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「払わなくていいの?」アパートの更新料を自己判断で拒否した人が突如直面する契約違反の落とし穴

  • 2026.7.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。宅地建物取引士やマンション管理士の資格を持ち、不動産業界で15年の実務経験があるライターの西山です。

賃貸物件の契約書を見つめながら、ため息をついた経験はありませんか。初期費用に書かれた「礼金」や、数年ごとに請求される「更新料」という文字を見て、なぜ支払う必要があるのか疑問を抱く方は少なくありません。

実は、こうした一時金は海外では珍しく、日本独特の慣行とされています。今回は、礼金や更新料の仕組みと、最高裁判所が示した有効性の条件について専門的な視点から分かりやすく解説します。

礼金と更新料の仕組みと地域による違い

海外では、礼金や更新料に当たる一時金がない国も多くあります。そのため、初めて日本で部屋を借りる海外出身の方が、契約書の項目を見て戸惑うことも珍しくありません。文化や習慣が異なれば、日本独特の費用は理解しにくいものです。

礼金は、入居時に大家さんへお礼として支払うお金で、原則として戻ってきません。そして更新料は、契約を更新する際に支払うお金です。

礼金や更新料は法律で義務づけられたものではなく、古くからの地域の慣習として続いてきました。地域によっては更新料を設定しない場所もあり、一時金の有無や相場には大きな地域差があります。

一方で敷金は、家賃の未払いや退去時の修繕費に備えて預けるお金です。部屋を元の状態に戻す原状回復をした後、残った額は手元に戻ります。

最高裁が判断した更新料の有効性と条件

かつて更新料の支払いをめぐり、契約条項が無効ではないかが争われた裁判がありました。最高裁判所は平成23年7月15日に、一定の条件下で更新料を有効とする判決を下しています。

もともと争われたのは「更新料を定めた契約条項が消費者契約法(消費者の利益を守る法律)に反して無効ではないか」という点でした。最高裁は、更新料の金額や支払い方法が契約書に明確に記載されていることを前提に判断しています。

そのうえで、賃料や更新の間隔に照らして高額すぎるといった特別な事情がなければ、消費者契約法には違反せず有効だと結論づけました。つまり、契約時に合意して書面に残した更新料には、原則として支払い義務が生じます。

契約で定めた更新料を「払わなくてよい費用」と自己判断して支払いを拒むと、契約違反になる恐れがあるため注意が必要です。

納得した賃貸契約を結ぶための確認ポイント

賃貸契約を結ぶ際は、初期費用や更新時の条件をあらかじめ細かく確認することが重要です。礼金などの一部の費用については、時期や物件によって交渉の余地がある場合もあります。しかし、すでに契約書で定めた更新料は、原則として定め通りに支払わなければなりません。

礼金や更新料は、不当な費用でもなければ、当然に全額を無条件で支払うものとも言い切れません。地域の慣習や個別の契約内容によって事情は異なります。

契約の前に費用の内訳や根拠を担当者に確認し、納得した上で手続きを進める習慣を身につけましょう。今回の内容が、皆さまの納得できる住まい選びに役立てば幸いです。

参考:更新料に関する最高裁判決(全日本不動産協会)



筆者:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士・FP2級などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し、組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。


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