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【カンヌ国際映画祭 2026】本木雅弘、菅田将暉、宮舘涼太が初カンヌ!日本勢“快進撃”の中盤戦を総まとめ

  • 2026.5.21
Stephane Cardinale - Corbis / Getty Images

最高賞パルムドールを狙うコンペティション部門では深田晃司、濱口竜介、是枝裕和の3監督の作品が順に上映され、好評を博している。とりわけ濱口監督作は14分近くに渡る群を抜いたスタンディングオベーションで、主要賞の受賞に期待したい。併設マーケット「マルシェ・デュ・フィルム」では日本が“カントリー・オブ・オナー”を務めるなか、巨匠から気鋭監督、さらには大型プロジェクトまで、多彩な日本映画が注目を集めている。映画祭中盤戦の賑やかな日本勢の模様を、最新トピックスからレポート!

Pascal Le Segretain / Getty Images

5月19日、黒沢清監督の初時代劇『黒牢城』に豪華キャストが集結

中盤の話題をさらったのは、カンヌ・プレミア部門に出品された黒沢清監督初の時代劇『黒牢城』。米沢穂信の直木賞受賞小説を原作とし、戦国時代を舞台に、織田信長に立ち向かった武将荒木村重のストーリー。本木雅弘が主演を務め、軍師黒田官兵衛を菅田将暉、村重の家臣、荒木久左衛門を青木崇高、乾助三郎をSnow Man宮舘涼太が演じる。撮影は、松竹スタジオや京都の寺院や城で実施されたという。

写真:プレミア上映のレッドカーペットにて。

Amy Sussman / Getty Images

本作は、従来の刀による殺陣(アクション)に頼るのではなく、サムライ映画と心理スリラーを融合させた構成が現地で評価されている。

プレミア上映前のフォトコールには、黒沢清監督とともに、青木崇高、本木雅弘、菅田将暉、宮舘涼太が登場。本木雅弘、菅田将暉、宮舘涼太にとっては初めてのカンヌ。晴れやかな笑顔をのぞかせた。

Stephane Cardinale - Corbis / Getty Images

注目を集めたのは、熱いサービス精神がほとばしる宮舘涼太。報道陣を前に、持ち前の華麗なるターンをキメると、最後は壇上に登り、堂々たるポージングを披露。セレブ慣れしている現地フォトグラファーたちをも沸かせた。

Dominique Charriau / Getty Images

5月18日、岨手由貴子監督の注目作が 「ある視点」部門で好評

『すべて真夜中の恋人たち(英題:All the Lovers in the Night)』が 「ある視点」部門に選出され、初カンヌ入りを果たした岨手由貴子監督。川上未映子初の長編小説を原作としている。主演の岸井ゆきの、共演の浅野忠信と共にフォトコールやレッドカーペットに登場。

スクリーンデイリー紙は、「フィルムの質感と、岸井ゆきの・浅野忠信による抑制の効いた演技が、じわじわと心に迫る日本ドラマの伝統を見事に継承している」と絶賛。ハリウッドレポーター誌も「光と孤独についての哲学的な問いに向き合った野心作」と評し、岨手監督について「日本映画の新たな才能が、世界に発見されたのだ」と紹介した。

(c)KazukoWAKAYAMA

5月17日、K2 Picturesが三池崇史監督『襲名』など新作発表

“日本映画の新しい生態系をつくる”ことを目標として掲げる映画会社K2 Picturesは、映画祭期間中にカンヌのマリオットホテルで会見を実施。歌舞伎俳優・市川團十郎が主演し、映画監督・三池崇史が自身初のドキュメンタリー作品となる映画『襲名』(9月公開)や、昨年『愚か者の身分』で注目を集めた永田監督が手掛ける『藻屑蟹』など、新作のラインナップを発表した。

Stephane Cardinale - Corbis / Getty Images

5月17日、是枝裕和監督『箱の中の羊』がプレミア上映!

是枝裕和監督の野心作と現地で評されている『箱の中の羊』は、最高賞を狙うコンペティション部門で出品。フォトコールやレッドカーペットには、父親役を演じた千鳥・大悟、母親役の綾瀬はるか、息子役に抜擢された桒木(くわき)里夢が是枝監督と共に登場した。公式上映後、スタンディングオベーションは10分近く続いた。


Gisela Schober / Getty Images

亡くなった息子そっくりのAIヒューマノイドを夫婦が迎え入れるというストーリーで、海外誌ではスピルバーグ監督の『A.I.』との比較も取り上げられている。是枝監督特有の家族の肖像を描きつつも、社会の不条理に切り込む本作は、SFジャンルへの挑戦を評価する向きと、近未来的な設定と家族ドラマのマッチングの難しさを指摘する向きがあり、賛否両論を呼ぶ話題作であることは間違いない。

人間らしさとは何か。作り物は本物の代わりになり得るのか。こうした問いを私たちはどう受け止めるべきなのか。審査委員長パク・チャヌク監督が、この議論を呼ぶ家族愛の物語をどうジャッジするか、注目したい。

Anadolu / Getty Images

5月15&16日、濱口竜介監督『急に具合が悪くなる』がパルムドール有力候補に!

是枝監督作と同様に、最高賞を狙うコンペティション部門に出品されている濱口竜介監督の『急に具合が悪くなる』は15日にプレミア上映。3時間超という長尺ながら、14分近いスタンディングオベーションで喝采を浴びた。

原作は、がんの転移を抱えながら生きる哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねてきた人類学者が交わした20通の往復書簡『急に具合が悪くなる』(宮野真生子・磯野真穂著/晶文社)。映画は日本、フランス、ベルギー、ドイツによる国際共同製作で、浜口監督は「パリの介護施設」と「日本の舞台稽古」というふたつの場所を繋ぐストーリーへ昇華させた。

介護施設の施設長役をヴィルジニー・エフィラ、がんと闘う舞台演出家役を岡本多緒が主演する。

Pascal Le Segretain / Getty Images

物語の核心を突くキーワードは「ユマニチュード」だ。ユマニチュードとは、フランス発祥の認知症ケア技法であり、人間らしさや優しさに重きを置く。ヴィルジニー・エフィラ演じる施設長が新人のスタッフにそれをレクチャーするシーンもあり、作品を貫く哲学として機能している。実際に濱口監督は撮影のため、パリの高齢者介護施設で5ヶ月間を過ごしたという。

こうした「高齢化」「人間の尊厳」「生と死」という今日的テーマを、フランス語を大半とした会話で成り立たせた監督の手腕が、パルムドールの本命候補の一角として評されている。ヴァラエティ誌は「映画が何であるかを思い出させてくれるだけでなく、人生が何であるかを思い出させてくれるほど素晴らしい、稀有なタイプの映画だ」と絶賛。

フォトコールとレッドカーペットには、主演のヴィルジニー・エフィラ&岡本多緒のほか、長塚京三と黒崎煌代も登場した。

(C)2027「殺人の門」製作委員会

5月15日、山﨑賢人と松下洸平のW主演『殺人の門』がプレゼン!

山﨑賢人と松下洸平がW主演を果たす『殺人の門』が、映画祭併設のマーケット(マルシェ・ドゥ・フィルム)で、「Goes to Cannesプログラム」枠に選出。キャストの現地入りはなかったが、2027年2月19日(金)に公開されることが発表された。

“親友”の人生を狂わせる男・倉持を山﨑賢人、“親友”を殺したい男・田島を松下洸平が演じ、友情と殺意が絡み合う禁断のミステリーを金井紘監督が描き出す。

「Goes to Cannesプログラム」には、ほかに是枝裕和監督の『ルックバック』や瀬々敬久監督『存在のすべてを』など全5作品が選ばれている。

Aurore Marechal / Getty Images

パルムドールのゆくえはいかに?

ここまで日本勢の活躍を中心に中盤戦を振り返った。濱口竜介監督『急に具合が悪くなる』とパルムドールを競り合うであろうライバル候補としては、パヴェウ・パヴリコフスキ『Fatherland』(ポーランド)とアンドレイ・ズビャギンツェフ『Minotaur』(ロシア)の下馬評が高い。前者は1980年代の戒厳令下のポーランドと現代のロンドンを舞台にしたロードムービー。後者は現代のモスクワを舞台に、行方不明の息子を探す父親を描いたサイコスリラーだ。

例年、後半戦に公開される作品ほど評価が高い傾向にあるのでまだまだ結果は見えないが、現地時間5月23日(土)夜に開催される授賞式を、楽しみに待ちたい!

Aurore Marechal / Getty Images
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