1. トップ
  2. エピソード
  3. 「ちゃんとお父さんとの思い出ある?」プライベートな質問を聞いてくる友人。数年後、リモート飲み会での友人の一言に笑顔が消えた

「ちゃんとお父さんとの思い出ある?」プライベートな質問を聞いてくる友人。数年後、リモート飲み会での友人の一言に笑顔が消えた

  • 2026.5.30
「ちゃんとお父さんとの思い出ある?」プライベートな質問を聞いてくる友人。数年後、リモート飲み会での友人の一言に笑顔が消えた

結婚式後の集まりで掘り返された話

大学時代からよく飲み歩いて、卒業旅行にも一緒に行った友人がいる。

社会人になってからも年に数回は顔を合わせる間柄で、それなりに気心も知れているつもりだった。

関係にひびが入りはじめたのは、私が結婚した直後のことだ。

式の後、仲のいいメンバーで集まった席があった。

賑やかで、懐かしい顔が揃った夜だった。

私には幼い頃から父親と折り合いが悪く、今も意識的に距離を置いている。

夫婦間でもほとんど話したことがないような、触れたくない種類の話だ。職場でも友人にも打ち明けたことがなかった。

それがどこかに滲み出ていたのか、友人がみんなの前でこちらを向いた。

「ちゃんとお父さんとの思い出ある?」

手が微かに震えた。場が静かになった気がした。

何も言えずに黙っていると、隣にいた妻が話題を変えてくれた。

場はどうにか収まった。友人に悪意はなかったのだと思う。

ただ、踏んではいけない場所を踏まれたという感覚だけが残った。あれが最初の小さなひびだった。

その日の帰り道、妻が「大丈夫だった?」と聞いてくれた。

大丈夫だよと返したが、胸のどこかがじわりと重くなっていた。

リモート飲み会で踏み越えた夜

それから数年が過ぎた。時代の流れで飲み会はオンラインが中心になり、仲間内でも画面越しに集まるようになっていた。

ある夜、久しぶりに顔が揃ってそれなりに盛り上がっていた頃だった。

酔いが回った友人が、また父の話を持ち出してきた。

自分も父親になっていたからか、感情が乗っていたのかもしれない。

ヘラヘラしながら、まるで世間話のような口調で言った。

「俺が父親だったら、息子に距離を置かれるなんて耐えられない」

私が何十年もかけてゆっくり折り合いをつけてきたことだった。

苦しんだ時間があって、そのうえでやっと今の距離感にたどり着いた。

その重さを、笑いながら冗談のように口にした。

笑い飛ばせなかった。

画面の向こうの友人は何も気づいていなかったと思う。

その場は会話が流れていったが、私の中では何かがひっそりと閉まった。

地雷を踏まれるとはこういうことなのだと、初めてリアルに理解した夜だった。

ライフステージが変われば変わる友情もある。そのことを頭ではなく、身体で知った気がした。

それ以来、連絡を取ることが自然と億劫になっている。向こうから来ても、既読のまま時間だけが過ぎることが増えた。

今もどこか、会う気になれないでいる。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる