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性格特性が「性的妄想の頻度」と関連することが明らかに

  • 2026.5.5
Credit: canva

人は誰でも、ふとした瞬間に頭の中で現実とは別の場面を思い描くことがあります。

それが仕事の成功や旅行の計画であることもあれば、恋愛や性的な場面であることもあります。

では、そうした「性的な妄想」をどれくらい頻繁に抱くかは、その人の性格と関係しているのでしょうか。

米ミシガン州立大学(MSU)の研究チームは今回、5225人の成人を対象に、「ビッグファイブ性格特性」と「性的妄想の頻度」との関連を調査。

その結果、誠実性や協調性が高い人ほど性的妄想の頻度が低く、ネガティブな感情傾向、特に抑うつ傾向が高い人ほど頻度が高い傾向が明らかになりました。

研究の詳細は2026年2月4日付で学術誌『PLOS ONE』に掲載されています。

目次

  • 「誠実な人」は性的妄想をあまり抱かない?
  • 性的妄想を抱きやすい人とは?

「誠実な人」は性的妄想をあまり抱かない?

心理学では、人の性格を大きく5つの軸で捉える「ビッグファイブ性格特性」がよく使われます。

これは、外向性、協調性、誠実性、ネガティブな感情傾向(神経症的傾向)、開放性の5つです。

外向性は社交的で活動的かどうか、協調性は他者に対して温かく調和を重んじるかどうかを表します。

誠実性は自己管理や責任感、目標に向かって取り組む力に関係します。

ネガティブな感情傾向は、不安や落ち込みなど否定的な感情を経験しやすい傾向です。

開放性は、新しい経験や考え方にどれだけ興味を持つかを示します。

チームは、18歳から94歳までの成人5225人にオンライン調査を実施。

参加者はまず、30項目からなる性格検査に回答し、続いて、40種類の性的妄想について、どれくらいの頻度で思い浮かべるかを答えました。

性的妄想は大きく4種類に分類されました。

・新しい経験や集団的な場面を含む「探索的な妄想」

・ロマンスや情緒的なつながりを中心とする「親密な妄想」

・他者を外側から観察するような「非人格的な妄想」

・支配や服従などを含む「サディズム・マゾヒズム的な妄想」

分析の結果、最も一貫して性的ファンタジーの少なさと関連していたのは、誠実性でした。

誠実性が高い人は、4種類すべての性的妄想について、頻度が低い傾向を示したのです。

協調性も同様に、性的妄想の頻度の低さと関連していました。

さらに細かく見ると、誠実性の中でも特に関係していた要素は主に「責任感の強さ」でした。

他の要素である整理整頓が得意かどうか、生産的に行動できるかどうかは、性的妄想の頻度とは大きく関係していませんでした。

また、協調性の中では「礼儀正しさ」に相当する要素が重要で、「思いやり」や「信頼」は大きな関連を示しませんでした。

性的妄想を抱きやすい人とは?

一方で、性的妄想の頻度の高さと関連していたのが、ネガティブな感情傾向です。

この傾向が高い人は、探索的、親密、非人格的、サディズム・マゾヒズム的という4種類すべてで、性的妄想をより頻繁に抱く傾向がありました。

ただし、ここでも重要なのは、ネガティブな感情傾向全体が同じように働いていたわけではない点です。

要素ごとに見ると、不安や感情の不安定さは、性的ファンタジーの頻度とほとんど関係していませんでした。

関連を生み出していた主な要素は、抑うつ傾向でした。

研究者たちは、この結果について、性的妄想が気分を調整する手段として使われている可能性を示唆しています。

落ち込みやすい人は、刺激的な場面や心地よい親密さを想像することで、一時的に気分を持ち上げたり、つらい感情から距離を取ったりしているのかもしれません。

例えば、疲れた日の帰り道に「どこか遠くへ行きたい」と空想することがあります。

それは現実逃避というより、心の中に小さな逃げ場を作る働きに近いものです。

同じように、性的妄想も人によっては、気分の落ち込みに対する心理的なクッションになっている可能性があります。

一方で、予想と異なる結果もありました。

開放性が高い人は一般に想像力が豊かで、空想にふけりやすいと考えられます。

そのため、性的妄想も多いのではないかと予想されました。

しかし研究では、開放性や創造的想像力は、性的ファンタジーの頻度とはほとんど関連していませんでした。

外向性についても、年齢や性別などの影響を統計的に調整すると、性的妄想との関連はごく小さいものにとどまりました。

つまり、社交的だから性的な想像が多い、想像力が豊かだから性的妄想が多い、という単純な図式ではなかったのです。

この研究の意義は、性的妄想を「ある人は多い、ある人は少ない」という表面的な違いだけでなく、その背後にある性格の細かな要素から捉えた点にあります。

性的な想像は、単に性欲の強さだけで生まれるものではなく、責任感、礼儀正しさ、抑うつ傾向といった心の基本的なつくりとも関わっている可能性があるのです。

参考文献

What your personality traits reveal about your sexual fantasies
https://www.psypost.org/what-the-big-five-personality-traits-reveal-about-your-sexual-fantasies/

元論文

Associations between big five personality traits, facets, and sexual fantasies
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0329745

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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