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骨折とわかっても、患者に伝えてはいけない!? レントゲン室の裏側で奮闘するギャル放射線技師が教えてくれる、知られざる医療現場のアレコレ【書評】

  • 2026.5.23

【漫画】本編を読む

『ギャル技師ちゃんのやべぇ日常 放射線技師のかわいくないお仕事』(からばく社/KADOKAWA)は、病院で働く放射線技師の日常を、ギャルマインド全開の主人公を通して描いたお仕事コミックエッセイである。SNSで注目を集めたものを書籍化した本作は、専門職ならではの知識と医療現場の慌ただしい様子に、絶妙なバランスで笑いを詰め込んだ一冊だ。

舞台は、とある町にある「アゲアゲ中央病院」。そこでレントゲンやMRI、CTなどの検査を担当しているのが主人公・ギャル技師ちゃんである。派手な見た目とは裏腹に仕事は超真面目。次々と訪れてくる患者や、クセの強い医師と看護師、そして予想外のトラブルに振り回されながらも、持ち前の明るさと根性で現場を回していく。ギャルというキャラクター性と医療職の堅実さのギャップが本作最大の魅力だろう。

そして普段あまり知られることのない放射線技師の仕事を、ぐっと身近に感じさせてくれるのもポイントだ。たとえば「骨折しているように見えても、その場で患者に伝えてはいけない」「子どもの骨は大人と見え方が違う」「MRIは実は電子レンジと近い原理で動いている」など、思わず誰かに話したくなる知識が次々と飛び出す。病院に行ったことはあっても、診察室以外で起きていることは知らない人がほとんどだろう。そんな見えない現場も案内してくれる。

さらに、フルカラーでポップな絵も楽しい。テンポのよい会話やギャグ、にぎやかな登場人物たちによって、専門用語の多い医療漫画でも最後まで軽快に読み終えることができる。医療系作品にありがちな難しさや堅苦しさ、重さとは無縁だ。

病院で見かける診察室や検査室の向こう側では、今日も誰かが全力で働いている。本作は、病院とそこで働く人たちの見方を少し変えてくれると同時に、あらためて医療従事者への敬意を抱かせてくれるだろう。笑って学べる、理想的なお仕事コミックだ。

文=Y・イノウエ

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