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「ドライヤーの故障かな?」焦げ臭いにおいを放置した結果…築20年の洗面所で起きた“発火寸前”のトラブル

  • 2026.6.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

ご自宅でドライヤーや洗濯機などを使っていて「コンセントは壊れない限り気にしたことがない」という方も多いのではないでしょうか。実際、住宅のメンテナンスというと外壁や屋根、給湯器などに意識が向きがちです。一方で、コンセントやスイッチといった電気設備は、異常がない限り点検や交換を検討する機会がほとんどありません。

しかし、こうした設備も年月とともに劣化します。特に洗面所や脱衣所など湿気が多い場所では、気付かないうちに内部の傷みが進行しているケースもあります。

今日は、築20年の戸建て住宅で暮らしていた40代ご夫婦が、何の異常もないと思っていた洗面所のコンセントから突然煙が発生し、発火寸前だったことが判明したエピソードをご紹介します。

築20年の洗面所コンセントを一度も交換していなかった

これは私が会社員時代に不動産売買仲介の仕事をしていた頃、ご自宅の売却相談で知り合ったAさんご夫婦から伺った話です。

Aさんご夫婦は40代。築20年になる戸建て住宅で、お子さま2人と暮らしていました。洗面所には、新築時から使い続けているコンセントが設置されていました。

毎朝、ドライヤーを使用し、電動歯ブラシの充電器も常時接続。さらに近くには洗濯機も設置されており、日常的に電気を使う場所でした。

ただ、これまで特に不具合はありませんでした。

「普通に使えているし、交換する理由もなかったんです」

Aさんはそう話していました。

住宅設備というと給湯器やエアコンは故障が気になりますが、コンセントは壊れない限り意識しない方がほとんどです。ご夫婦も同じ考えで、20年間一度も点検や交換を行っていませんでした。

朝の身支度中に感じた“焦げ臭いにおい”

異変が起きたのはある朝でした。奥様が洗面所でドライヤーを使っていると、どこからか焦げ臭いにおいがしたそうです。最初はドライヤー本体の故障を疑いました。

「そろそろ買い替え時期かな」

その程度に考え、その日は特に対応しなかったといいます。

しかし数日後、再び同じにおいが発生しました。しかも今回は、コンセント付近が少し熱を持っているように感じたそうです。それでも見た目には異常がありません。焦げ跡もなく、差し込み口も普段と変わらない状態でした。

「気のせいかもしれない」

そう考え、ご夫婦は様子を見ることにしました。ところが、その判断が危険な状態につながっていたのです。

コンセントから煙が発生…発火寸前だったと判明

決定的な出来事が起きたのは、その数日後でした。朝の支度中、奥様が洗面所へ入ると、コンセント付近からうっすら白い煙が出ていたのです。

「えっ!?火事になる!」

慌ててご主人を呼び、ご夫婦はすぐにブレーカーを落としました。幸い炎は出ておらず、大事には至りませんでした。その日のうちに電気工事業者へ連絡し、緊急点検を依頼することになりました。

点検結果を聞いたご夫婦は言葉を失いました。業者によると、コンセント内部の金属部分が湿気や経年劣化によって腐食していたそうです。

さらに接触不良による発熱も発生しており、内部には変色した箇所も見つかりました。

「もう少し使用を続けていたら発火していた可能性があります」

そう説明を受けたといいます。洗面所は湿気や結露の影響を受けやすい場所です。長年の使用によって内部の劣化が進行し、危険な状態になっていたのでした。

交換費用は数万円。“壊れていない”は安全の証明ではなかった

最終的にAさんご夫婦はコンセント交換だけでなく、周辺配線の点検も実施しました。費用は数万円ほどかかったそうです。決して大きな金額ではありません。しかし、ご主人はこう振り返っていました。

「数万円を惜しんでいたわけではありません。ただ、壊れていないから大丈夫だと思い込んでいました」

実は、一般社団法人日本配線システム工業会では、コンセントやスイッチなどの配線器具について、使用開始から10年を超えたら点検し、交換を検討するよう呼びかけています。

配線器具は見た目に異常がなくても、内部では劣化が進行するためです。特に、次のようなケースでは一度点検を検討したいところです。

  • 洗面所や脱衣所など湿気が多い場所
  • 差し込み口が変色している
  • 焦げ臭いにおいがする
  • 使用中に熱を持つ
  • 築10年以上経過している

また、タコ足配線や高出力家電の長時間使用も発熱リスクを高める原因になります。住宅のメンテナンスというと外壁や屋根ばかりに目が向きがちです。

しかし、実際には毎日使う電気設備も同じくらい重要です。見た目に異常がなくても、設備は確実に年数を重ねています。

「まだ使えるから大丈夫」

その判断が、火災や漏電につながるケースもあります。

築10年、20年を迎えた住宅にお住まいの方は、一度ご自宅のコンセントやスイッチなどの電気設備にも目を向けてみてはいかがでしょうか。小さな点検が、大きな事故を防ぐきっかけになるかもしれません。

参考:配線器具の交換の目安(一般社団法人日本配線システム工業会)



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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