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ネット時間「世界最短」の日本人、犯罪に巻き込まれやすい?セキュリティーの専門家が明かす“致命的な弱点”

  • 2026.4.29
ネットの利用時に犯罪に巻き込まれないようにするには?(画像はイメージ)
ネットの利用時に犯罪に巻き込まれないようにするには?(画像はイメージ)

現代社会で、インターネットは生活に欠かせないインフラです。その一方で、SNSでの過度な露出、個人情報の流出、執拗(しつよう)なネット広告、さらにはAIによるデータ悪用など、オンライン上の「自分」を取り巻く環境に不安を感じる人が増えています。

現在、世界的に注目されているのが「デジタル・フットプリント(ネット上の足跡)」をあえて削減し、自分を「隠す」という選択です。今回は、サイバーセキュリティーの専門家の見解や最新の調査データを交え、なぜ今「ネットから消えたい」と願う人が増えているのか、そして自分を守るための具体的な方法を解説します。

「消えたい」のではなく「コントロールしたい」

「ネットから自分を消したい」「露出を減らしたい」と考える動機は、単なる現実逃避ではありません。背景にあるのは、データ追跡や詐欺、AIによる情報の二次利用に対する危機感です。

サイバーセキュリティーの専門家であり、個人向けのセキュリティーサービスを提供するNordVPN(オランダ)の最高技術責任者を務めるマリユス・ブリエディスさんは、こうした傾向を次のように分析しています。

「人々はインターネットから完全に姿を消そうとしているわけではありません。自分の人生がどれだけオンラインで見える状態にあり、誰がアクセスできるのかという『主導権』を取り戻そうとしているのです」

つまり、「隠れる」ことは消極的な行動ではなく、自分のプライバシーを自分で管理するというポジティブな「境界線引き」であるといえます。

日本人の生涯のネット利用時間は11年、トップとは30年差だが…

NordVPNが世界16カ国を対象に行った最新調査によると、日本人のネット利用に関する興味深い実態が明らかになりました。調査の結果、日本人が一生のうちにインターネットに費やす時間は「11年4カ月13日間」。これは調査対象国の中で最も短く、トップのブラジル(41年3カ月13日間)と比較すると約30年も短い結果となりました。隣国の韓国(34年2カ月4日間)やアメリカ(21年4カ月29日間)と比べても、日本人のオンライン時間は極めて限定的です。

また、ネット上で公開しているデータの割合も、日本は他国に比べて控えめです。

■交際ステータスを公開している割合:スペインが47.9%なのに対し、日本はわずか2.4%。

■住所を公開している割合:ブラジルが81.1%であるのにに対し、日本は48.1%。それでも約半数が公開しているという驚きの数字ではありますが、世界的には最小です。

データだけを見ると、日本人は「ネットでの露出を控えている慎重な国民」のように見えます。しかし、ここには落とし穴があります。

浮き彫りになった「セキュリティー意識」の低さ

利用時間が短く、情報の公開範囲も狭いのであれば安全かと言えば、答えは「ノー」です。同社の「ナショナル・プライバシー・テスト(NPT)」によると、日本のネットユーザーは、プライバシーやセキュリティーに関する知識レベルを測定するテストにおいて、多くの項目で低いスコアを記録しています。

つまり「ネットに触れている時間は短いが、守り方はよく知らない」という、サイバー犯罪者にとって絶好のターゲットになりやすい状態にあるのです。

ブリエディスさんは、特にファン活動(推し活)などを楽しむ層に向けて次のように警鐘を鳴らします。

「ファンは推しを応援する時間を楽しむべきですが、自分の生活が“読まれて”しまうような情報まで与えてしまってはいけません」

無意識に投稿した写真の背景、窓の外の景色、何気ない日常のつぶやき。これらが組み合わさることで、悪意ある第三者に「パズル」を完成させるヒントを与えてしまうのです。

今日からできる「デジタル・フットプリント」の減らし方

では、具体的にどうすれば「自分を隠す」ことができるのでしょうか。ブリエディスさんは、「完璧主義になる必要はない」とした上で、「日々の小さな習慣の積み重ねが、最も大きなインパクトを与えます。極端な対策は必要ありません。日常のルーティンを少し変えるだけでいいのです」と述べ、次の習慣を推奨しています。

(1)プライバシー設定の定期的な「検診」SNSの公開範囲を「友達のみ」に制限するのは基本ですが、数年前に作ったアカウントが放置されていないか確認しましょう。使っていないアプリとの連携を解除するだけでも、データ流出のリスクを大幅に下げられます。

(2)アカウントの断捨離「とりあえず」で作ったECサイトのアカウントや、数回しか使わなかったウェブサービスの登録情報は、思い切って削除しましょう。メールアドレスが残っている限り、そこから情報が漏れる可能性があります。

(3)「情報の出し惜しみ」を美徳とするオンラインでのプライバシーは「バランス」が重要です。完全にオフラインになる必要はありませんが、「これは本当に世界中に公開する必要があるか?」と一歩立ち止まって考える癖をつけましょう。

(4)強力な武器を持つ・多要素認証(MFA)パスワードだけでなく、指紋やコード入力を組み合わせることで、万が一の流出時にも不正ログインを防げます。

・パスワードマネージャー複雑なパスワードをサービスごとに個別に設定し、管理を自動化します。

・VPNの活用通信を暗号化し、フリーWi-Fiなどの不安定な環境でもデータの盗聴を防ぎます。

手遅れということはない

もし今、「自分の情報がネットにあふれ過ぎていて怖い」と感じていたとしても、諦める必要はありません。

ブリエディスさんは「プライバシーを取り戻すプロセスは、完璧を求めるものではありません。ステップバイステップでリスクを減らし、自分のデジタル上の足跡に意識を向けることから始まります」と締めくくります。

ネットは便利な道具ですが、主人はあくまであなた自身です。情報の公開範囲を自分でコントロールし、守るべき境界線を明確に引くこと。それこそが、現代のデジタル社会を賢く、そして安全に渡り歩くための「新マナー」と言えるのではないでしょうか。

オトナンサー編集部

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