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「子どものためだから」“大学費用500万”を払い切るが…→4年後、50代夫婦を直撃した“想定外の試練”【お金のプロは見た】

  • 2026.6.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関で働き、家計のご相談を数多く受けてきた中川です。

「子どもにお金がかかる時期が終われば、次は自分たちの番」。そう考えて、老後の備えを後回しにしているご家庭は少なくありません。

その気持ちは自然なものです。ただ、後回しにしている間に、自分たちの老後資金が空のままになっていることがあります。

今回ご紹介するのは、教育費が一段落してから老後資金の準備を始めたAさん(仮名)夫婦の体験談です。家計の貯金箱を分けるという小さな一歩をご紹介します。

「老後資金は教育費が終わってから」と先送りにしてきたAさん夫婦

Aさんは当時48歳。子どもが大学に入った頃から、学費や仕送り、帰省の費用がじわじわと重くなっていきました。

入学金、前期・後期の学費、毎月の仕送り。引き落としのたびに口座残高は減っていきましたが、「子どものためだから」と迷いはなかったといいます。

大学の4年間でかかった教育費は、およそ500万円。

「今は教育費のかかり時。自分たちのことは、そのあとでいい」

そう言い聞かせてきたそうです。

ひと息ついて気づいた、空っぽの老後資金

子どもが社会人になり、ようやくひと息ついた頃。家計を見渡したAさんは、青ざめたといいます。

同じ口座に、子どものお金と自分たちのお金がずっと混ざっていました。残高を見ても、どれが老後のための貯金なのか分からない。頑張ってきたつもりが、自分たち用の貯金箱はほとんど空でした。

「子どもの教育費は払うことができました。でも、自分たちのぶんは、最初から無いも同然だった」

Aさんは静かにそう話してくれました。

定年まであと十数年という年齢。焦りがなかったといえば嘘になると振り返ります。

特別な投資ではなく「貯金箱を分ける」だけ

その後、Aさんが始めたのは、特別な投資でも難しい商品の購入でもありませんでした。

子ども関連の口座と、夫婦の老後資金用の口座をはっきり分ける。そして老後用の口座へ、毎月3万円ずつ自動で移す。それだけのことでした。

分けてみて初めて、自分たちの数字と向き合えたといいます。それまでは、なんとなく不安だったものが、口座を分けたことで、あと何年でいくら必要なのかを、具体的に考えられるようになりました。残高が少しずつ増えていくのを見ると、漠然とした不安が和らいでいきます。

夫婦でお金の話をする時間も増えたそうです。

老後資金は口座を分けて準備するのが第一歩

Aさんは、「子どものお金と自分たちのお金を分けて管理することが、老後資金を準備する第一歩だと実感しました」と振り返ります。

老後の備えというと難しく考えがちですが、まずは口座を分けて、自分たちのお金を見えるようにすることが大切です。

子どもの進学が決まった時点で、少額でも別の口座を用意しておくと、あとで慌てずにすみます。豊かな老後に向けて、今から少しずつ準備を始めていきましょう。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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