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甲府市、「甲府ジュエリー認定制度」を創設! "宝石のまち"のブランド価値向上へ

  • 2026.5.20

2026年5月18日、山梨県甲府市は「甲府ジュエリー認定制度」の創設を発表し、市内で記者会見を行いました。ジュエリーの製造工程に着目し、「どこで作られたか」を可視化することで、産地ブランドの確立と国内外への認知拡大を狙う取り組みです。

“一気通貫”の強みを証明する制度

KOFU プロモーションディレクターの中野シロウ氏
KOFU プロモーションディレクターの中野シロウ氏

「甲府ジュエリー認定制度」は、ジュエリー制作に必要な5つの工程のうち、一定以上を甲府市内で行っている製品を対象に「甲府ジュエリー」として認定するものです。認定されたアイテムには専用の認定証が付与され、当面はふるさと納税の返礼品として寄附者へ送付されます。

認定証のデザインは、プロモーションディレクターの中野シロウ氏が担当しました。甲斐武田家の家紋「四つ菱」をモチーフに、地域の歴史と誇りを象徴するデザインとなっています。
制度の認定は商品単位で行われ、現時点で約2万点が対象とされています。審査では品質そのものではなく、製造工程がどの地域で行われているかを重視しています。5つの主要工程について書類で確認し、必要に応じて現地調査も実施する予定です。

江戸時代から続く宝石のまち・甲府
樋口雄一市長は会見で、「甲府のジュエリー産業は江戸時代の研磨技術に端を発しています」と歴史的背景を説明しました。山梨県は宝飾製造事業者の約29%が集積する全国有数の産地であり、その9割以上が甲府市に集中しているといいます。
また、「原石から完成品まで一気通貫で生産できる産地は全国でも類を見ません」と述べ、この集積の価値を制度によって明確にしていく考えを示しました。
※出典:経済産業省「2022年経済構造実態調査」より

ブランド確立とふるさと納税の相乗効果

制度創設の狙いについて市は、「地域ブランドとしての価値向上」を掲げています。近年、甲府市のふるさと納税は好調で、令和7年度には寄附額が100億円を突破しました。ジュエリーはその中核となる返礼品の一つです。
今回の制度により、単なる返礼品としてではなく、“産地証明付きジュエリー”として付加価値を高め、寄附体験を通じてブランド認知を広げる狙いがあります。
一般社団法人宝石貴金属協会の松本一雄理事長は、「まずはふるさと納税を起点に展開しますが、将来的には全国、さらには世界に向けて認知を高めていきたい」とコメントしました。

“認定そのものが価値” 若年層への浸透にも期待
現段階では、認定製品に対する直接的なインセンティブは設けていませんが、市は「認定されること自体が価値である」と位置付けています。
関係者は、「行政や業界だけでなく、若い世代が認定証付きジュエリーに魅力を感じ、価値として受け取ってもらうことが重要です」と説明しました。祖父母から受け継いだジュエリーのリメイクなど、世代を超えて受け継がれる文化の醸成にも期待を寄せています。
甲府市ではこれまで、東京ガールズコレクション(TGC)への継続的な参加や、高校生を対象とした「甲府ジュエリー甲子園」などの取り組みも行ってきました。近年では、子どもの誕生時に誕生石を贈る文化が広がりつつあり、幅広い世代への認知が進んでいるといいます。

海外展開も視野に

海外へのPRについては、行政が直接販売を担うのではなく、宝飾産業のネットワークを活用します。東南アジアのバイヤーなどと連携し、国際市場での認知拡大を目指す方針です。
将来的には、ふるさと納税にとどまらず、一般流通においても「甲府ジュエリー」認定商品の展開を進める構想がありますが、現時点では制度の整備段階にあるとしています。

“今治タオル”のような認知を目指して
樋口市長は、「鯖江の眼鏡や今治タオルのように、“甲府といえばジュエリー”と認知され浸透すること目指します」と今後の展望を語りました。
産地の強みを可視化し、製造拠点からブランドへ──。甲府ジュエリーが結婚指輪や記念日の贈り物として選ばれる存在へと成長していくのか、今後の展開に注目が集まります。

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