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【六本松】気軽に相談・交流できるまちの保健室 「たねばこ」オープン!

  • 2025.5.28

こんにちは、リビングふくおか・北九州Web地域特派員のkikiです。 実は私は、看護系の大学を卒業しています。

突然ですがみなさん、「コミュニティナース」という言葉を聞いたことがありますか? コミュニティナースとは、「コミュニティナーシング」という看護の実践から広がった活動で、『人とつながり、まちを元気にする』こと。今回は、福岡市中央区六本松で「まちの保健室」の活動をされている、コミュニティナースのおふたりを紹介します。6月3日に念願の活動拠点「たねばこ」がオープンするそうですよ!

「まちの保健室」とは

「まちの保健室」を運営しているのは西部ガスグループです。まちの活性化や地域課題の解決に寄与できるような活動をしていきたいという同社がコミュニティナースの活動を知り、2020年にその活動を行う株式会社CNCと業務協力協定を締結。宗像市の日の里団地や福岡市博多区の博多南地域交流センターさざんぴあ博多でコミュニティナース活動を経て、六本松では昨年9月からスタート。「六本松421」内に2カ月間拠点を開いた後は、福岡市科学館やカフェに定期的に出張して「まちの保健室」を開設しています。

出典:リビングふくおか・北九州Web

今回は福岡市科学館でお話を聞きました。ちなみに拠点オープン後も第1・3水曜日は福岡市科学館に出張されるとのことです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

福岡市科学館では第1・第3水曜日の11:00~16:00、5Fのオープンラボで「まちの保健室」開催

そしてこの「まちの保健室」を支えているのが、ユニークな経歴を持つふたりのコミュニティナース、小松亜矢子さんと足柄佑貴さんです!

出典:リビングふくおか・北九州Web

相談形式のカウンターを想像していましたが、そうではなく、親子で遊びに来るうちにコミュニティナースのおふたりと顔見知りになって、悩みや困り事を話してくれるようになる方が多いそうです

ふたりの経歴と活動のきっかけ

小松さん:元自衛隊ナースです。関東の自衛隊中央病院高等看護学院を卒業後、しばらく医療機関、施設に勤めて、数年ほどライターの仕事をしていたこともあります。3年前に出身地である福岡に戻ってきて、訪問看護の仕事をしていました。

もともと、「コミュニティナース」のことは知っていて養成講座を受け、関東にいる時もボランティアでコミュニティナースの活動をしていたので、福岡でも何かできないかと思っていたところ、このプロジェクトのことを知り、ぜひやりたいと応募して、今に至ります。

出典:リビングふくおか・北九州Web

明るくて親しみやすく、話しやすい雰囲気の小松さん

足柄さん:レストランのパティシエから看護師に転職しました。重症心身障害者施設や訪問看護の仕事をしていたんですけど、コロナ禍の時に東京にいて、コロナが大変だったので福岡に戻り、お菓子屋さんを始めて、興味があったNPOなど公共的なことについての勉強会やワークショップに参加したり、大地の再生や環境再生などの活動ばかりやっていたらお菓子屋の経営が傾いてしまい、「やばい、木こりになるしかない」と思っていたタイミングでこのプロジェクトを知りました。

コミュニティナース自体については、看護師に転職する時の学生時代に知っていたんです。もともと看護師というより保健師志望で資格も持っているのですが、保健師の行政の採用って数が少なくて、その時は採用に至らず…。コミュニティナースの活動も保健師に近く、住民に身近だという点ですごく興味があったんですが、当時は職業にはならないなという状況で…。それがいよいよ社会実装が始まるということで、動き出してるなと思っていたら今回、採用の情報があったのでチャンスだと応募し、働き始めました。

どういう人からの、どんな相談が多い?

小松さん:おそらく活動している地域によって特色が違うと思うのですが、我々のところに関しては、もともと、活動のスタートが蔦屋書店の隣のスペースを2か月だけ借りてやっていて、そこがちょうど授乳室や蔦屋さんの絵本コーナーが近かったりしてお子さん連れの方が多く通る場所だったので、今の場所に移動してからも来られる方の7~8割が小さいお子さん連れです。なので必然的にお子さんの話が多くなります。

それ以外には「看護師がいる」と人に聞いて介護の相談に来られる方もいらっしゃいますし、知り合った高齢の方からお友達の身体の機能が衰えていて心配だという相談を受けて対応したりということもありましたし、生活レベルの低下、例えば庭の手入れを一人で頑張っていたけど、腰を痛めてもうできないなどというケースはすごく多いです。

足柄さん:知り合った方のご主人の庭仕事のお手伝いをしたこともありました。

小松さん:ずっとライフワークにしてたことを奪われるって、生きる意欲自体そがれてしまうというか、できないことを受け入れなきゃいけない、やりたいことも手放さないといけないというところの葛藤とも向き合う作業になるのかなと思います。

お互いが作った繋がりから、この分野は足柄さんの方が強いんじゃないか、逆にこの分野は私の方が強いんじゃないかと、お互いの強みを繋げながら相談などに対応しています。

活動の中で感じたことは?

小松さん:「話す場所を求めている人が多いな」ということは思います。お仕事に行かれてないお母さん方は大人と話す機会がないので、こういう場所や、私たちと話せることをすごく喜んでくださる。相談じゃなくても、雑談や、誰かに話したかったことが話せると、精神衛生上すごくいいんだろうなと思うし、シニアの方でも、お友達がどんどん元気がなくなってきたりして、話す相手がだんだん減っていく中で、ちょっと若い世代と話せるとか、ここに来ると子どもの顔を見ることができて、元気がもらえるとおっしゃる方もいらっしゃいます。

足柄さん:巷で言われている“交流”って、がっつり仲良くならなきゃいけないと思いがちだけど、名前を知らなくても、ここに来ればちょっと交流できるというレベルの緩さの交わりが作用するんだなということは感じています。

出典:リビングふくおか・北九州Web

いろいろな引き出しをお持ちなので、話していて楽しい足柄さん

「コミュニティナース」というと人との繋がり、コミュニティ活動を増やしていく人たちと思われるところがあります。もちろんそれも役割の一つだけど、都会だとそれがちょっと合わないところもあるんですね。 例えば、従来の老人会のような組織を再構築していくこととは違う、緩い繋がりが必要なんだろうなと、シニアの方の場合も思います。

小松さん:コミュニティナースの実践例は地方に多いんです。地方だとずっとそこに住み続けて移動しない人が多いから、そこに住む人たちでコミュニティを形成していく必要が出てくるんですね。

でも都会だと常に人の出入りがあるし、若い世代は特に、今の住まいは一時的なもので、仕事や家庭の状況によって移動する人が多いです。 だからといってシニア世代の動きがないかと言ったらそうではなくて、年を取ってから子供に合わせて移動してきたりするので、そういう流動的な状態の中でがっつりしたコミュニティに入っていくのは結構負荷が高いと思います。 それを求めている人も、もちろんいると思うし、ここ六本松エリアにずっと住んでいらっしゃる方でそういったものを求める方もいらっしゃるんですが、それだけではないなという感じですね。

活動する中で大事にしていること

小松さん:常に「自分には偏見があるんだぞ」と戒めるようにしています。下手に自分の中にある知識と変な価値観で、「こういうところに来る人は皆困ってる人」と思ってしまったり。例えば「身なりも綺麗にしているし、明るい人だから悩みなんてないよね」って思ってしまうこともあります。

ですがそういう判断をしてしまうと、その人が本当に抱えているものや、何に困っていて、何が苦しいかという部分を拾えなくなってしまうんじゃないかなと思うので、自分のフィルターだけで判断しないで極力フラットに見るようにしているし、時々意識して、客観的に見るようにしようと思っています。

足柄さん:ナースって小松さんのような考えの方が多いです。いろんなことを考えて相談を受けて、なるべく偏見無く受け入れる基礎があります。 だから逆にそれ以外の部分を自分が担当しようかなと思っています。例えば公園の木が枯れそうで、それを何とかするとか。そういう活動もしています。

よくよく看護の起源をたどれば、看護って環境整備がとても大事なんです。 でも病院にいる人みたいに看護師が関わっていくと、専門職として細分化されるので、環境整備ってちょっと追いやられている部分があるんです。 なんで公園で木の世話をしているのか、と言われそうだけど、案外それは本質的な環境整備の一つではないかなと思います。町の環境整備のような。 これってもしかしたら大事じゃないかな、ということを積極的にやっていこうと思っています。

「たねばこ」の今後

出典:リビングふくおか・北九州Web

オープン間近の「たねばこ」(提供写真)

拠点の「たねばこ」という名前には、「みんなでここに、種を集めよう。⠀楽しいやうれしい、わくわくする、そんなポジティブな種はみんなで大事に育てていこうよ。⠀心配や不安など、元気がなくなりそうな種は、大きく育つ前にそっと摘んでおこうね。」そんな想いが込められているそうです。この「たねばこ」がどんなふうに育ってどんな花が咲くのか、楽しみですね。

プレオープン&オープンイベントも開催されます(詳細はインスタグラムで)。ご近所にお住まいの方は、気軽にのぞいてみてはいかがでしょうか。新しい出会いや楽しみが見つかり、心が軽くなるかもしれません。

まちの保健室「たねばこ」
福岡市中央区梅光園 1-1-5 ロイヤルマンション六本松 103
開館日時:月、火、木、金曜11 :00~16:00、土、日曜不定期
※水曜は出張保健室開催
第1・3水曜11:00~16:00 福岡市科学館5Fオープンラボ(福岡市中央区六本松4-2-1)
第2水曜11:00~16:00 スポーツクラブNAS六本松(福岡市中央区六本松2-2-20/同クラブ会員のみ)
第4水曜10:00~13:00 薬膳cayucafe(中央区谷1-12-30 1F)もぐもぐ会
https://www.instagram.com/sgcnpj_rpm/

プレオープン&オープンイベント
〇こどもおもちゃこうかんSHOP⠀ 5/30(金)・31(土)終日開催
〇靴下の端材ではたきをつくろう⠀ 5/31(土)13:00~(予約優先)
〇お茶のふるまい会⠀ 6/3(火)終日開催
〇おはなしかい⠀ 6/3(火)11:00~⠀
〇手形アートをつくろう⠀ 6/5(木)終日開催
〇足柄さんとあそぼう⠀6/7(土)時間未定

映画館にも出張!
キノシネマ天神に、「まちの保健室」がフレイル予防サービス「MAQUP(メークアップ)」を開発した株式会社マクニカとコラボ出張。映画の後は、気軽に健康相談はいかがですか?
6/15(日)10:00~16:00(予定) キノシネマ天神(福岡市中央区警固1-15-38カイタックスクエアガーデン1号棟3F)
※健康測定は6/14(土)も可能です

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