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国民的美少女グループ“初センター”に立った『愛され力の伝道師』 決して“突然”ではなかった、4年で積み重ねた"静かな革命"

  • 2026.8.10
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芸能 乃木坂46新成人お披露目 (C)SANKEI

乃木坂46の42ndシングル『是非に及ばず』で、一ノ瀬美空が初めて表題曲センターを務めることが発表された。5期生として加入してから約4年。明るい笑顔と親しみやすいキャラクターでファンの心を掴んできた彼女は、どのようにしてグループの中心に立つ存在となったのか。一ノ瀬のこれまでの歩みを振り返っていく。

5期生の中で光った一ノ瀬美空の愛され力

一ノ瀬は2022年に乃木坂46の5期生として加入した。福岡県出身で、加入当初から愛嬌のある笑顔と柔らかい雰囲気が印象的だった。自己紹介や番組での受け答えでも、どこか人懐っこさがあり、相手との距離を自然に縮めていく力があった。愛称の“みーきゅん”にも表れているように、一ノ瀬は5期生の中でも“かわいらしさ”や“明るさ”をまっすぐに届けられるメンバーだったと言えるだろう。

ただ、一ノ瀬の魅力はそれだけではない。初期の彼女には、場を和ませる明るさがありながら、どこか周囲をよく見ている落ち着きもあった。前に出る時はしっかり前に出るが、誰かの言葉を受け止める時はきちんと相手に寄り添う。バラエティでの反応の良さや、同期との関係性の中で見せる気配りからも、ただ明るいだけではないバランス感覚が見えていた。

『THE TIME,』で広げた一ノ瀬美空の現在地

乃木坂46に加入してからの一ノ瀬にとって、大きな経験となったのが外仕事での活動だった。中でも『THE TIME,』(TBS系)で約2年間レギュラーを務めたことは、彼女の印象を大きく広げたはずだ。朝の情報番組では、明るさや華やかさだけでなく、生放送ならではの対応力や、限られた時間の中で言葉を届ける力も求められる。共演者とのやり取りを重ねる中で、一ノ瀬は乃木坂46の外でも自然体で立てる存在になっていった。

その経験は、乃木坂46の活動にも確実に返ってきていたように思う。『THE TIME,』のレギュラー就任時、一ノ瀬はブログで「皆さんに伝えたいことをしっかり伝えることができるように頑張っていきます!」と綴っていた。歌番組やライブ、ミート&グリート、ブログなど、ファンと向き合う場所での一ノ瀬は、以前にも増して自分の言葉で思いを伝えるようになっていった。明るく振る舞うだけではなく、悩みや不安も含めて言葉にする。42ndシングル期間に向けたブログでも「不安や吐き出したい弱音は一度ここに置いていきます」と記しており、その率直さがあるからこそ、彼女の笑顔には少しずつ説得力が増していったのではないか。

「熱狂の捌け口」で見せた新たな表情

そんな一ノ瀬にとって、ひとつの転機になったのが、36thシングル『チートデイ』に収録された5期生楽曲「熱狂の捌け口」だった。同曲で一ノ瀬は、自身初となる乃木坂46の楽曲センターを務めた。これまでの柔らかくかわいらしいイメージとは少し違い、楽曲には熱量や鋭さがあった。MVやライブでの一ノ瀬は、笑顔だけではない表情を見せ、5期生の中心に立つ存在として新たな一面を示した。

「熱狂の捌け口」は、一ノ瀬に大きな可能性を生んだ楽曲と言っても過言ではないだろう。彼女自身、これまで表情の幅やかっこいい楽曲への向き合い方に課題を感じていたように見える。だからこそ、同曲でセンターに立ったことは、単にポジションを得たというだけではなく、自分の殻を破るための大切な機会でもあった。明るくてかわいい一ノ瀬美空から、強さや熱を表現できる一ノ瀬美空へ。その変化が、多くのファンに伝わったはずだ。

積み重ねた経験の先にある表題曲センター

また、5期生の中での立ち位置も変わっていった。5期生は、井上和をはじめ、菅原咲月、池田瑛紗、五百城茉央、川﨑桜ら、それぞれが異なる場所で存在感を高めてきた世代だ。その中で一ノ瀬は、圧倒的なカリスマ性で前に出るというよりも、場の空気を明るくしながら、少しずつ信頼を積み重ねてきた。同期からの信頼、ファンからの期待、外仕事で得た経験。そのすべてが重なった先に、今回の表題曲センターがあるように感じる。

そして忘れてはならないのが、現在の乃木坂46が新たな体制に入っているということだ。3代目キャプテンとしてグループを牽引してきた梅澤美波が卒業し、菅原咲月が4代目キャプテンに就任した。グループ全体としても、大きな節目を迎えている。そんなタイミングで、一ノ瀬が42ndシングルのセンターに立つことには大きな意味がある。乃木坂46らしい柔らかさを持ちながら、外に向けて明るく開いていける存在。その両方を持っているからこそ、今のグループの中心に選ばれたのではないだろうか。

5期生として加入した頃の一ノ瀬美空は、明るい笑顔で周囲を照らす存在だった。そこから外仕事で経験を重ね、5期生楽曲のセンターで新たな表現に挑み、今度は表題曲のセンターに立つ。振り返ってみると、その歩みは決して急なものではなく、一つひとつの経験を積み重ねてきた結果だったように思う。

42ndシングル『是非に及ばず』は、一ノ瀬にとって初めての表題曲センターであり、乃木坂46にとっても新体制を印象づける大切なシングルになるだろう。これまでファンに届けてきた笑顔も、外の現場で培ってきた対応力も、「熱狂の捌け口」で見せた強さも、すべてが今の一ノ瀬につながっている。彼女がこの夏、乃木坂46の中心でどんな景色を見せてくれるのか。その姿を楽しみに見守りたい。


※記事は執筆時点の情報です。

ライター:川崎龍也
大学卒業後にフリーランスとして独立。現在はアイドル雑誌を中心に、取材・インタビュー/コラム執筆を主軸に活動している。主な執筆媒体は『BOMB』『MARQUEE』『EX大衆』『音楽ナタリー』『RealSound』など。
X(旧Twitter):@ryuya_s04

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