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長いタクシー待ちで、膝の痛みに耐えかね、杖をついて列を離脱した私。周囲の行動に思わず「胸が熱くなった」

  • 2026.5.28

筆者の話です。
急な電車の運休で、タクシー乗り場には長い列ができていました。
その中で起きた思いがけない出来事に、胸が熱くなって──。

画像: ftnews.jp
ftnews.jp

長い列

「どうしよう……こんなに並んでる」
急な電車の運休で、タクシー乗り場には人があふれ、長い列ができていました。

膝に痛みを抱える私は杖をついており、走ることもできないまま、なんとか最後尾に並びます。
前後には同じように帰宅を急ぐ人たちが並び、列はなかなか進む気配がありませんでした。

増す痛み

しばらくその場に立っていましたが、周囲に座れる場所はなく、足の痛みが少しずつ強くなっていきました。
太ももを軽くトントンと叩きながら時間をやり過ごすものの、思うように楽になりません。
足が棒のように感じられ、自然とため息が漏れます。
列はゆっくりとしか進まず、立ち続けることへの不安がじわじわと広がっていきます。

「少し休もう」
このまま並び続けるのは難しいと感じ、少し離れた場所にあった椅子へ移動しました。
順番が後ろになるとわかっていても、痛みをこらえることができなかったのです。

かけられた声

立ち上がりたい気持ちはあるものの、足の痛みは消えず。
ぼーっと列を眺めていると、女性が手を振りながらこちらに向かって走ってくるのが見えました。

「順番が来ましたよ」
先ほどまで前に並んでいた人の同行者が、わざわざ声をかけに来てくれたのです。
列を見ると、まだ長い列が続いています。

「順番を離れてしまいましたし、他の方に申し訳ないので大丈夫です」
と恐縮して伝えたものの、後ろに並んでいた人たちからも「大変そうですし、気にせずどうぞ」と温かい声が上がりました。
皆さんが笑顔で道を譲ってくださるその優しい心遣いに背中を押され、私はタクシーに乗ることができました。

受け取る

車が動き出すとき、できる限りの気持ちを込めて手を振り、頭を下げました。
すると、並んでいた人たちも手を振って見送ってくれます。
その光景に、胸の奥がじんわりと温かくなりました。

譲ってもらうことに戸惑いはあったものの、その優しさを素直に受け取ることも大切なのだと感じました。
今の自分には同じことができない場面もあるかもしれません。
それでも、できる形で少しずつ返していけたらと思っています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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