1. トップ
  2. エピソード
  3. 「もう、終電ないや」何時間も詰まっていたバグを一行のコードで解決した瞬間→無表情のまま拳を握った30代エンジニアの達成感

「もう、終電ないや」何時間も詰まっていたバグを一行のコードで解決した瞬間→無表情のまま拳を握った30代エンジニアの達成感

  • 2026.5.17

深夜のデバッグ、積み上がる絶望

ソフトウェア開発の仕事をしていると、どうしても避けられない夜がある。

コードは書けた、ロジックも正しいはずだ。なのに、動かない。

その日も、気づけば深夜になっていた。

「もう、終電ないや」

プロジェクトリーダーから「明朝までに確認できる状態にしてほしい」と言われていた機能が、想定外の挙動を繰り返していた。

エラーログを見直す。

コードを一行ずつ追う。

テストを流す。

また失敗する。

原因の見当がつかないまま、何時間も同じ場所をぐるぐる回っていた。

30代になって経験は積んだつもりだったが、こういうバグは本当に消耗する。

答えを探しているのか、答えがそもそも存在するのかも分からなくなってくる。

画面に映る数百行のコードが、じわじわと目に刺さってくる。

コーヒーは冷めている。外はもう静かだ。

もう帰ろうか、という考えが頭をよぎった。

でも、まだ見ていない可能性がある気がして、椅子から立てなかった。

そういう夜だった。

閃きは、疲れの向こうにやってくる

限界が近いと感じていた。

集中力が途切れかけたその瞬間、ふとある箇所が目に入った。

処理の順番。

ほんのわずかな、見落としやすい一行。

仕様書を何度も確認していたのに、なぜかずっと見えていなかった場所だ。

「これか」

心の中でそう呟いた。

声には出なかった。確信というより、直感に近かった。

何かが引っかかった、というレベルの感覚だ。

でも、手は自然に動いていた。

修正は一行だけ。

変更量としては、ほんの数秒の作業だ。

それでも、入力し終わった瞬間に息を止めていた自分に気づいた。

テストを実行する。

ターミナルに文字が流れていく。

エラーは出ない。処理が走る。完了ログが並ぶ。

無表情のまま、静かに握りしめた

一発で通った。

叫んだわけでも、ガッツポーズをとったわけでもない。

ただ、右手が静かに、ゆっくりと握りしめられた。それだけだった。

達成感というより、解放感に近い感覚だった。何時間もの消耗が一瞬で報われる。

エンジニアという仕事をしていてよかったと、深夜の自席で静かに思った。

翌朝、プロジェクトリーダーに報告した。

「修正、完了しました」と一言。

理由や経緯は特に聞かれなかった。

画面の向こうで「確認します」と短い返事が来た。それだけだ。

何時間も格闘したバグの痕跡は、履歴の一行にだけ残った。

地味な記録だ。

でも、その一行が何を意味するかは、自分だけが知っている。

何度味わっても、この瞬間だけは誰にも説明できない種類の感覚だ。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる