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『申請しないと利用できない』社労士が指摘。離婚後に気づいても手遅れ…老後資金を確保する“年金の制度”とは?

  • 2026.6.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

離婚後の生活を考える際、財産分与や住まいのことは気にしていても、「年金」についてはあまり意識していない人もいるかもしれません。しかし、婚姻期間中に築いた厚生年金の記録は、離婚時に分けられる可能性があります。

この仕組みが「年金分割制度」です。条件を満たせば、離婚後の老後資金を確保するための助けになることもあります。

今回は、年金分割制度の仕組みや種類、手続きの注意点について見ていきましょう。

【本記事は、社労士みなみ・著、『知りたいことがぜんぶわかる! 定年前後のお金の超基本』(Gakken)より一部抜粋して掲載しています。】

離婚後は厚生年金を分けられる場合がある

年金分割制度とは、離婚した際に婚姻期間中の厚生年金の記録を夫婦で分け合う制度です。

対象となるのは、厚生年金の記録(標準報酬月額・標準賞与額)の部分です。自営業者など厚生年金に加入していない場合は分割の対象になりません。

例えば、会社員の夫と専業主婦の妻が離婚した場合、妻は厚生年金に加入していないため、将来受け取る年金額に差が生じることがあります。

こうした不公平を解消するために設けられたのが年金分割制度です。婚姻期間中に夫婦で築いた年金記録を公平に分けるという考え方に基づいています。

なお、この制度は専業主婦(夫)世帯だけでなく共働き世帯でも利用できます。夫婦のどちらの収入が多かったかによっては、夫が分割を受けるケースもあります。

年金分割には「合意分割」と「3号分割」がある

年金分割には、「合意分割」と「3号分割」の2種類があります。

合意分割は、婚姻期間中の厚生年金記録を多い方から少ない方へ分ける制度です。対象は2007年4月以降に離婚した夫婦で、夫婦の合意が必要になります。

分割割合は最大で50%までとされており、話し合いで決めるのが基本です。合意が難しい場合は、調停や裁判によって割合を決めることになります。

一方、3号分割は会社員の扶養に入っていた専業主婦(夫)が請求できます。こちらは相手の合意が不要で、請求すれば婚姻期間中の厚生年金記録を50%分割できます。

対象は2008年4月以降の婚姻期間中に国民年金の第3号被保険者だった期間です。

年金分割は申請しなければ利用できない

年金分割制度で特に注意したいのが、手続きをしなければ自動的に適用されないことです。

離婚届を提出しただけでは年金は分割されません。必要書類を揃えたうえで、年金事務所へ申請する必要があります。

また、請求期限にも注意が必要です。2026年4月の制度改正により、年金分割の請求期限は離婚後2年から5年へ延長されました。ただし、この改正は2026年4月1日以降に離婚した人が対象です。

期限を過ぎると手続きができなくなるため、離婚後は早めに確認しておくことが大切です。

離婚後の生活設計のために知っておきたい制度

年金分割制度は、婚姻期間中に夫婦で築いた厚生年金の記録を公平に分け、「納得して次の人生を歩む」ための制度です。

合意分割と3号分割という2つの仕組みがあり、対象者や手続き方法は異なります。また、自動的に適用されるわけではないため、必要な手続きを忘れずに行うことが大切です。

離婚後の生活設計を考えるうえで、年金は重要な収入源のひとつです。制度の内容を知っておくことで、老後への不安を減らし、新たな生活を安心してスタートできるでしょう。


【本記事は、社労士みなみ・著、『知りたいことがぜんぶわかる! 定年前後のお金の超基本』(Gakken)より一部抜粋して掲載しています。】

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