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意味を持たせない並びが本との新たな出会いを作る。京都・東九条の本屋〈鴨葱書店〉

  • 2026.5.22

書店では今日も大量の本が出入りしている。常に変わり続ける本屋の棚はどのように作られ、独自のスタイルを生み出しているのか?2024年に京都にオープンした書店の棚作りに迫ります。

初出:BRUTUS No.1021「理想の本棚。」(2024年12月2日発売)

photo: Kiyoshi Nishioka / text: Ryota Mukai

京都〈鴨葱書店〉内観
BRUTUS

意味を持たせない並びが本との新たな出会いを作る

2022年にオープンした東京・三鷹の書店〈ユニテ〉のオーナー大森皓太さんが、京都の新刊書店の店長に。築99年の古民家をリノベーションしたという店内には、内壁の質感が見て取れる柱と板だけのシンプルな棚が一つ。横にはリメイクされたヴィンテージの書棚、手前にはイベント時に移動しやすいスチールの脚と天板が載る平台も。

京都〈鴨葱書店〉外観
店までは京都駅から歩いて10分足らず。チームラボミュージアム京都(仮称)の建設が進み、今後一層盛り上がるであろう界隈だ。
京都〈鴨葱書店〉内観
窓側から奥へと長い造りの新刊書店。手前に写る平台のこちら側にもう一つ同様の平台がある。

「京都駅近くという土地柄、お土産屋さんのような場所にしたいなと。若い世代が気軽に楽しめるよう、価格帯も1冊1,000円台後半くらいまでの本を中心に。ジャンルで言えば詩歌には力を入れています。こういった条件を想定している京都の書店って少ないんです」と大森さん。

学生時代、京都の書店で働いた経験が生かされているのだ。「棚作りではとにかく店の意図を消すことだけ考えています。意味よりも印象を大切に。2つある平台では、一方を寒色系の表紙に、もう一方を暖色系の色味にと緩やかに統一しています。本の意味ではなく、色だけで決めているんです」。

ジャンルから解き放たれた並びには、これまで手に取らなかった本との出会いが待っているはずだ。

京都〈鴨葱書店〉店長・大森
月の半分ほどお店に立つという店長の大森さん。後ろには展示スペースが。

簡素な棚は解体しやすい。その真意は?

京都〈鴨葱書店〉内観
壁に沿って新設した大きな書棚。棚位置を変えられる便利な仕様になっているものの、作り自体は柱と板の組み合わせとシンプル。「オープンしたばかりではあるのですが、実はお店を拡張するかもしれないんです。なので、強度は保ちつつも解体しやすい形にしてもらいました」。今後の展開も透けて見える、未来の棚なのだ。

意味より印象が大切。ブルーの表紙でまとめた平台

京都〈鴨葱書店〉内観
「店の意図を消したいので、意味によらない棚作りの方法を考えたんです。例えば2つある平台は、寒暖のイメージで作っています。内容ではなく表紙の色味で分けるんです」。こちらの平台は寒、つまり寒色系の表紙の本が並び、お隣の平台は暖色系でまとまっている。本同士は間を空けて見栄えよく、かつ手に取りやすくしている。

自分で選ばないなら、いっそ運試しするのもいい

京都〈鴨葱書店〉くじ引き
意味に頼らない方法その2は、おみくじ。くじを引き、出てきた数字と対応する棚から、短歌が1首載ったステッカーをもらえる。くじは全20種類。「ランダムなので、当然店のおすすめも何もないですよね」

Information

鴨葱書店

かもねぎしょてん
住所:京都府京都市南区東九条東岩本町11-4
TEL:075-275-4308
営:11時〜19時
休:月曜
Instagram:@kamonegi_kyoto

2024年5月オープン。「手を動かす機会を増やしたい」と、客が書き手になる展示も随時開催。

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