1. トップ
  2. エピソード
  3. 「希望条件に合う人は私じゃないと思います」初対面で面接するように話してくる男に静かに告げた気持ち

「希望条件に合う人は私じゃないと思います」初対面で面接するように話してくる男に静かに告げた気持ち

  • 2026.5.16

「穏やかで誠実」のはずが…

マッチングアプリを始めて数ヶ月が経っていた。

いくつかのやりとりを経て、ようやく実際に会う約束が取れた相手がいた。

プロフィールには「穏やかで誠実、ゆっくり関係を築いていきたい」と書いてあって、メッセージのやりとりもそれほど不快ではなかった。

少しだけ期待していた。

カフェで待ち合わせ、席に着いた途端に違和感が始まった。

「今、どんな仕事をされているんですか」

最初の一言がそれだった。

趣味でも出身地でもなく、職業。

答えると今度は会社の規模を聞かれ、続いて「ざっくりでいいんですけど、収入はどのくらいですか」と畳み掛けてきた。

私が少し曖昧に答えると、相手の表情が微妙に曇った。

笑顔が消えて、どこかつまらなそうな間があった。

その後も似たような流れが続いた。転職の予定はあるか、実家暮らしか一人暮らしか、貯金はどれくらいあるか。

こちらの話に笑顔で相槌を打つ様子はなく、答えが気に入らないと黙って視線を外す。

まるで面接を受けているようだった。

コーヒーカップを持ちながら、私はずっと答えを採点されている気がしていた。

静かに立ち上がった瞬間

食事の途中、ついに「あなたは恋愛より仕事を求めているね?私とは全然できないの?」と聞いてきた。

断定のような言い方で、私の答えを待たずに続けようとしていた。

我慢の限界だと感じた。

席を立つ前に、できるだけ穏やかな声でこう伝えた。

「希望条件に合う人は私じゃないと思います」

すると相手の態度が一変した。「待って待って、そういう意味じゃなくて」と慌てて立ち上がり、引き止めようとしてきた。

さっきまでの審査官のような雰囲気はどこへ行ったのか、必死に声をかけ続けてくる。

ガツガツしていて、気持ち悪ささえ感じた。

「大丈夫です」とだけ答えて店を出た。帰り道、気持ちはすっきりするより、どこかぼんやりとしていた。

期待していた分だけ、じわじわと疲れが出てきた。

後から知ったこと

数日後、同じアプリの口コミを確認する機会があった。

その男性のプロフィールに対するコメントの中に、似た体験が書かれているものがいくつかあった。

「初対面で収入のことばかり聞かれた」「断ったら急に態度が変わった」「会う前は感じがよかったのに別人みたいだった」。

私と同じ状況を経験した女性が、ほかにも複数いた。

断って正解だったと分かった。

それでも、「穏やかで誠実」という言葉を信じて会いに行った自分の時間と、帰り道のあのぼんやりした感覚は、どこにもぶつけようがないままだ。

アプリを開くたびに、少しだけためらいが残っている。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる