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築45年超の団地に「ここに決めた!」と入居して数ヶ月。40代夫婦が「仕方ないのかな…」と毎朝後悔したワケ

  • 2026.7.2
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

住宅探しをしていると、築年数を聞いて驚くほどきれいなリノベーション物件に出会うことがあります。特に近年では、築古団地や中古マンションをおしゃれに改装した物件も多く「新築より安くて、このデザインなら十分」と感じる方も少なくありません。

しかし、住まいは毎日暮らして初めて分かることもあります。

今日は、築45年を超える団地のリノベーション物件を購入した40代ご夫婦が、入居後に思いもよらない結露問題に悩まされることになったエピソードをご紹介します。

理想の団地リノベ生活は冬までだった

これは私が会社員時代に、不動産の仲介に携わっていた頃のお話です。Aさんご夫婦は40代の共働き世帯でした。新築マンションも検討していましたが、予算面を考えると希望エリアでは少し厳しかったそうです。

そんな中で出会ったのが、築45年超の団地をフルリノベーションした物件でした。室内へ足を踏み入れた瞬間、ご夫婦は驚いたといいます。

  • 新品に張り替えられたフローリング
  • オシャレなアクセントクロス
  • 開放感のあるLDK
  • 雰囲気のある間接照明

とても築45年超には見えませんでした。

「新築マンションを見た後でも見劣りしないじゃない!ここに決めた!」

ご夫婦は思い切って購入を決断。入居したのは春。窓を開けると風がよく通り、築45年超とは思えないほど快適だったそうです。夏場も特に不満はありませんでした。

むしろ新築マンションを購入した知人から管理費や修繕積立金の話を聞くたびに「うちはかなり安く購入できて良かった...」と夫婦で話していたそうです。しかし、その満足感は最初の冬を迎えた頃から少しずつ揺らぎ始めます。

気付けば家中にタオルが置かれるようになった

最初の異変は、冬のある朝に起きました。寝室の窓ガラス一面が真っ白になっていたのです。

「寒い日だから仕方ないのかな...」

Aさんは当初、そう思っていたそうです。しかし翌朝も同じ状態でした。

さらに数日後には、サッシ(窓枠部分)に大量の水滴が付着するようになります。やがて窓枠に溜まった水は床へ流れ落ちるほどになりました。

ご夫婦は毎朝、タオルで窓を拭くようになります。最初は寝室だけだった結露も、次第にリビングへ広がりました。さらに北側の部屋でも同じ現象が発生します。気付けば家中の窓で結露が発生していました。

「朝起きたら、まず窓を拭くことから一日が始まるんです...」

Aさんは嘆いていました。各部屋にタオルを置くようになり、洗濯物の量も増えていったそうです。特に冷え込んだ朝は結露の量も多く、ひどい日には拭き取った水がバケツ1杯近くになることもありました。

購入当初はお気に入りだった住まいが、いつしか「結露と戦う家」へ変わり始めていたのです。

「自分たちの生活が悪いのかもしれない」悩み続けた日々

当初、ご夫婦は建物そのものではなく、自分たちの暮らし方に原因があると思っていました。毎日のように発生する大量の結露を見ながら、こう考えるようになったそうです。

「換気が足りないのかもしれない」「加湿器を使い過ぎているのかもしれない」「暖房の設定が悪いのではないか」

そこで、ご夫婦はできる限りの対策を始めました。除湿機を購入し、窓には断熱シートを貼付。さらに意識して換気を行い、暖房の設定温度や使用時間も見直したといいます。

しかし、期待したような効果は得られませんでした。

朝になれば相変わらず窓ガラスには大量の水滴が付着し、サッシには水が溜まっています。せっかく購入した除湿機も、根本的な解決にはつながらなかったそうです。

さらに追い打ちをかけるように、別の問題も発生し始めました。ある日、奥様が窓際のカーテンを見ると、裾の部分に黒い点々が付いていたのです。

確認するとカビでした。

それだけではありません。窓の近くにあるフローリングにも黒ずみや変色が見られるようになり、お気に入りだった室内の雰囲気が少しずつ変わり始めていました。

結露を拭いても翌朝にはまた発生する。対策をしても改善しない。ご夫婦は次第に「もしかすると、自分たちでは解決できない問題なのではないか」と不安を感じるようになったそうです。

原因はリノベーションで変わっていなかった部分だった

何を試しても改善しない状況に、ご夫婦は次第に限界を感じるようになりました。そこで管理会社へ相談したところ、初めて意外な事実を知ることになります。

担当者から説明されたのは、次の内容でした。

「築年数の古い団地では、サッシや外壁の性能によって結露が発生しやすい場合があります」

ご夫婦はそれまで、結露の原因は自分たちの暮らし方にあると思い込んでいました。

しかし実際には、建物そのものの性能が影響している可能性があったのです。築古団地や中古マンションでは、現在の住宅と比べて断熱性能が高くないケースがあります。

また、リノベーションで室内の内装や設備が新しくなっていても、窓や外壁など建物本来の性能まで改善されているとは限りません。

Aさんの住戸もまさにその状態でした。フローリングや壁紙、キッチンなどは一新されていましたが、窓は昔ながらの単板ガラス(ガラス1枚構造)のままだったそうです。見た目は新築のようでも、冬場の寒さや結露に関わる部分は築当時のままだったのです。

ご夫婦は改善策として内窓(二重窓)の設置も検討しました。しかし、複数の窓へ施工するとなると費用は数十万円規模になることが判明します。

購入前は理想の住まいだと思っていた物件でしたが、入居後に断熱性能の課題が見つかったことで、想定外の追加費用まで検討することになりました。

中古住宅購入では“見えない部分”まで確認したい

築古団地や中古マンションのリノベーション物件には、大きな魅力があります。実際にAさんご夫婦も、築45年を超える団地とは思えない美しい室内に惹かれて購入を決断しました。

しかし、室内のデザインや設備が新しくなっていても、窓や外壁など建物本来の性能まで改善されているとは限りません。

特に築古物件では、断熱性能やサッシ性能によって冬場の住み心地が大きく変わる場合があります。そのため購入前には、窓の種類や断熱改修の有無、過去の修繕履歴なども確認しておきたいところです。

また、管理会社へ冬場の結露状況を確認したり、実際に住んでいる居住者の声を聞いたりすることで、内見だけでは分からない情報が見えてくることもあります。結露を放置すると、カビの発生や建材の劣化につながる場合があり、今回のように除湿機や換気だけでは改善が難しいケースもあります。

中古住宅を購入する前には、湿気のこもりやすさや風通し、冬場の結露状況などについても確認しておきましょう。

毎日暮らす住まいだからこそ、「見た目が気に入った」だけで終わらせず、一年を通して快適に暮らせる環境かどうかまで考えておきたいものです。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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