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駐車スペースは2台分あるのに「車庫入れできない…」戸建て購入の40代夫婦を襲った“予想外の誤算”

  • 2026.6.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

車を買い替えたときに「思ったより駐車しづらい」「今まで普通に入れていた駐車場なのに急に苦労するようになった」という経験をされた方もいるのではないでしょうか。

特に戸建て住宅では駐車スペースの広さだけでなく、敷地へ出入りする動線によって使い勝手が大きく変わることがあります。

住宅購入時は建物や間取りに意識が向きがちですが、実は毎日通るアプローチ部分や橋の幅なども暮らしやすさを左右する重要な要素です。

今日は、水路に架かった橋を通って出入りする戸建て住宅で、車の買い替えをきっかけに毎日の駐車が大きなストレスになってしまった40代ご夫婦のエピソードをご紹介します。

日当たりと広さに惹かれて購入した土地

これは私が会社員時代、不動産売買仲介に携わっていた頃のお話です。40代のAさんご夫妻は、お子さま2人と暮らす4人家族。

郊外で注文住宅を建てるため土地探しを進めていたご夫妻が気に入ったのは、水路に面した土地でした。土地価格が比較的手頃で、南側の日当たりも良好。敷地も広く確保できることから、ご夫妻は購入を決断します。

ただし一つ特徴がありました。

道路と敷地の間に水路があるため、自宅へ入るには橋を渡る必要があったのです。橋は行政との協議や構造上の条件を踏まえて設計され、幅は約4メートルでした。

当時、ご夫妻が所有していたのはコンパクトカー2台でした。設計段階でも問題なく出入りできていたため、安心されていました。駐車スペースも2台分確保できており、完成後しばらくは不便を感じることなく生活していたそうです。

大型ミニバンへの買い替えで状況が一変

転機が訪れたのは、入居から数年後でした。お子さまが成長し、家族で遠出する機会が増えたことから、ご夫妻は大型ミニバンへ買い替えることにしたのです。

ところが納車初日、自宅へ戻ったAさんは思わぬ苦戦を強いられました。問題は橋の幅そのものではありませんでした。

ご自宅の前面道路は約6メートルあり、橋の幅も約4メートル確保。そのため、橋に対して真っすぐ進入できる状況であれば、大きな問題はなかったのです。

しかし実際には、道路から少し角度をつけて橋へ進入し、そのまま敷地内の駐車スペースへ車を向ける必要がありました。

コンパクトカーに乗っていた頃は比較的スムーズに入庫できていましたが、車体の全長や最小回転半径(ハンドルを切って回る際に必要なスペース)が大きい大型ミニバンへ買い替えたことで状況が変わります。

橋へ乗り上げる際に車体を十分に振るスペースがなく、一度で曲がり切れません。その結果「一回で入らない…」と何度も切り返しを繰り返すことになりました。

最初は慣れの問題だと思っていたそうです。しかし数週間経っても状況は変わりませんでした。

毎日の切り返しが大きなストレスに

特に負担が大きかったのは朝の通勤時間帯でした。出勤のため車を出す際も、橋の幅や進入角度を意識しながら慎重に運転しなければなりません。

また、帰宅時には何度も切り返しが必要になります。後続車が待っていると焦りますし、歩行者や自転車が近付いてくるとさらに神経を使います。雨の日は視界が悪くなり、より一層の注意が求められるようになりました。

さらに深刻だったのは奥様。もともと運転は得意ではありませんでしたが、何度も切り返しを繰り返さなければならない状況に強い苦手意識を持つようになりました。やがて奥様は自宅への駐車を避けるようになり、運転する機会そのものが減っていきました。

家族で出掛ける際も「今日は運転をお願いしてもいい?」という場面が増えていったそうです。購入当初は気にならなかった橋の存在が、車の買い替えによって毎日の暮らしへ少しずつ影響を及ぼしていったのです。

改修を検討するも簡単には解決できず

ご夫妻も対策を検討しました。

  • 外構の一部を撤去する案
  • 橋を広げる案
  • 駐車場の配置を変更する案

しかし現実は簡単ではありませんでした。

橋は水路をまたぐ構造物です。行政から受けている水路占用許可(公共の水路などを使用するための許可)との関係もあり、自由に改造できるものではありません。

構造上の問題もあり、拡幅には多額の工事費が発生する可能性がありました。

最終的に大規模な改修は断念。現在もご夫妻は慎重に切り返しを繰り返しながら出入りを続けているそうです。

土地購入時は将来の車のサイズも想定を

戸建て住宅では、駐車スペースの台数だけでなく、実際の出入りのしやすさも重要なポイントになります。

特に橋を渡って進入する敷地や旗竿地(細い通路状の敷地を通って出入りする土地)、前面道路との位置関係に制約がある土地では注意が必要です。また、現在はコンパクトカーでも将来的にミニバンや大型SUVへ買い替える可能性もあります。

図面上では駐車可能と判断されていても、実際の使いやすさとは別問題です。土地購入前には、次のような視点を持っておくことが大切です。

  • 前面道路の幅員や交通量を確認する
  • 曲がり角や電柱の位置を確認する
  • 将来の車の大型化も想定する
  • 実際の車両サイズで出入りをシミュレーションする
  • 朝夕の交通状況も確認する

戸建て住宅は建物だけでなく、駐車動線によって住み心地が大きく変わります。毎日使う場所だからこそ、ストレスなく出入りできるかという視点まで確認しておきたいところです。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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