが、指令が入ればすぐに起きて現場へ向かわなければなりません。

今回の話は、深夜帯の救急出動で感じていた身体的な負担についてです。

現場に着いてからの対応だけでなく、実は指令を受けた瞬間から緊張は始まっていました。

仮眠中でも指令が入ればすぐに起きる

消防署での勤務は、24時間体制でした。

夜間は出動に備えながら、仮眠を取る時間があります。

ただし、あくまで出動に備えた仮眠です。

深夜でも救急要請が入れば、指令音と音声で一気に起こされます。

それまで眠っていたとしても、すぐに起きて出動準備をしなければなりません。

寝ぼけたままゆっくり起きるような時間はありません。

指令内容を確認し、現場の住所や通報内容を把握し、必要な準備をしながら救急車へ向かいます。

体は寝ていた状態でも、頭は1秒で現場モードへ切り替える必要がありました。

指令音で一気に覚醒する感覚

深夜の指令音は、何度経験しても体に響きます。

仮眠中に突然鳴るため、心臓が跳ねるような感覚になることもありました。

起きた直後なのに脈拍がいつもより速くなっており、自分の心臓の鼓動が聞こえるように感じるほどです。

アドレナリンが出ているのか、一瞬で目が覚めるような感覚です。

ただ、それは自然にすっきり起きるのとは違います。

体が無理やり起こされ、急に緊張状態へ引き上げられるような感じでした。

もちろん、救急隊としてはそれが仕事です。

しかし、深夜に何度も出動が重なると、体への負担は少しずつ蓄積していきます。

車内で現場を想定する

救急車に乗り込むと、現場へ向かいながら通報内容を確認します。

腹痛なのか、胸痛なのか。
意識があるのか、呼吸はどうなのか。
けがなのか、急病なのか。

通報内容は限られていることも多く、現場に着くまでは分からないこともあります。

その中で、必要な資器材や考えられる病態を頭の中で想定していました。

深夜であっても、現場に着けばすぐに判断が求められます。

眠かったから動けない、というわけにはいきません。

むしろ現場へ向かっている間に、どれだけ頭を切り替えられるかが大切でした。

出動中は動けてもあとから疲れがくる

出動中は、緊張感があるため動けます。

現場活動、観察、搬送、病院への連絡。

やることが続いている間は、疲れを強く感じにくいこともあります。

ただ、出動が終わって署に戻ったあと、ふっと力が抜ける瞬間があります。

その時に、急に疲れが押し寄せることがありました。

深夜の出動が1件だけならまだしも、何度も続くと仮眠は細切れになります。

寝たと思ったら起こされる。

戻ってまた横になっても、次の指令が入るかもしれない。

そうした状態では、体も心も完全には休まりません。

当務が終わったあとに、安心したようにどっと疲れを感じることもありました。

強いやりがいはあるが、深夜出動の負担は見えにくい

救急隊の仕事というと、現場での処置や搬送に目が向きやすいと思います。

もちろん、それは大切な仕事です。

ただ、深夜の救急出動では、指令を受けた瞬間から身体的にも精神的にも負担が始まっています。

眠っていた状態から一気に起きること。
すぐに住所や内容を確認すること。
現場に向かいながら病態を想定すること。

そして、到着すれば普段通りに対応すること。

こうした切り替えを、深夜でも何度も行う必要があります。

救急隊は仮眠中であっても、指令が入ればすぐに現場へ向かいます。

その裏側には、外からは見えにくい緊張と負担がありました。

救急隊の仕事には、人の命を救うという強いやりがいがあります。それは間違いありません。しかし、現場には、体力だけでなく、深夜でも一瞬で心と体を切り替える壮絶な戦いがあることも、また一つのリアルなのです。

深夜の出動を重ねるたびに、救急現場は体力だけでなく、切り替える力も求められる仕事だと感じていました。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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