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ご近所さん「うちに飛んできて困る」中古戸建て住み30代夫婦が…7年目にして、初めて受けた“苦情”【一級建築士は見た】

  • 2026.7.2
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

「ある休みの日に、ご近所の方から『お宅の落ち葉がうちに飛んできて困る』と言われたんです。7年以上住んでいて、苦情を受けたのは初めてで、驚いてしまって…」

そう話すのは、郊外の中古戸建て(築15年・4LDK・約4,300万円)に暮らすJさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。庭にはシンボルツリーの背の高い落葉樹があり、秋に落とす葉が風に乗って近隣の敷地まで飛んでいたといいます。

「木が高くて毎日きれいにするのは難しくて。仕事もあるので手入れは週末くらい。どこまでやればいいのか、悩んでしまいました」と振り返ります。

「落ち葉」は、白黒つけにくい問題

落ち葉をめぐるトラブルは、どちらが正しいと簡単には言い切れない問題です。落ち葉だけを直接取り締まる法律はありませんが、状況によっては民法上の不法行為などを根拠に争われる余地はあるとされています。もっとも、風で葉が舞うのは自然な現象でもあり、ふつうの落ち葉程度なら「社会生活上、お互いに我慢し合う範囲(受忍限度)」の内側、いわば「お互い様」とみなされやすいと考えられています。

一方、飛んでくる量が極端に多く、雨どいが詰まる、建物が傷むなど受忍限度を超える被害が出た場合には、木を持つ側の管理責任が問われ、損害賠償が認められた裁判例もあります。とくに枝が隣家の敷地の上にまで伸びて葉が落ちている場合は、木を持つ側には、より一層の配慮が求められます。

つまり、「落ち葉くらいで」と取り合わないのも、「言われたとおり毎日完璧に」と抱え込むのも現実的ではありません。お互いの事情を踏まえて落としどころを探るのが、この問題の難しいところです。

カギを握るのは「枝の手入れ」

落ち葉そのものは止められませんが、量を減らす手立てはあります。カギを握るのが、木の枝の手入れ(剪定)です。伸びすぎた枝を整理して木をコンパクトに保てば、落ちる葉も近隣へ飛ぶ葉も減らせます。とくに隣家の側へ大きく張り出した枝を整えることは、落ち葉対策としてもご近所への配慮としても効果的です。剪定は落葉樹なら葉を落としたあとの時期が基本とされています。

ただし、背の高い木の枝を自分で切るのは転落などの危険もともないます。高い位置や太い枝は、無理をせず庭木の専門業者に任せるのが安全です。

Jさん夫婦はどう対応したのか

苦情を受けて落ち込んだJさん夫婦は、まず相手の言い分を否定せず受け止めることから始めました。「気づかず、ご迷惑をおかけしました」とお詫びを伝え、できる範囲で手入れを続けると伝えたうえで、庭木の専門業者に依頼し、隣家側へ張り出していた枝を中心に木全体をひとまわり小さく剪定してもらいました。

「プロに頼んだら見違えるほどすっきりして、毎週末に出ていた落ち葉も量が減って掃きやすくなって」とJさん。それでも風の強い日には葉が飛ぶこともあり、完全にゼロにはできません。

「できるだけのことはしている、と伝えられたことで、相手の方の様子も少し和らいだように感じます」と振り返ります。

家を買うときは「庭木の管理」まで考えて選ぶ

庭付きの戸建てを検討する際は、庭木が将来どう育ち、どう手入れが要るかも考えておくと安心です。

・庭木が大きく育ったとき、隣家側へ枝が張り出さないか
・落葉樹の場合、落ち葉が近隣へ飛びやすい位置にないか
・自分で手入れできる高さか、専門業者に頼む必要がありそうか
・剪定や落ち葉の処理を、定期的に続けられそうか

ご近所と「気持ちよく」暮らすために

庭木は、住まいに彩りと潤いを与えてくれる大切な存在です。同時に、年々大きく育ち、落ち葉や枝が近隣へ影響することもあります。

大切なのは、自分の敷地の木でも影響は敷地の外に及ぶと知っておくこと。そして、苦情を受けたら感情的にならず、できる範囲の手入れを続けながら相手と折り合いを探すことです。

それでもこじれてしまうときは、自治体の相談窓口に間に入ってもらう方法もあります。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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