1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 母の死後、遺品整理することに→ネットで見かけた業者に頼んだところ…後日、発覚した思わぬ事実に40代娘が“青ざめたワケ”

母の死後、遺品整理することに→ネットで見かけた業者に頼んだところ…後日、発覚した思わぬ事実に40代娘が“青ざめたワケ”

  • 2026.7.5
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

以前、私がリユース業界にいたころ、遺品整理に関するお話を多く耳にしました。

身内が亡くなって、はじめて遺品整理をする。そんなとき、多くの方が「どこに頼めばいいのか分からない」と戸惑います。慌ただしさのなかで、つい目についた業者に、そのまま声をかけてしまうこともあるでしょう。

気になるのは、たいてい「料金が高いか安いか」です。けれど、任せる前にもう一つ、確かめるだけで損やトラブルを防げるポイントがあります。それが「許可」の有無です。

「買取もやります」の言葉に潜むもの

5年ほど前、同僚から、その親戚にあたるAさん(40代女性)について聞いた話です。同僚自身も買取の現場に立つ人で、私と同じく古物商の知識がありました。

一人暮らしをしていたお母さまが亡くなり、はじめての遺品整理。インターネットの広告で見かけた業者に頼んだところ、対応そのものは感じが良かったものの、いざ作業が始まると品物の扱いが雑で、嫌な感じが残ったそうです。

なかでもAさんが気にかけていたのは、お母さまが大切にしていた指輪でした。その指輪を含むアンティーク品や貴金属が、まとめて買い取られていきました。

あとから話を聞いた同僚が、手元に残っていた業者の連絡先をもとに調べてみると、その業者は古物商許可を確認できませんでした。しかも買い取られた価格は、査定の現場を知る同僚から見ても、相場よりかなり安いものでした。「これでよかったのかな」というAさんのもやもやには、理由があったのです。

なぜ、相場より安く買われたのか 

古物商許可(中古品を買い取って商売をするために、各都道府県の公安委員会から受ける許可)を持つ業者には、本人確認や取引記録など、法律に沿った手続きが求められます。査定額に差はあっても、許可の有無は業者を見極める大切な材料です。

一方、買取を専門としない業者だと、販路や相場の知識が十分でないケースもあります。遺族は悲しみと慌ただしさのなかにいて、一つひとつの相場を調べる余裕などありません。その足元を見るように、本来の価値を伝えないまま安く引き取る、そうした例があるのも事実です。

「買取もできます」の一言をそのまま信じて任せてしまうのは、避けたいところです。

「回収」にも、別の許可がいる

許可の問題は、買取だけではありません。遺品には、売れるものばかりでなく、処分するしかない「ごみ」も大量に出ます。こうした不用品を回収・運搬して処分するには、古物商許可とはまったく別に、一般廃棄物処理業の許可、または市区町村からの委託が必要です。

ところが、これを持たないまま「不用品、なんでも回収します」と声をかけてくる業者がいます。私が耳にしたなかにも、「格安」とうたいながら、作業後に高額な料金を後出しで請求された、というケースがありました。別の例では、回収した遺品を業者がそのまま山林などに不法投棄していた、という話も聞きました。

見落としがちなのが、その後のことです。不法投棄された荷物から依頼者の住所や名前が見つかれば、事情の確認や調査への協力を求められることがあります。実際、国民生活センターによると、不用品回収サービスに関する相談は全国で増え続け、2021年度には2,000件を超えました。安さにつられて頼んだ結果、かえって面倒を背負うことにもなりかねません。

任せる前に「許可番号、ありますか?」

確認の手順は、難しくありません。業者に許可があるかどうかは、頼む前に調べられるからです。

古物商許可を持つ業者には「第○○○○○○○○○○○○号」という番号が割り当てられています。買取をうたう業者なら、ホームページの会社概要や、特定商取引法にもとづく表記などに、この番号が載っていないか見てみましょう。なければ「許可番号はありますか?」と一言たずねるだけで十分です。きちんとした業者ならすぐに答えられますし、番号は各都道府県警のサイトで照らし合わせることもできます。

回収を頼むときも同じです。一般廃棄物処理業の許可は市区町村ごとに異なるため、お住まいの自治体のホームページで、許可業者の一覧を確認できます。「無料」「格安」の言葉だけで飛びつかず、料金は必ず書面の見積もりでもらっておきましょう。

大切なご家族の遺品を、納得のいく形で手放すために。

「安いかどうか」の前に、まず「許可があるかどうか」。この一点を確かめるだけで、損やトラブルの多くは防げます。


ライター:たるみくまお リユース業界での買取窓口業務を経て、現在は技術商社に勤務する現役ビジネスマン兼Webライター。古物商許可証を保有し、ブランド品・高級時計の査定現場で数多くのお客様と向き合ってきた経験を持つ。現職では技術商社の最前線に身を置き、ITをはじめとする幅広い分野の知見を日々積み重ねている。また、過去に借金を抱えた経験から、マネーリテラシーの重要性を痛感し、現在も金融知識の習得を続けている。二次流通市場の裏側から、お金のリアルな話まで、現場で得た実体験をもとに等身大の言葉で発信中。

の記事をもっとみる