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「築40年以上に見えない…」一目惚れで即決したリノベ団地→数日後、夜になると?40代夫婦が直面した“誤算”

  • 2026.7.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

マンション探しをしていると「最上階なら静かそう」「上の階の足音に悩まされることはないから安心」と考える方は多いのではないでしょうか。実際、過去に騒音トラブルを経験した方ほど、最上階住戸を希望される傾向があります。

しかし住宅の騒音は、必ずしも上階から聞こえてくるとは限りません。

今日は、築40年を超えるリノベーション済み団地を購入した40代ご夫婦が、最上階だから安心していたにもかかわらず、想定外の騒音問題に悩まされることになったエピソードをご紹介します。

新築のような室内と最上階に惹かれて購入

これは、私が仲介した物件での話です。Aさんご夫婦は40代後半。「夫婦で静かに暮らしたい」と考えながら住み替え先を探していました。

そんな中で見つけたのが、築40年を超える団地の最上階住戸です。室内はフルリノベーション済み。キッチンや浴室、洗面台は新品に交換され、床や壁紙も一新されています。

内見した奥様は「きれい…築40年以上に見えないです!」と驚いたそうです。

さらに価格も魅力的でした。周辺の同規模マンションより約400万円安く販売されていたのです。

ご夫婦が特に魅力を感じたのは、最上階だったことでした。

以前住んでいた賃貸住宅では、上階の子どもの足音に長年悩まされていました。そのため「上の階の住人がいないなら安心だ」「これで静かに暮らせそうだね」と期待していました。室内は新築のようにきれいで、価格も相場より手頃。さらに最上階という条件まで揃っていました。

ご夫婦は「理想に近い住まいを見つけた」と感じ、購入を決断しました。

夜になるたび聞こえる謎の衝撃音

入居後しばらくは快適な生活が続きました。ところが、数日後に異変が起こります。夜になると「ドン」「ドンドン」という衝撃音が聞こえるようになったのです。最初は設備の異常を疑いました。

「給排水管の音かもしれない」「屋上設備の不具合かな?」「建物のどこかが劣化しているのかもしれない…」

そんな不安まで頭をよぎったそうです。

しかし原因は分かりません。音が鳴る時間帯も一定ではありませんでした。夕方のこともあれば、夜10時過ぎのこともあります。

静かな時間帯になるほど音が気になるようになり、夫婦のストレスは次第に大きくなっていきました。テレビを見ていても音が気になります。夫婦で会話をしていても「今の音、聞こえた?」という話ばかりになります。

Aさんは「最上階なのに、なぜ足音みたいな音が聞こえるんだろう…」「もしかして心霊現象…?」と悩んでいたそうです。奥様も「静かな老後を楽しむはずだったのに…」と落ち込むようになっていきました。

原因は真下の階に住む子どもだった

管理会社へ相談し、調査を進めてもらった結果、ようやく音の正体が判明しました。発生源は、真下の階に住む子育て世帯だったのです。小さなお子さまが室内を走ったり飛び跳ねたりした際の振動が、建物全体を伝わって上階まで響いていました。

「上の階の音ならまだ分かります。でも下の階だなんて想像もしませんでした…」

Aさんが驚くのも無理はありませんでした。

実は築古団地や築古マンションでは、こうしたケースは決して珍しくありません。建物の構造によっては、振動が床や壁、柱を通じて伝わり、上下階を問わず音として感じることがあります。

ご夫婦は管理会社を通じて下の階の住人に相談し、防音マットの設置などにも協力してもらいました。

しかし、相手に落ち度があるわけではありません。小さな子どもが生活する以上、完全に走らないようにすることは難しいからです。一方で、建物の遮音性能を後から大きく改善することも簡単ではありません。多少の改善は見られたものの、音が完全になくなることはありませんでした。

室内は新しくても建物は築40年以上という現実

ご夫婦が最も後悔したのは、室内ばかりを見て購入を決めてしまったことでした。

確かに室内は新築のようです。しかし建物そのものは築40年以上経過しています。リノベーションによってキッチンや浴室、床材が新しくなる一方で、建物の構造や遮音性能まで改善されるわけではありません。

「キッチンや内装のきれいさばかりに見とれていました…。建物全体の性能まで考えればよかった…」

Aさんは後になって振り返っていました。

購入時は約400万円安く買えたことを喜んでいましたが、その後のストレスは想像以上だったそうです。静かな暮らしを求めて選んだ住まいでしたが、数年後には住み替えも検討するようになったといいます。

中古マンション購入では建物全体の確認も重要

中古マンションや団地では、リノベーション済み物件の人気が高まっています。しかし実際の住み心地は、室内設備だけで決まるものではありません。

特に築古マンションや団地を購入する場合は、次のような点も確認すべきです。

  • 昼だけでなく夕方や夜にも現地を訪れる
  • 管理会社へ騒音相談の有無を確認する
  • 建物の構造や築年数を確認する
  • 子育て世帯の居住状況を把握する
  • 最上階でも上下左右から音が伝わる可能性を理解する

不動産には「安い理由」が存在するケースがあります。

もちろん、全ての値引き物件に問題があるわけではありませんが、リノベーション済みで室内がきれいな物件ほど、建物全体の性能や管理状況の確認がおろそかになりやすい傾向があります。

リノベーションによって見た目は新しくなっていても、建物本来の性能は変わりません。購入後に後悔しないためにも、設備や価格だけでなく、建物全体の住み心地まで確認しておきましょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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