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トイレの蓋、閉めてる? 微生物学者が警告する「排泄物を含んだ水しぶき」の真実とお手洗いを汚さない新常識

  • 2026.5.14
99 Films/Unsplash

親しい間柄でも、なかなか話題にしづらい究極の質問がある。それは、「トイレを流すとき、蓋を閉めているかどうか」だ。

イギリスでの調査によると、約55〜60%の人が蓋を閉めずに流しているという。理由は「急いでいるから」「つい忘れてしまうから」といった些細なものかもしれない。しかし、まだ「トイレの飛沫リスク(トイレ・プルーム)」について聞いたことがないのなら、今この瞬間が、あなたの習慣を変えるターニングポイントになるはずだ。

「フラッシュするときに蓋を閉めておくことで、高さ1メートル(約3.3フィート)にも達する微細な水しぶきの放出を防ぐことができます」と語るのは、微生物学者のプリムローズ・フリーストーン博士だ。

専門家の紹介>プリムローズ・フリーストーン(Primrose Freestone)博士:微生物学者。細菌の生存戦略や感染症の伝播に関する研究を専門とし、公共衛生に関する知見を幅広く発信している。

なぜ蓋を閉めることが重要なのか? 博士はその科学的根拠をこう指摘する。「この飛沫には排泄物由来の細菌が含まれており、トイレの床や、その軌道上にあるあらゆるものに飛び散ることが研究で示されているからです」

「小」なら大丈夫? 微生物学者が教える驚きの事実

「今回は小用だったから、それほどリスクはないはず」と思うかもしれない。しかし、フリーストーン博士によれば、それは誤解だ。

「尿であっても便であっても、流す際のリスクに違いはありません。なぜなら、トイレの水は、何度流したとしても、以前の利用者が残した細菌やその他の微生物によって汚染されているからです」

目に見えない飛沫の飛距離と生存期間

トイレの飛沫は、便器から1メートル(約3.3フィート)以上先まで飛び散る可能性がある。つまり、バスルームの床や壁、棚の上など、あらゆる場所に細菌やウイルスを撒き散らしていることになる。

「私たちの免疫システムは、こうした『不潔な』環境から非常に強力に守ってくれています」と博士は補足し、過度なパニックは不要だと付け加える。しかし、この経路で広がる最も一般的な疾患は腸管感染症だ。「もし誰かがロタウイルスやノロウイルスに感染していれば、それらもまた、流した瞬間に便座やその周辺に堆積することになります」

では、前の人が蓋を閉め忘れていた場合、どのくらいの期間リスクが続くのだろうか。「微生物がトイレの外でどれくらい生存するかは、付着した表面の種類によります」と博士は解説する。「タオルなどの繊維製品は、硬い表面の洗面台などよりも水分を保持しやすく、乾きにくいため、細菌が数日間生存し続ける可能性があります」

あなたの歯ブラシ、実は「汚染」されているかも?

最も注意すべきは、洗面台に置かれた歯ブラシだ。日本の住宅事情でも、トイレと洗面台が隣接しているケースは多いはず。

「歯ブラシホルダーはトイレの近くに配置されることが多く、フラッシュ時に空気中に放出される大腸菌などの排泄物細菌によって汚染されやすいのです」とフリーストーン博士は警鐘を鳴らす。

より衛生的に保つためには、以下の対策を検討してみよう。

  • 歯ブラシにカバーをかける
  • トイレから少なくとも2メートル(約6.6フィート)以上離れた場所に保管する

次にトイレのレバーを引くときは、自分と家族の健康を守るために、まず「蓋を閉める」というシンプルなアクションを習慣にしてみてはどうだろうか。

※この記事はイギリス版ウィメンズヘルス(Good Housekeeping UK記事引用)の翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。

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