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「車不要」と駅徒歩5分マンションを買った夫婦→数年後、“10台待ち”に青ざめた訳【不動産のプロは見た】

  • 2026.7.2
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社で10年以上の現場経験を持ち、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。駅に近い便利な立地のマンションを購入する際、車を持たない選択をするご家庭は増えています。

電車や徒歩で生活が完結する環境であれば、わざわざ維持費のかかる車を持つ必要はないと考える方は多いかもしれません。しかし、数年後にライフステージが変化したとき、当初の計画が狂ってしまうことがあります。

今回は、将来の生活変化を見落とし、駐車場の確保に大変な苦労をすることになったご夫婦の事例をご紹介します。

子どもの誕生で状況が一変。敷地内は10台待ち

駅徒歩5分の中古マンションを購入したAさん(30代男性・会社員)は、共働きの妻と2人暮らしをしていました。通勤は電車を使い、日常の買い物も徒歩圏内で済むため、購入時は車を所有していませんでした。

敷地内には駐車場がありましたが、当分は使う予定がないため申し込んでいない状態でした。しかし購入から数年が経ち、子どもが生まれたことで生活環境は一変します。

雨の日の通院や週末のまとめ買い、実家への帰省などを考えると、やはり車が必要だと強く感じるようになりました。そこでAさんは、マンションの管理員室を訪ねて駐車場の空き状況を尋ねます。しかし管理員からは、予想もしなかった言葉が返ってきます。

「申し訳ありませんが、敷地内の駐車場は現在すべて満車です。いま10台ほどお待ちの方がいます」

当分は使わないからと申し込みを見送った判断が、ここで重くのしかかってきました。

車庫証明の「2キロメートルルール」が立ち塞がる

敷地内に車を停められないと知ったAさんは、近隣で1か月単位で借りる月極駐車場を探し始めます。ここで壁になったのが、車を登録するときに必要な車庫証明の条件でした。

車庫証明を取るには、自宅から直線距離で2キロメートル以内に駐車場を確保しなければなりません。2キロメートルを超える場所にある区画を借りても、そもそも車庫証明が取得できないのです。

ただでさえ空き駐車場が少ない駅近エリアで、この距離の制限は厳しい壁となりました。申し込みができる月極駐車場はさらに限られ、ようやく見つけた区画は月額3万円前後と想定より高額でした。

選択の余地がなくなったAさんは、敷地内駐車場の空きが出るまでの間、高額な月極駐車場を借りてしのぐことになりました。

「今は要らないからと駐車場の契約を見送りましたが、将来また必要になることや、そのときに空きがなくなることまで考えていませんでした」とAさんは振り返ります。

将来の変化を見据えて事前に確かめるべきこと

今は車がなくても、子育てや親の介護、転職などで将来必要になる場面はあり得ます。問題は、そのときに敷地内駐車場をすぐ確保できるとは限らないことです。

マンションの購入を決める前に、駐車場の空き状況や空き待ちの人数を管理会社や管理組合に確認しておきましょう。特に駅に近いエリアは、敷地内の駐車場が不足しやすい傾向があります。

あわせて、自宅から直線距離で2キロメートル以内に車庫証明が取れる月極駐車場があるか、その相場や空き具合まで調べておくのもおすすめです。今は不要でも、いざというときの確保のしやすさまで見ておくと、生活の変化に対応しやすくなります。

参考:自動車の保管場所証明申請(警察庁)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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