1. トップ
  2. エピソード
  3. 悪質なピンポンダッシュに反撃開始!「ねぇ、知ってた?」イタズラっ子を更生させた話

悪質なピンポンダッシュに反撃開始!「ねぇ、知ってた?」イタズラっ子を更生させた話

  • 2026.5.11

筆者の話です。エレベーターのない古い集合住宅の3階に住む私。向かいに越してきた小学生の男の子とその友人達によるピンポンダッシュが毎日続きます。「子どもだから」と我慢していましたが、ある夕方、決定的な出来事が。そして私が静かに仕掛けた作戦とは……?

画像: 悪質なピンポンダッシュに反撃開始!「ねぇ、知ってた?」イタズラっ子を更生させた話

新たな住人

私は集合住宅の3階に住んでいます。

エレベーターのない古い建物で廊下と階段での音はよく響きます。

家族4人で暮らしていますが、ある時期から、その静けさを破る存在が現れる様になりました。

向かいの部屋に越してきた家族の小学生の男の子と、その友人達です。

最初は「子どもだから仕方ない」と思っていました。

廊下を走る音、階段を踏み鳴らす音、甲高い笑い声。

多少の騒音は集合住宅では避けられません。

しかし、ある日から彼らの行動は「ピンポンダッシュ」というイタズラに変わっていきました。

「ピンポーン」とインターフォンが鳴ります。

モニターを確認してみると誰も映っていません。

代わりに廊下からワイワイと笑いながら走り去る複数の足音と、階段を駆け下りていく騒がしい声が聞こえてきます。

最初の一回は偶然かと思いましたが、それが毎日続くようになっていきました。

我慢と遠慮

「またか……」とため息をつきながらも、何もできずにいました。

相手は子どもです。

怒鳴り込んでいけば大人気ないと思われるでしょう。

親御さんに直接訴えるのも角が立ちそうで、躊躇してしまいました。「私が我慢すれば済むこと」という思いが、解決を遠ざけていたのかもしれません。

ところが、ある夕方、決定的な出来事が起きました。

自宅の玄関のドアを開けて廊下に出た瞬間、向かいの部屋の男の子の友人らしき小学生が壁際に張り付いており、私の顔めがけて「ワッ!」と飛び出してきました。

驚かせて面白がるつもりだったのでしょう。

しかし私はその日、仕事で散々消耗しており、驚く余力すら残っていませんでした。

飛び出してきた子どもの顔を、怒るでもなく、ただ疲れ果てた無表情のまま、ただ静かに見つめました。

仕掛けた作戦

しんと静まり返り、男の子の表情がみるみる「しまった」と言う顔に変わっていきました。

驚きの声を期待していたのかもしれませんが、返ってきたのは、予想外の「大人の沈黙」。

男の子はそそくさと逃げ去りました。

その背中をぼんやりと見送りながら、私の中でひとつの考えが生まれました。「叱るのではなく、きちんと向き合わなければ。それが彼らのためにもなるはずだ」と。

次の週に入り、私は準備を整えて待つことにしました。

ピンポンダッシュはいつも夕方16時から17時の間の時間帯に起きていました。

まもなく、学校帰りのあの子達が廊下に現れる時間です。

私はインターフォンのモニターの前に椅子を置き、本を読みながら待機しました。

そして「ピンポーン」とインターフォンが鳴りました。

モニターには誰も映っていません。

私はすぐには動かずにドアを開けるタイミングをずらしました。

子ども達がピンポンダッシュの成功を喜び、笑いながら階段へ向かいかけた瞬間を見計らい、私はドアを開けました。

解決

「あら、ちょうどよかった」

私が声を掛けると廊下に3人の小学生が固まっていました。

その顔には、驚きと焦りが入り混じっていました。

私は穏やかに言いました。

「インターフォン、押してるの気づいてるよ。カメラに音も全部記録されてるんだけど、知ってたかな?」

少々、誇張を含んでいましたが、彼らに事の重大さを理解してもらうための、私なりの「抑止力」でした。

「やばい……」という声が漏れてきます。

私は続けました。

「またイタズラでインターフォンを鳴らしたら、この記録を持って管理会社に相談しようと思っています。そうすると君達のお父さんとお母さんも呼ばれることになるんだけど、いいかな?」

3人は顔を見合わせ、そろって「すみませんでした」と頭を下げました。

私は「わかってくれればいいよ。気をつけて帰ってね」とだけ言って、ドアを閉めました。

それ以来、ピンポンダッシュはピタリと止まりました。

廊下を走る音や声も、静かになりました。

向かいの男の子とは、たまに廊下で顔を合わせることがあります。

最初は目をそらしていましたが、最近は「こんにちは」ときちんと挨拶もするようになり、私もにこやかに返しています。

集合住宅での近隣トラブルは、誰にでも起こり得ます。

そんな時は感情的にならずに冷静に対応することが、お互いにとって最善の解決に繋がるのだと教えてくれました。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。

元記事で読む
の記事をもっとみる