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「毎日20台以上の送迎車が…」新築戸建てを購入した40代夫婦を悩ませた“夕方5時からの異変”

  • 2026.6.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

家探しでは、駅までの距離や日当たり、間取りなどを重視する方が多いものです。しかし実際には、住み始めてから初めて気付く「周辺環境の落とし穴」が存在します。例えば、昼間は静かだった住宅街が夕方になると別の顔を見せるケースです。

今日ご紹介するのは、子育て環境を重視して戸建て住宅を購入した40代Aさんご夫婦のお話です。隣地にあったのは地域でも評判の学習塾。一見すると騒音とは無縁に思える施設でしたが、入居後に思わぬストレスに悩まされることになりました。

塾なら静かだろう。安心して購入した戸建て住宅

Aさんご夫妻は「子育てしやすい環境で暮らしたい」と考え、住宅探しを進めていました。最終的に購入したのは、戸建て住宅が並ぶ落ち着いた住宅街の一角にある新築戸建てです。

隣地の建物には個別指導塾が入っていましたが、ご夫妻は特に気にしていませんでした。内見は平日の昼間に行っており、周辺は驚くほど静かだったからです。建物の状態も良好で、日当たりや立地条件にも不満はありませんでした。

「塾なら夜もそれほど騒がしくないだろう」

そう考えたご夫妻は、周辺環境にも満足したうえで購入を決断します。

ところが、入居から数週間後のことです。平日夕方になると、それまで見えていなかった住宅街の別の一面が現れ始めたのです。

平日夕方になると毎日20台以上の送迎車が集まり始めた

最初に違和感を覚えたのは奥様でした。

午後5時頃になると、塾の前に次々と車が集まり始めたのです。送迎のために保護者が待機している車でした。当初は数台程度でしたが、授業開始前後や終了時間帯になると状況は変わります。道路沿いには送迎車が並び、自宅前で切り返しを行う車も増えていきました。

夏場や冬場になると、エアコンを使用するためアイドリング状態の車も少なくありません。窓を開けるとエンジン音が聞こえます。

さらに排気ガスのにおいも気になるようになりました。夕方から夜にかけては、多い日で20台以上の車が出入りしていたそうです。

子どもの就寝時間まで続くドア音と保護者の会話

問題は騒音だけではありませんでした。授業終了時間になると、保護者同士が塾の前で立ち話をすることもあったそうです。

車のドア開閉音。エンジン音。送迎待ちの会話。それらが毎日のように繰り返されました。特に気になったのは夜の時間帯です。Aさんご夫妻のお子さまは小学生で、夜9時前には就寝準備に入る生活リズムでした。

しかし塾の授業終了時間と重なる日は、外から断続的に音が聞こえてきました。もちろん違法な騒音というレベルではありません。ですが、毎日続くことで少しずつストレスが蓄積していったのです。

せっかく風通しの良い家を選んだにもかかわらず、外の空気を取り込むことすらためらうようになってしまいました。

塾へ相談するも根本解決は難しかった

最終的にご夫妻は塾へ相談することにしました。すると塾側も事情は理解してくれたそうです。ただし「利用者全員の送迎方法を管理することは難しい」という説明だったといいます。

問題になっていたのは塾そのものではなく、送迎に訪れる利用者の行動でした。そのため、すぐに状況を改善することは簡単ではありませんでした。

それでも塾側は対応に動いてくれました。

入口付近には「近隣住民の皆さまへのご配慮をお願いします」「長時間のアイドリングはご遠慮ください」といった注意喚起の張り紙が掲示されるようになります。さらに、送迎車へ前向き駐車を呼びかける案内も。その結果、Aさん宅へ直接排気ガスが流れ込む場面は減り、以前より状況は改善したそうです。

しかし、送迎車そのものがなくなるわけではありません。授業終了時間帯になると複数台の車が集まり、ドアの開閉音や送迎待ちの会話が聞こえる状況は続きました。

Aさんは「塾に問題があるわけではありませんでした。ただ、施設そのものではなく利用者の行動が住環境に大きく影響することを実感しました」と振り返っていました。

購入前には想像していなかった悩みだったそうです。

住宅購入では隣接施設の“利用状況”まで確認したい

住宅購入では、隣にどのような施設があるのかだけでなく、その施設がどのように利用されているのかまで確認することが大切です。

Aさんご夫妻を悩ませたのも、塾そのものではなく、送迎車の出入りやアイドリング、保護者同士の会話など、施設を利用する人たちの行動でした。

学習塾は授業中こそ静かですが、送迎時間帯になると周辺環境が大きく変わることがあります。また、保育園やスポーツ教室、病院、人気飲食店なども、人や車が集中する時間帯には想像以上の賑わいになる場合があります。

こうした変化は、図面や物件資料からは分かりません。

だからこそ住宅購入では、平日昼間だけでなく夕方や夜にも現地を訪れ、実際にどのような人や車の動きがあるのかを確認しておくことが重要です。

送迎車がどの程度集まるのか、路上駐車やアイドリングは発生していないか、利用者がどのような動線で出入りしているのかまで見ておくことで、入居後のギャップを減らしやすくなります。

家そのものに不満がなくても、毎日繰り返される小さなストレスによって住み心地は大きく変わることがあります。住宅選びでは建物や土地の条件だけで判断せず、時間帯によって変化する周辺環境の“利用状況”にも目を向けておきたいところです。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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