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年収500万の30代男性「今より80万円も上がる」と転職を決意するが…→入社して数ヶ月後、給与明細を見て“後悔したワケ”

  • 2026.6.30
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの柴田です。

「年収500万円。今より80万円も上がる!」そんなオファーに飛びついて転職したAさん(34歳・男性)。ところが入社して数ヶ月、ある違和感に気づきます。

「あれ……毎月45時間くらい残業してるのに、残業代が1円もつかない」実はこれ、決して珍しい話ではありません。今回は、知らないと損する「固定残業代の罠」についてお話しします。

そもそも固定残業代ってなに?

固定残業代(みなし残業)とは、「毎月◯時間ぶんの残業代を、あらかじめ給与に含めて支払う」という制度です。

Aさんのオファーは「年収500万円(固定残業45時間込み)」というものでした。これはつまり、月45時間までの残業については、あらかじめ給与に組み込まれているという意味です。

45時間以内なら、いくら残業しても追加の残業代は発生しません。Aさんが「働いても給与が変わらない」と感じたのは、まさにこれが理由でした。

ちなみに、この制度自体は違法ではありません。きちんとルールを守って運用していれば、まったく問題のない仕組みです。ただ、その中身を理解しないまま契約すると、思わぬ「働き損」につながることがあるんですね。

「年収アップ」のはずが、実は時給ダウン?

ここで大事なのが「実質時給」という考え方です。Aさんの前職は年収420万円。残業はほとんどありませんでした。一方、転職後は年収500万円だけど、毎月45時間の残業がほぼ固定。

ざっくり計算してみましょう。月の労働時間が45時間増えるということは、年間で540時間。前職とくらべて、同じ時間あたりの収入で考えると低くなりますよね。実は、時間で割った「実質的な働きに対する報酬」は、前職を下回ってしまう可能性が高いんです。

年収という「総額」だけ見ると上がっているのに、働いた時間で割ると目減りしている。これが固定残業代の落とし穴です。

そしてもうひとつ。固定残業時間が長めに設定されている会社は、そもそも実際の残業も常態化していることが多いんです(すべての企業ではありません)。「45時間分込み」とわざわざ設定するということは、裏を返せば「それくらい働く前提の職場」だということです。場合によっては、いわゆるブラックな働き方が当たり前になっている可能性も否定できません。数字の裏にある「働き方の実態」まで読み取れると、ぐっと安全度が上がります。

ボーナスや退職金にも、じわじわ効いてくる

さらに見落としがちなのが、長期的なインパクトです。固定残業代込みのオファーは、見た目の年収は高くても、ベースとなる「基本給」が市場相場より低めに設定されているケースが少なくありません。

そして、賞与(ボーナス)・退職金・残業単価といった多くのものは、この基本給をもとに計算されます。つまり基本給が低いと、・ボーナスが少なくなる ・退職金が目減りする ・45時間を超えた残業の単価まで安くなるという具合に、あらゆる場面でじわじわと響いてくるんです。目先の年収だけで判断すると、トータルでは損していた……ということになりかねません。

転職オファーを受ける前のチェックリスト

転職をするとき、転職サイトやエージェントを利用する方も多いですよね。こうした「働き損」を避けるための確認ポイントをまとめておきます。

まず、雇用契約書や求人票で「固定残業代の有無・時間数・金額」を必ず確認すること。「年収◯◯万円(みなし残業◯時間含む)」という表記があれば要チェックです。次に、年収総額ではなく「基本給」で市場相場とくらべること。転職エージェントは総額ベースで提示してくることが多いので、こちらから基本給の内訳を聞くのがコツです。

そして、面接の場で「実際の平均残業時間はどれくらいですか?」と具体的に質問すること。「固定残業を超えた分は支払われますか?」とストレートには聞きづらいと思うので、ややオブラートに包むのが無難です。

ここで言葉を濁す企業は、ちょっと慎重になったほうがいいかもしれません。残業代をしっかり受け取れる会社を探すなら、求人票に「残業代全額支給」と明記されているか、固定残業代制度がそもそもないかを目印にするとわかりやすいですよ。

まとめ

年収という数字は、わかりやすいぶん、つい飛びついてしまいがち。でも本当に大切なのは「その金額のために、自分は何時間を差し出すのか」という視点です。

魅力的な転職求人を見つけても、ちょっと立ち止まって「実質時給」を計算してみましょう。それだけで、未来の自分の働き方が大きく変わるかもしれません。場合によっては、生涯年収に数千万円もの影響を与える可能性がありますから。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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