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「管理費が無駄、戸建て一択」は本当か?戸建てとの維持費を30年単位で比較してわかったこと

  • 2026.6.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社で10年以上の現場経験を持ち、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。物価高で生活コストの上昇が話題です。

住まいの費用も例外ではなく、ネット上では「戸建ての方が得だ」という極端な意見も目にします。今回は、マンションの管理費値上げの実態と戸建てとの維持費の比較について、事例を交えて解説します。

管理費高騰のニュースに揺れる買い替え検討者の不安

不動産の買い替えを検討する40代のHさんは、ネットで気になる書き込みを目にしました。「管理費と修繕積立金で月3万円超もかかるマンションは損なのでは?」という意見です。

実際、マンションの維持費は上昇傾向にあります。さくら事務所の調査によると、都心9区の新築マンションの管理費は2019年からの5年間で約34%上昇し、1㎡あたりの月平均が初めて500円台に達しました。

値上げがもたらす居住者の葛藤とマンションの弱点

VSG不動産の調査によると、許容できる管理費の値上げ額を「月3,000円未満」とする層が6割を超え「月5,000円以上」を許容する層は少数派にとどまります。許容範囲を超える大幅な値上げが提示されると、約半数が「将来的な売却を選択肢に入れる」と回答しました。

値上げの背景には、以下のような要素があります。

  • 管理員の人件費上昇
  • 共用部の光熱費・点検費の高騰
  • 建物の老朽化にともなう修繕費の増加

管理費や修繕積立金はこうしたコスト上昇が反映されることで、物価高のあおりを受けやすいいといえます。

「戸建ては維持費ゼロ」の誤解とサービスへの対価

一方で、戸建てを選べば維持費がかからないわけではありません。外壁塗装や屋根の補修、給湯器の交換やシロアリ対策などが年月とともに必要になり、30年単位では数百万円規模になることもあります。大きな違いは、毎月決まった額を積み立てるか、自分のタイミングで都度払うかという点です。

また、管理費には清掃や共用部の維持、エレベーター保守や防犯設備などのサービスへの対価が含まれます。管理費を無駄と決めつけると、これらを自分で手配せずに済む手軽さや、防犯面で守られている点を見落としてしまいます。

総額と生活スタイルで判断するHさん夫妻の結論

Hさん夫妻は、マンションと戸建ての費用を30年単位でざっくり並べてみました。さらに、生活スタイルも判断材料に加えます。

「私たちは共働きだから、管理の手間を抑えられるマンションの方が合っていると思う」

話し合いの結果、Hさん夫妻は目先の月額だけでなく、総額と手間の両面で考えてマンションを選ぶことにしました。

将来を見据えた住まい選びの判断基準

マンションの管理費を単に高いと決めつけず、戸建ての修繕費も含めた30〜40年の総額で比べてみましょう。マンションは管理費の内訳と今後の値上げの想定、戸建ては将来の修繕費を、おおよその金額で出してみると比べやすくなります。

ネット上の極端な意見は、一つの見方にすぎません。最適な答えは、世帯の働き方や年齢に加え「手間をどこまで許せるか」で変わります。自分たちの暮らし方に合わせて費用を見比べ、納得できる住まいを選びましょう。

参考:
都心マンション“高級化・人件費高騰・インフレ”の三重苦【管理費1㎡平均500円台】突入!5年で+34%の急騰(さくら事務所)
マンションの管理費と修繕積立金の値上げに関する調査(VSG不動産)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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