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ウェルネスの聖地・奈良から始まった養生。「THERA」が届ける和漢植物の恵み

  • 2026.5.25

シルクロードの終着点といわれる奈良は、仏教とともに薬草や漢方、そして蒸し風呂文化が伝来した、日本の癒やしの原点。その地で生まれ育ち、国内外でフィトテラピストとして研鑽を積んだ橋本真季さんが立ち上げたTHERA(テラ)は、和漢植物の力で現代人の心身をホリスティックに整える、日本生まれのヘルス&ビューティブランドです。

AZUSA TODOROKI[BOW PLUS]

ブランド名「THERA」は、ヨーロッパの古書に登場し治療やケアを行った人物の名前を冠しており、かつて薬草園やサウナを備え人々の救済の場であった“お寺”にも由来します。橋本さんは、忘れ去られようとしていた大和生薬や伝統的な養生文化を掘り起こし、現代の感覚にフィットするプロダクトとして再生。その取り組みは、耕作放棄地の活用や伝統文化の継承といった、持続可能な社会の循環を支えています。1400年の時を超えて現代に息づく、美しき日本の“養生”。その真髄と、プロダクトに込めた慈愛のフィロソフィーを伺いました。

<Profile>
橋本 真季(はしもとまき)/株式会社ALHAMBRA 代表取締役
奈良公園、東大寺の近くに生まれ育つ。海外留学を経て、伊藤忠商事のブランドマーケティングに従事した後、独立。フィトテラピスト(植物療法士)・漢方養生指導士としてオーガニックコスメの輸入やブランディングに携わり、自身のルーツである奈良の和漢植物を活かしたブランド「THERA(テラ)」を設立。奈良市観光大使も務め、地域のウェルネスツーリズムや製品開発を推進している。また、女性起業家として大学での講義を行うなど多角的に活動中。

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古都・奈良から始まった、薬草と祈りの世界

―― ブランドを立ち上げたきっかけを教えて下さい。

奈良時代、疫病や震災が相次ぐ混沌とした社会で、人々を救ったのは「薬草」と「祈り」でした。聖武天皇は行基に依頼して指揮を執り、祈りの対象として作り上げたのが奈良の大仏だったのです。奥様の光明皇后が設けた法華寺には、いまも日本最古のサウナといわれる木造の浴室が残り、薬草のスチームで病を癒やした記録があります。私はこの“お寺(THERA)の精神”こそ、現代の疲弊した社会に必要だと確信しました。

かつて私は、自由を求めて奈良を飛び出し、アメリカやヨーロッパで海外のオーガニック文化に魅了されました。独自で輸入した製品を百貨店等で販売していたところ、自社のブランドを日本の製品でつくってはどうかという依頼がありました。よく考えると、日本の事をあまり知らないことに気がつき、思い立って日本全国歩き回ったのです。どこにどんな薬草が生えていて、どういう人が育てており、どのように使われているか調査したところ、地域によって全く違いました。そうして、色々と研究した結果、始まりの地がだんだん見えてきて、それが奈良の東大寺・正倉院に収められている薬草だったのです。

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もともと60種類あったのが、いまも38種類残っていて。外の世界を知れば知るほど、日本の、そして奈良の足元に眠る知恵の深さに衝撃を受け、私はこれまで何をやっていたのだろうと目が覚めました。日本神話や万葉集に描かれる植物の彩り、そしてシルクロードを経て独自の進化を遂げた漢方の精神。歴史ある知識と文化を現代風に解釈して伝える必要があると思ったのです。

―― テラのプロダクトについてお聞かせください

日本の歴史に刻まれた知恵や文化を背景に、5つのライン(酵・香・彩・懐・漢)とひとつの「院」で構成されています。まず、奈良が発祥の醤油や味噌、日本酒といった日本古来の「発酵・醸造」技術をスキンケアに昇華させた「酵 KOU」。そして、稀少な国産アロマのお香を日常で楽しむ「香 KOU」。万葉集に描かれた植物の色彩を纏う「彩 SAI」や、懐かしい香りを衣の袖やバッグに忍ばせる「懐 KAI」。そして、私が最も伝えたい養生の知恵を形にした「漢 KAN」です。

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さらに、これらの世界観を五感で体験していただく場として、奈良を拠点としたウェルネスツアー・アクティビティ「Shingan院」を展開しています。ショップに併設されたサロンではトリートメントも提供。 ただ物をつくるだけでなく、その背景にある物語や技術、そして土地のエネルギーをまるごと体感していただくこと。そうして皆様の日常に、日本独自の健やかな智慧を届けていくことが、私たちのプロダクトに込めた願いです。

――ブランドの根幹にある“養生”とはどのようなものですか?

私たちが考える養生とは、決して特別なことではありません。それは、自分の内側の小さな変化に気づき、そっと手を差し伸べてあげる慈しみの習慣です。かつて奈良の地では、厳しい時代を生き抜くために、人々は祈りとともに身近な植物の力を借りて心身を調えてきました。それは「病気になったら治す」という対症療法ではなく、日々の暮らしの中で調和を保ち、健やかさを育んでいくという考え方。いわば、自分を丁寧にメンテナンスしてあげること。

現代の私たちは、つい外側の評価や忙しさに目を向けて、自分自身の声を聞き逃してしまいがちですよね。だからこそ、お茶を1杯淹れる、良い香りを纏う、ツボを刺激する。そんなわずか数分間のリチュアル(儀式)を通じて、日々のゆらぎを受け入れ、ニュートラルな自分に戻してあげる。そうした小さな積み重ねこそが、テラが提案する、現代に息づく“養生の姿”なのです。

五感を満たし、社会を癒やすテラのギフト

―― 特におすすめしたい手土産となるアイテムは何でしょうか?

現代の方々は脳が疲れ、五感が鈍ってしまいがち。そんな時に手にとっていただきたいのが、自分を慈しむ数分間の習慣です。例えば、漢のラインから提案している、日々のゆらぎによって昂ぶりやすい感情を整える「五行YOJO茶」。

「五行YOJO茶 1包¥410、缶¥3,564、袋¥9,504」 AZUSA TODOROKI[BOW PLUS]

これは飲むというより「調える」ためのリチュアルです。奈良産のレモングラスや和漢ハーブが心地良く響き、一杯飲むだけで心がスッと凪いでいくのを感じていただけます。

「YOJO 灸」各¥1,800 AZUSA TODOROKI[BOW PLUS]

また、鍼灸師だった祖母の背中を見て育った私が、忙しい女性のために開発したのが、世界初のアロマ水で焚く「YOJO 灸」です。「お灸に興味はあっても火や煙が気になる…」という声に応えたもので、付属の桧や薔薇、黒文字の蒸留水を数滴つけるだけで台紙が発熱する特許技術を用いています。ほんのりと温かく、お洋服に匂いがつく心配もなく、家事や仕事をしながら、着衣のまま5分で本格的なセルフケアが叶います。

塗香「浄化 purification」¥2,200、「瞑想 meditation」¥2,200 AZUSA TODOROKI[BOW PLUS]

そして、もうひとつ日常に取り入れていただきたいのが、シルクロードを渡り日本へ伝わった塗香(ずこう)です。かつてはお坊様がお清めに使っていた粉のお香ですが、洋ハーブを独自にブレンドした世界にひとつしかないオリジナル。スパイシーで温かみのある「瞑想 meditation」と、ホワイトセージが爽やかに香る「浄化 purification」の2種類あり、少量を手に取り体温で温めるようにそっと撫でると、たちまち清らかな香りが漂います。これは、忙しい日常の中にひとときの静寂と自分を取り戻す瞬間を運んでくれるギフトです。

「マニュアンドペディキュア」 左から(なし)¥1,870、「あじさゐ 」¥1,870、「ふじ」¥1,870、「ふじばかま」¥1,870、「こうばい」¥1,870、「わらび」¥1,870、 AZUSA TODOROKI[BOW PLUS]

さらに、万葉の色彩(あじさゐ、ふじ、ふじばかま、こうばい他)を纏う「マニュアンドペディキュア」は、帆立胡粉を主成分としたこのネイルカラー。有機溶剤不使用のお湯でオフできる優しさが特徴です。こうした品々が、忙しない日常の中でふと立ち止まり、本来の自分を取り戻すための、小さなしるべとなれば嬉しいですね。

「薬湯 YOJO湯 温」¥1,980、「薬湯 YOJO湯 巡」¥1,980 AZUSA TODOROKI[BOW PLUS]

注目したいのは、奈良の養生をダイレクトに体感できる「薬湯」。伝統的な薬草風呂の知恵を現代のライフスタイルに合わせて再現したウェルネスなアイテムです。「温」は8種類、「巡」は7種類の厳選された生薬が配合されている医薬部外品の薬用入浴剤で、化学的な成分に頼らず自然の叡智で1日の疲れを優しく包み込み、心身を芯から温めてくれます。冷えやコリが気になる方は「温」、巡りの気になる方は「巡」が適しており、お世話になった方へ「ゆっくり休んでくださいね」という言葉を添えて贈りたい、心尽くしの逸品です。

―― 伝統文化と地域の未来を掲げるコンセプトについて教えてください。

私たちが大切にしているのは、日本の素材を使い、日本の技術で、日本の心を伝えることです。例えば、看板商品の「五行YOJO茶」には、奈良県産の大和当帰(やまととうき)を使用しています。かつては献上品であったこの薬草も、一時期は衰退の危機にありました。私たちが製品に活用することで、地元の生産者の方々の経済的自立を支え、美しい薬草園の風景を守る手助けができればと考えています。

また、環境への配慮も私たちの「養生」の一部です。パッケージには、石からつくられたストーンペーパーや、食べられなくなったお米を再利用した「kome-kami」を採用。さらにラベルには、共存共栄を描いた春日曼荼羅をモチーフにしたデザインを施し、古の精神性を表現しています。

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―― ブランドが目指す未来についてもお聞かせください。

奈良でウェルネスツアーを主宰するうちに、世界中のエグゼクティブの方々が、奈良の静寂の中で人間本来の感覚を取り戻していく姿を目の当たりにしてきました。テラのショップやプロダクトは、いわば“森への入り口”です。都会で忙しく働く方々が、私たちの製品を通じて奈良の森や歴史の息吹を感じ、実際に訪れたいと思ってほしい。そこで消費が生まれ、地域が潤い、また次の1000年へと文化が繋がっていく。ギフトという小さな種が、大きな社会の癒やしへと育っていくことを願っています。

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「THERA(テラ)shop & spa 」
所在地/ 奈良県奈良市東向北町22-1
営業時間/10:00~18:00
定休日/火曜
URL/www.thera.jp

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