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かつて“2000人超”の頂点に立った「朝ドラヒロイン」“現場が手放さない”引っ張りだこの女優とは

  • 2026.6.12
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比嘉愛未-2011年10月撮影(C)SANKEI

比嘉愛未。2005年の俳優デビューから20年超。その歩みを一語で言い表すなら、現場が手放さなかった女優、という言葉がふさわしい。

朝ドラのヒロインで華々しい活躍、映画やドラマで何度も主演を任されてきた。それでいて代名詞になったのは、主役ではなくチームを支える人の役だった。目立つ華やかさよりも、そこにいてくれると安心できる確かさ。必要とされ、呼ばれ続けてきた俳優なのだ。

ヒロインから始まった

出発点から、比嘉は主役を背負える人だった。2005年の映画『ニライカナイからの手紙』で女優デビューし、2007年にはNHK連続テレビ小説『どんど晴れ』のヒロインに抜擢される。二千人を超える候補から選ばれての朝ドラ初主演だった。岩手・盛岡の老舗旅館で奮闘する若女将を、まっすぐに演じきった。

2009年のNHK大河ドラマ『天地人』でも菊姫を演じ、大きな器の作品に立て続けに起用される。沖縄出身の若手が、その頂点として国民的な物語の中心に立つ。鳴り物入りの登場だった。キャリアのはじまりから、華のある主役として彼女は世に出たのだ。

代名詞は支える人

その後の比嘉を象徴するのは、意外にも主役ではない。2008年のフジテレビ系『コード・ブルー』で演じた、フライトナースの冴島はるかだ。

ドクターヘリに乗り込み、医師たちを冷静に支える看護師。この役を、比嘉は2010年、2017年、そして2018年の劇場版まで、10年にわたって演じ続けた。シリーズが進むなかで冴島は結婚も経験し、観る側はその歩みに自分の時間を重ねていく。

主役でなくても代名詞になれる。チームを支える確かさで、比嘉は多くの人の記憶に深く刻まれた。脇に回っても消えない存在感。主役を引き立てながら、自分の輪郭もきちんと残す。それは簡単に身につくものではない。

繰り返し呼ばれ続けた

支える人でありながら、比嘉は主演も任され続けてきた。2013年の映画『飛べ!ダコタ』で映画初主演、2015年の日本テレビ系『恋愛時代』で民放の連続ドラマ初主演を果たしている。

医療ものでの信頼はとりわけ厚い。2011年のテレビ東京系『最上の命医』やテレビ朝日系『DOCTORS〜最強の名医〜』など、看護師や医師の役で何度も現場に呼ばれてきた。白衣の似合う女優として、早くから定評があったのだ。主演が躍動できるのは、冷静に現場を支える人がいてこそ。比嘉はその役回りを、長く誠実に担い続けてきた。

2021年のフジテレビ系『推しの王子様』では、主演交代を受けて急きょ代役主演を引き受けた。短い準備期間で物語の中心を担えるという、信頼の証だ。

2023年からの日本テレビ系『大病院占拠』では、櫻井翔演じる主人公の妻で心臓外科医を演じ、2025年のテレビ朝日系『フォレスト』では岩田剛典とのダブル主演を務めた。主役から代役、ダブル主演まで、現場が繰り返し彼女を呼ぶ。呼ばれるたびに、確かな仕事で応えてきた二十年だった。

最も大きな現場の真ん中へ

そして2026年、日本テレビ系『ファーストクライ 母子救命救急班』。比嘉が演じるのは、片耳に難聴を抱えながら、生まれてくる命の産声に向き合う産婦人科医・光井明希だ。最近は日本テレビ系『タツキ先生は甘すぎる!』でも主人公・タツキの元妻役も演じ、その存在感を改めて示していた。デビューから20年、出演作は医療ものから恋愛まで幅広い。ジャンルを問わず信頼され、呼ばれ続けてきた証だろう。視聴者にとっても、その姿をようやく真ん中で観られる喜びがある。

これまで映画でもドラマでも主演を重ねてきた人が、連ドラを単独で背負う。支える役で信頼を積み、主役でも応え続けた女優が、最も大きな現場の真ん中に立つ。現場が手放さなかった人の歩みは、ここで一つの大きな到達点を迎える。

長く信頼を積み重ねた人にしか立てない場所が、たしかにある。難聴という重いテーマを抱えた役で、比嘉がどんな医師を立ち上げるのか。支える側に長くいた人ならではの、芯の通った主演になるはずだ。その芝居を、じっくり見届けたい。


※記事は執筆時点の情報です

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