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昔、あのバイクを売った人ほど後悔している――「そのうち買う」が間に合わない理由

  • 2026.5.27

「えっ、このバイクこんなに高かったっけ?」最近、中古バイク店やオークションサイトを見て、そう感じたライダーは少なくないだろう。かつて30万円台で買えたSR400が、いまでは状態次第で100万円近い。CB400SFも高騰を続け、2ストレプリカに至っては“プレミア車”として扱われる時代になった。バイク市場はいま、大きく変わり始めている。

「安く遊べる趣味」だった時代

ひと昔前まで、バイクは“手軽な趣味”だった。

アルバイト代を貯めて中古を買い、仲間と走り、転んで、直して、また乗る。そんな文化が確かに存在していた。

TW200や250TRを買ってストリートカスタムを楽しんだ人もいれば、CB400SFやXJR400で峠へ通った人もいる。NSR250RやRGV-Γのような2ストレプリカも、当時は“頑張れば手が届く憧れ”だった。

しかし現在、それらは“気軽に買える中古車”ではなくなりつつある。

YAMAHA TW200(2026)
YAMAHA TW200(2026)

「もう作れない」が価値になる時代

価格高騰の背景にあるのは、単純な人気だけではない。

大きいのは、「もう作れない」という事実だ。

環境規制や騒音規制によって、空冷エンジン、2ストローク、キャブレター車は年々減少。特に90年代〜2000年代初頭のバイクは、いまでは“二度と新車で出ない存在”になっている。

例えば、

・空冷4発のCBX400F
・2ストレプリカのNSR250R
・油冷のGSX-R
・キャブ仕様最後期のCB400SF
・生産終了したSR400

honda nsr250r
honda nsr250r

こうしたモデルは、“古いバイク”ではなく、“失われた時代の工業製品”として見られ始めている。

だからこそ価格が下がらない。

むしろ年々、価値が上がっている。

「壊して遊ぶ」から「維持する」へ

昔の中古車文化は、もっとラフだった。

安い車両を買って、マフラーを替え、フェンダーを切り、転んでも笑って直す。バイクは“使い倒すもの”だった。

だが今は違う。

絶版車は部品供給も限られ、転倒ひとつで修理代が高額になる。結果として、“カスタムベース”だった車両が、“保存対象”へ変わっていった。

最近は「フルノーマル」が価値を持つ傾向も強い。

ノーマルマフラー。
純正外装。
当時のままの状態。

それらが“希少性”として扱われる時代になった。

若い世代が入りづらくなった現実

もちろん、この流れには課題もある。

昔なら“最初の1台”だった価格帯が、いまでは簡単に手を出せない。

特に400ccクラスは顕著だ。かつて学生ライダーの定番だったCB400SFやゼファー400は、いまや高額趣味の領域に入りつつある。

「昔は10万円でボロいバイクを買えた」
そんな言葉が、もはや別世界の話になっている。

バイク人口減少が語られる中で、“入り口の価格上昇”は業界全体の課題とも言えるだろう。

それでも、若い世代は新しい遊び方を見つけている

一方で、いまの若い世代がバイクを楽しんでいないわけではない。

むしろ価値観は変わっている。

レブル250でカフェを巡る。
CT125で林道へ入る。
Ninja ZX-25Rを走りを楽しむ。

honda ct125
honda ct125

速さやスペックだけではなく、“どう楽しむか”が重要になった。

バイクは、単なる移動手段でも、単なる速さ競争でもない。

「時間の使い方」そのものになり始めている。

バイクは“消費財”から“趣味資産”へ

かつてのバイクは、“古くなれば安くなる”存在だった。

しかし今は違う。

人気車は価値を維持し、場合によっては価格が上がる。長く乗り続ける文化も強くなり、「何年所有したか」が楽しみ方の一部になっている。

kawasaki z1
kawasaki z1

つまりバイクは今、“消費財”から“趣味資産”へ変わりつつあるのだ。

そして、その変化こそが、
「昔は安かった」
という言葉が通用しなくなった、本当の理由なのかもしれない。

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