1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 昇給で“年収70万アップ”した40代男性→「生活にも余裕ができる」喜んでいたが…数ヶ月後、年末調整で直面した“想定外の誤算”

昇給で“年収70万アップ”した40代男性→「生活にも余裕ができる」喜んでいたが…数ヶ月後、年末調整で直面した“想定外の誤算”

  • 2026.7.14
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

昇給により収入がアップしても、思ったほど生活に余裕がない…という経験は誰しもあるのではないでしょうか。

今回は、昇給により年収が70万円アップして喜んでいたものの、想像よりも手取りが増えない現実に直面した男性の事例を紹介します。

「年収アップで余裕ができる」と喜んでいた男性

40代の男性・Aさん(仮名)は、妻と中学生の娘の3人家族です。

今回、昇給と昇進による役職手当、会社の賃上げも相まって、年収が70万円アップすることになりました。

「単純計算で月5万8,000円増えると思うと、生活にもかなり余裕ができるのでは…と期待していました」

とはいえ、高校受験を控える娘もいるため、普段の生活水準を大きく変えるつもりはなかったとのこと。

代わりに、娘が希望していた学習塾に通わせることを決めたそうです。

思ったよりも給与が増えない現実

昇給・昇進後初めての給与は、手取りで約5万円増えていました。

「思ったより増えていないけど、税金を考えたら仕方ないか」

この時点では、娘の学習塾の月謝3万円を支払ってもまだ余裕がありました。

しかし、数ヶ月後には社会保険料が上がり、さらに年末調整の時期になって、Aさんはもう一つの大誤算に気づきます。

住宅ローン控除の終了による負担増

「年末調整の手続きをしていて、住宅ローン控除が昨年で終了していたことに気づいたんです。毎年12月に約20万円還付されていたお金が、今年は一円も戻ってこない。月に均すと約1万6,000円の負担増です」

さらに翌年6月からは、前年の増収分に応じて住民税も一気にアップ。

税金・社会保険料の負担増に加えて、年1回の大きなボーナス感覚だった住宅ローン控除の終了をトータルで考慮すると、月5万8,000円だと思い込んでいた実質的な増額幅は、最終的に月2万4,000円程度にまで目減りしてしまったのです。

「毎月3万円の塾代を払うと、むしろ昇進前より家計が赤字になってしまう……」 Aさんは厳しい現実に肩を落としました。

昇給しても額面の増額分をそのまま受け取れるわけではない

年収が増えた場合、税金・社会保険料の負担増は遅れてやってきます。

  • 所得税:昇給直後から源泉徴収に反映
  • 社会保険料:会社の定期改定(9月)のほか、大幅な昇給時は3ヶ月の平均をもとに4ヶ月目から改定(随時改定)される
  • 住民税:前年の所得をもとに翌年6月から反映

Aさんの場合は、住宅ローン控除の終了により、さらに負担が大きくなってしまいました。

税負担を軽減し、手取りを増やすためには、iDeCo(個人型確定拠出年金)などの活用が有効です。なお、よく節税として挙げられる「ふるさと納税」は、実質2,000円の自己負担で返礼品がもらえる制度であり、税金で先に現金が出ていき、後から税額が控除される仕組みになるため目先の手取り(現金)を増やす効果はありません。むしろ一時的にキャッシュアウトが増えるため、Aさんのように毎月のやりくりに困っている場合は注意が必要です。

収入が増えたときこそ、まずは「住宅ローン控除があと何年残っているか」などのライフプランを確認し、固定費の見直しを含めて先手を打っておくことが大切です。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ