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競艇にハマった30代男性→『簡単に資金を作れる』友人の勧めで“クレカ現金化”に手を出した結果…迎えた“悲惨な末路”

  • 2026.6.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。アディーレ法律事務所の弁護士・谷崎です。

近年、競艇や競輪などの公営競技を、スマートフォンやパソコンから手軽に楽しめるようになりました。少額から参加できることもあり、娯楽の一つとして利用している方も多いでしょう。しかし、「少しだけ」のつもりが、いつの間にか生活を圧迫するほどの借金につながってしまうケースもあります。

今回は、インターネット投票をきっかけに公営競技にのめり込み、多額の借金を抱えた末、小規模個人再生によって生活を立て直した例をご紹介します。

軽い気持ちで始めたインターネット投票

会社員として働く38歳男性のKさん(仮名)は、友人に誘われて競艇や競輪のインターネット投票を始めました。

「100円から買えるし、割のいい宝くじみたいなものだよ」

そう言われ、最初は数百円から千円程度の賭けを楽しむ程度でした。実際に数万円勝ったこともあり、「意外と簡単に稼げるかもしれない」と感じるようになります。通勤中や昼休み、仕事終わりなど、スマートフォンがあればいつでも投票できるため、次第に日常生活の一部になっていきました。

Kさんとしてはギャンブルで大儲けするつもりはなく、せいぜい毎月数万円程度、自由にできる小遣いが増えれば良いな、という軽い気持ちだったため、自分はギャンブル依存症ではないと信じており、支出もコントロールできているつもりでした。

しかし、公営競技は当然ながら勝つこともあれば負けることもあります。負けた日には、「次のレースで取り返せばいい」と考えるようになります。一回当たりの掛け金が数百円と少額であったことも災いして、徐々に賭ける回数が増えていきました。

負けを取り戻そうとして借金が膨らむ

当初は1日に1~2レース程度だった投票も、やがて5レース、10レースと増加していきます。

「今日は調子が悪かっただけ」
「どうせ掛け金は1回数百円、コーヒーを一杯飲む程度のお金で運試しだ」

そう自分に言い聞かせながら投票を続けるうちに、Kさんは生活費にも手を付けるようになりました。

やがて、もともと多くはなかった預貯金が底をつくと、クレジットカードのキャッシングを利用するようになります。最初は数万円程度の借入れでしたが、負けを取り戻そうとするたびに借入額は増加。複数のカード会社から借入れを重ねた結果、キャッシング枠は限度額まで使い切ってしまいました。その頃には毎月の返済額も高額となり、給与だけでは返済が追いつかない状態になっていたのです。

「クレジットカード現金化」に手を出してしまう

返済に行き詰まったKさんは、同じくギャンブル好きの友人へ相談しました。すると、「キャッシングができなくても、クレジットカードの現金化を使えば資金を作れる」という話を聞かされます。

Kさんは半信半疑でしたが、インターネットで「カード 現金化」と検索してみると、「クレジットカード現金化おすすめ」「安心・安全」などとうたうサイトが検索結果の上位に表示されました。そのため、「こんなに立派なサイトで堂々と宣伝されているのだから問題ないのだろう」と考え、利用を決意してしまいます。

Kさんは、換金性の高い交通系チケットや電子ギフト券などをクレジットカードで購入、それらを買い取ってもらうことで現金を得るようになりました。

しかし、これは根本的な解決にはなりません。返済のために現金化を行い、その資金を返済に充てる。そして再び生活費やギャンブル資金が不足し、さらに現金化を繰り返す――。その結果、キャッシング枠だけでなくショッピング枠も上限まで使い切ってしまいました。

返済不能となり、弁護士へ相談

借金は気付けば数百万円規模にまで膨らみ、毎月の返済額は給与の大部分を占めるようになりました。返済日が近づくたびに不安に襲われ、督促の電話やメールにも怯える日々。

「もうどうにもならない…」

そう感じたKさんは、インターネットで債務整理について調べ、弁護士へ相談することを決意しました。

小規模個人再生で再スタート

弁護士が事情を詳しく確認したところ、Kさんの借金にはギャンブルによる浪費だけでなく、クレジットカード現金化による債務も含まれていました。クレジットカード現金化は、一般的にカード会社との契約違反となるだけでなく、自己破産手続においては「免責不許可事由」として問題になる可能性があります。

もちろん、免責不許可事由があっても自己破産による免責が認められるケースはあります。しかし、本件では現金化の利用回数や借入状況なども踏まえ、より確実な再建方法として小規模個人再生を選択することになりました。

裁判所での手続を経て、Kさんの借金は約150万円まで圧縮されました。
現在、Kさんは再生計画に従い、3年間かけて返済を続けています。ギャンブルサイトのアカウントも削除し、家計簿アプリで毎月の収支を管理するなど、生活の立て直しに取り組んでいます。毎月数万円程度の小遣いが欲しかっただけなのに、今では逆に数万円を返済に充てないといけない日々が続いているのです。

「取り返そう」という気持ちが危険信号

公営競技そのものは合法的な娯楽です。しかし、負けを取り戻そうとする気持ちが強くなると、冷静な判断が難しくなります。

特に、

  • 借金をしてまで投票している
  • 負けを取り返すために賭け金を増やしている
  • 返済のために別の借入れをしている
  • クレジットカード現金化などに手を出そうとしている

といった状況は危険信号です。

また、インターネット上ではクレジットカード現金化を推奨するような情報も見受けられますが、ほぼすべてのクレジットカード会社は、規約で現金化を禁止しています。場合によっては刑事事件となる可能性もあり、安易に利用すれば状況をさらに悪化させる可能性があります。

返済が苦しくなった場合には、一人で抱え込まず、早めに弁護士へ相談することが重要です。債務整理には任意整理、個人再生、自己破産など複数の手続があり、状況に応じた解決方法を選択できます。

借金問題は、適切な手続きを利用することで解決への道筋をつけることができます。同じような悩みを抱えている方は、一人で悩まず、専門家へ相談することを検討してみてください。

※実際の事例を参考に構成したストーリーです。


参考:
クレジットカードのショッピング枠の「現金化」の誘いに注意(一般社団法人日本クレジット協会)

監修者:弁護士 谷崎 翔(アディーレ法律事務所)
早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。アディーレ入所後、2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

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