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「実は私も悩んでて」と打ち明けるつもりだった私が、友人のカメラロールで自分の嘘に気付いた話

  • 2026.5.26
ハウコレ

私は結婚2年目の30歳で、夫と新居で暮らしています。SNSには新生活のいい瞬間を選んで投稿していて、まわりからは「順風満帆だね」と言われる毎日でした。けれど久しぶりに会った大学時代の友人に投げかけた何気ない質問が、自分の差し出してきたものの正体を見せつけることになったのです。

打ち明けるつもりで投げた話題

平日の夜、駅前のカフェで大学時代の友人と向かい合っていました。会うのは半年ぶり。本当はこの日、私のほうから話したいことがあったのです。最近、夫との関係がぎくしゃくしていて、新居の住宅ローンも思っていたより重く、SNSに載せている景色とはまるで違う毎日を抱えていました。

ひとりで抱えるのが限界で、友人に打ち明けたかった。でも、すぐに切り出す勇気はありません。私はコーヒーが半分くらいになったタイミングで、呼び水のつもりで切り出しました。「SNSでキラキラしてるけど実際どうなの?」。友人が「実は私も悩んでて」と言ってくれたら、私も話せると思っていたのです。

差し出された画面に並んでいたもの

ところが友人は、少し戸惑った顔をしたあと、こう言いました。「見せようか」。差し出されたスマホの画面には、私が一度もSNSで見たことのない景色が並んでいました。作り置きのお弁当のおかず、洗濯物が山積みになったソファ、終電前のオフィス、ピントの甘い猫、コンビニのパン。「SNSは月に2、3枚のいい瞬間の集まり。あとの300枚はこれ」笑いながらそう言う友人を、私はうまく見ることができませんでした。私のスマホのカメラロールには、こんな写真は1枚もありません。撮ったとしても、すぐに消してしまいます。SNSに載らない毎日まで、私はずっと「載るに値する」形に整えてきたのです。

「画面の裏側」を持っていたのは私のほうだった

画面を見つめながら気付きました。友人の本当は、SNSのキラキラから少しはみ出ただけの、地続きの毎日でした。一方で、私の本当は、SNSのキラキラからはるか遠いところにある別の景色です。本当に「画面の裏側」を抱えていたのは、聞かれた友人ではなく、聞いた私のほうでした。「私、本当のあなたを知らなかったんだね」。気付いたら、そんな言葉が漏れていました。声の裏側に、自分自身に向けたつぶやきが混じっていたのは、たぶん友人には気付かれていません。打ち明けようと思って投げた話題が、いつの間にか自分の正体をすくい上げる網になっていました。

そして...

カフェを出て10分ほど歩き、駅のホームで電車を待ちながら、友人に短いメッセージを送りました。「今度から本当の話もしようよ」。書きながら気付いたのは、私が一度も友人と本当の話をしてこなかったということでした。友人のカメラロールにあったあの写真の一枚一枚は、私からすれば「自慢にもならない毎日」かもしれません。

でも、誰かに見せられる真実を持っていることが、いまの私にはどれほど大事なものか、わかってしまったのです。次に会うときは、私のほうから「実は」と切り出してみようと思います。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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