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5000万円で新築戸建てを購入した30代夫婦→「初めて迎えた梅雨に…」駐車場に潜む落とし穴【一級建築士は見た】

  • 2026.7.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「梅雨に入って雨が続くと、駐車場の真ん中あたりに大きな水たまりができるんです。車を降りるたびに靴がぬれてしまって。新築なのに、どうしてだろうと…」

そう話すのは、郊外の新築戸建て(4LDK・約5,000万円)を購入したIさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。コンクリートで仕上げられた駐車スペースは見た目もきれいで、入居当初は気にしていませんでした。ところが初めて迎えた梅雨の長雨で、水はけの悪さに気づいたといいます。

「晴れていれば問題ないんです。でも、まとまった雨が降ると水が引かず、しばらく水たまりが残ってしまって」と振り返ります。

水たまりができる原因は「水勾配」にある

駐車場の水はけを左右するのが、「水勾配」と呼ばれる、ごくゆるやかな傾きです。平らに見える駐車場も、実はわずかに傾けてつくられ、雨水が排水溝や側溝へ自然に流れるようになっています。一般に2〜3%ほどの勾配(1mあたり2〜3cm下がる傾き)が水はけの目安とされ、これが足りないと、水はその場にとどまろうとする表面張力の働きにより、流れずに残ってしまいます。

見た目では傾きはほとんど分かりませんが、雨のときだけ水たまりができるなら、勾配がうまく取れていない可能性がある、ということです。

「勾配」と「排水の行き先」はセットで考える

水勾配と合わせて大切なのが、流れた水の「行き先」です。いくら傾きがついていても、流れ着く先に排水設備がなければ、水は行き場を失います。とくに駐車場の周りが建物やブロック塀で囲まれていると、逃げ道がなく敷地内にたまりやすくなります。降った雨を受け止め、敷地の外へ流すための排水溝や集水桝(雨水を集める箱状の設備)が、勾配とセットで備わっていることが欠かせません。

また、新築から数年経って水たまりが目立ち始めた場合は、地盤が沈んだり、コンクリートにひびや欠けが生じたりして、水の通り道が変わったことも考えられます。とくに車のタイヤが繰り返し通る場所は、重みで少しずつ沈みやすい傾向があります。

Iさん夫婦はどう対応したのか

水たまりが続いたIさん夫婦は、まず家を建てたハウスメーカーに連絡しました。状況を確認してもらうと、駐車場の勾配が十分に取れておらず、水が一カ所に集まりやすくなっていることが分かりました。駐車場も含めて引き渡された住まいで、引き渡しから間もない時期だったこともあり、原因を確かめたうえで、ハウスメーカーの負担で勾配や排水を直す方向で話が進んでいるそうです。

ただし、これはあくまでIさんのケースに当てはまった話です。引き渡し直後で、当初からの施工の精度に原因があると推測されたため、無償で対応する流れになりました。引き渡しから年数が経って地盤の沈下やコンクリートの経年劣化が主な原因と考えられる場合や、保証の対象・期間、契約の内容によっては、補修が有償になることもあります。

「新築の駐車場に水たまりができたら、いつでも無料で直してもらえる」とは限りません。気になる症状が出たら、まず契約書や保証の内容を確かめたうえで、施工した会社に相談するのがよいでしょう。

家を買うときは「雨の日の駐車場」まで確認して選ぶ

戸建てや駐車場付きの住まいを検討する際は、見た目のきれいさだけでなく、雨のときの水はけまで意識しておくと安心です。

・駐車場に、排水溝や集水桝などの排水設備が備わっているか
・駐車場の周りが、建物や塀で囲まれて水の逃げ道がなくなっていないか
・可能であれば、雨の日や雨上がりに、水たまりができていないかを見ておく
・中古の場合は、ひび割れや部分的な沈み込みがないか

「晴れの日」だけでなく「雨の日」も想像して

駐車場は晴れた日に見るとどれも同じように見えますが、水はけの良し悪しが表に出るのは、まとまった雨が降ったときです。見た目のきれいさだけで判断せず、雨の日に水がどう流れるかまで想像しておくことが大切です。

もし水たまりができるようになったら、自己流で埋める前に、まず原因を確かめること。勾配や排水の不具合は表面だけ直しても再発しやすいため、専門家に見てもらうのが近道です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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