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菅田将暉「脳みそフル稼働」本木雅弘と地下牢で壮絶な演技合戦…黒沢清監督『黒牢城』6月19日公開、メイキング解禁

  • 2026.5.16

第166回直木賞と第12回山田風太郎賞をW受賞、史上初の4大ミステリー賞を制覇した米澤穂信さんの傑作『黒牢城』。その実写映画化作品が、2026年6月19日(金)に全国公開される。メガホンを取るのは『スパイの妻』『Cloud クラウド』の黒沢清監督。同監督にとって、本作がキャリア初となる時代劇となる。さらに、2026年5月12日より開催中の第79回カンヌ国際映画祭の「カンヌ・プレミア」(Cannes Premiere)部門へも正式出品された。

このたび、撮影現場レポートとメイキング写真が解禁。黒沢監督のもと、豪華キャスト陣が圧倒的な熱量で挑んだ撮影の裏側が明らかとなった。

伊賀上野城をバックに、村重の佇まいを見せる本木雅弘さんと黒沢清監督
伊賀上野城をバックに、村重の佇まいを見せる本木雅弘さんと黒沢清監督

本木雅弘・菅田将暉ら総勢21名、歌舞伎界から坂東新悟も信長役で参戦

上段左から本木雅弘、菅田将暉、吉高由里子。下段左から青木崇高、宮舘涼太、柄本佑、オダギリジョー
上段左から本木雅弘、菅田将暉、吉高由里子。下段左から青木崇高、宮舘涼太、柄本佑、オダギリジョー

主演は荒木村重役の本木雅弘さん、囚われの天才軍師・黒田官兵衛役の菅田将暉さん、村重の妻・千代保役の吉高由里子さん。さらに青木崇高さん、宮舘涼太さん(Snow Man)、柄本佑さん、ユースケ・サンタマリアさん、吉原光夫さん、坂東龍汰さん、荒川良々さん、渋川清彦さん、渡辺いっけいさん、オダギリジョーさんら、映画界を代表する豪華キャストが集結している。

加えて2026年3月には、第三弾キャストとして近藤芳正さん、矢柴俊博さん、木原勝利さん、河内大和さん、吉岡睦雄さん、上川周作さん、前田旺志郎さん、坂東新悟さんの8名の出演も発表された。なかでも歌舞伎界から参戦する女方の坂東新悟さんが、村重を追い詰める織田信長役を演じる点は意外性たっぷり。黒沢監督から「性別は関係ないので大丈夫」と告げられて挑んだという。異色のキャスティングが、心理戦にどんな緊迫感を吹き込むのか注目したい。

上段左から、ユースケ・サンタマリア、吉原光夫、坂東龍汰。下段左から渡辺いっけい、渋川清彦、荒川良々
上段左から、ユースケ・サンタマリア、吉原光夫、坂東龍汰。下段左から渡辺いっけい、渋川清彦、荒川良々

世界遺産・姫路城ほか、国宝&重要文化財での大規模ロケを敢行

国宝・重要文化財を巡る大規模ロケが敢行された
国宝・重要文化財を巡る大規模ロケが敢行された

舞台は戦国時代、有岡城。織田信長に突如反旗を翻した武将・荒木村重(本木雅弘)が籠城作戦を決行する。織田軍に囲まれ絶望的な状況の閉ざされた城内で、逃げ場のない4つの“怪事件”が発生。村重が謎を解くために頼ったのは、地下牢に幽閉した危険な天才軍師・黒田官兵衛(菅田将暉)だった。

撮影は2025年10月にクランクイン。京都太秦の松竹京都撮影所を拠点に、世界遺産の姫路城、明石城、篠山城、伊賀上野城、彦根城、東福寺、萬福寺など、国宝や重要文化財に指定される歴史的建造物を巡る大規模ロケが、約1カ月半にわたり敢行された。

ロケ地をすべてまとめた場合の有岡城の想定図※作成:美術担当・原田哲男さん
ロケ地をすべてまとめた場合の有岡城の想定図※作成:美術担当・原田哲男さん

本木雅弘×吉高由里子のクランクイン、台本4ページの長回しで一気に物語の幕開け

撮影の合間に黒沢監督と言葉を交わす本木雅弘さん。和やかな表情に黒沢組ならではの結束力がにじむ
撮影の合間に黒沢監督と言葉を交わす本木雅弘さん。和やかな表情に黒沢組ならではの結束力がにじむ

本木さんの初日となった2025年10月1日。松竹京都撮影所では、村重と妻・千代保(吉高由里子)が有岡城の一室で語らうシーンからスタートした。穏やかな会話劇も束の間、信長へと寝返った父を持つ少年・自念(槙木悠人)の乱入により、静寂が破られる。

台本にして4ページに及ぶこの重要シーンで、黒沢監督は本木さんと吉高さんに立ち位置や動線を細やかに指示。数回のリハーサルを経て2台のカメラを用いた長回しで撮影されると、現場の空気は一変したという。

圧倒的な存在感で場を支配する本木さんと、控えめながら芯の強さをにじませる吉高さん。その芝居を凝視し、自然な感情を引き出していく黒沢監督。原作については「近年読んだ小説の中で最もおもしろく、自分の手で映画化したいと思いました」と語る一方、撮影初日の胸中をこう明かす。「どの現場でも初日はいつもそうです。事前に考えた演出プランが本当に成立しているのか、俳優が生身の人間として心身ともに演じることが可能なのか…自分は俳優ではないのでいつも不安なのです」。キャリア40年超の巨匠でも、初日の不安は変わらないらしい。

「第一の事件:自念の密室殺人」“クセ者”家臣たちが集結

甲冑をまとった郡十右衛門役のオダギリジョーさん
甲冑をまとった郡十右衛門役のオダギリジョーさん

翌日以降、現場には村重を支える“クセ者”ぞろいの家臣たちが続々と集結。郡十右衛門役のオダギリジョーさん、乾助三郎役の宮舘涼太さん、荒木久左衛門役の青木崇高さんらが参加し、ついに【第一の事件:自念の密室殺人】の検証シーンが幕を開けた。

真剣な眼差しで入念な準備に臨む黒沢組スタッフと、時折笑顔で言葉を交わしつつも役へと深く潜り込むキャスト陣。現場全体に、心地よい緊張感と充実感が終始漂っていたという。

「あの体験は奇跡だった」地下牢で交わされた、本木×菅田の壮絶な演技合戦

地下牢に幽閉された官兵衛(菅田将暉さん)と、対峙する村重(本木雅弘さん)
地下牢に幽閉された官兵衛(菅田将暉さん)と、対峙する村重(本木雅弘さん)

11月、現場に黒田官兵衛役の菅田さんが合流。松竹京都撮影所ならではの“地面が土のまま残る”第6スタジオに建てられた、広大かつ凹凸の激しい地下牢のセットで、村重と官兵衛の対峙が描かれた。

「順撮り」で行われたこのシーンは、本音と建前が入り混じる膨大なセリフの応酬。黒沢監督がこだわり抜く長回しで撮影されたという。黒沢監督は「本木さんと菅田さんの丁々発止のやり取り、楽しかったです。物語上の村重と官兵衛の関係と同じように、どちらかが圧倒したり、反撃したり。お二人の演技合戦は見ものだと思います」と自信をのぞかせる。

撮影を終えた本木さんは「黒沢監督が思い描いているものに近づくために、スタッフの皆さんが思いを込めて、技術を尽くして、映像に焼き付けようとしている。ある種の緊張感と意義深さをずっと感じていました」と振り返り、「振り返ったら、あの体験は奇跡だったんじゃないかと思うような、京都の地、そして黒沢さんのもとでしか生まれ得ない貴重な時間を過ごさせていただきました」と感慨深げに語る。

菅田さんも「知と血と地にまみれ、脳みそフル稼働の撮影でした。対峙した時の荒木村重役の本木さんの瞳が忘れられません」と極限の心理戦への手応えをコメント。「ほとんど村重としか関わりがなかったので、僕が一番映画を楽しめると思います。完成を楽しみにしています」と笑顔を見せた。

官兵衛役の菅田将暉さん。極限状態の表情を作り込んでいく
官兵衛役の菅田将暉さん。極限状態の表情を作り込んでいく

黒沢監督自身も「初めてのことが多く、何が正しいのかを追求しながらの撮影は、日々大変でしたが新鮮でした。この年齢になりましたけれどもデビュー作のような緊張と興奮と目新しさがありました」と充実した表情で語っている。

戦国×密室×究極の心理戦。本木雅弘×菅田将暉の“演技合戦”を、2026年6月19日(金)の劇場公開で見届けたい。

映画『黒牢城』作品概要

原作:米澤穂信『黒牢城』(角川文庫/KADOKAWA刊)

監督・脚本:黒沢清

音楽:半野喜弘

出演:本木雅弘

菅田将暉 吉高由里子

青木崇高 宮舘涼太 柄本佑

ユースケ・サンタマリア 吉原光夫 坂東龍汰 近藤芳正 矢柴俊博 木原勝利 河内大和 吉岡睦雄 上川周作 前田旺志郎 坂東新悟 荒川良々 渋川清彦 渡辺いっけい

オダギリジョー

配給:松竹

公開:2026年6月19日(金)全国公開

(C)米澤穂信/KADOKAWA (C)2026映画「黒牢城」製作委員会

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