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電車が運転見合わせになり“混乱する改札”…残業中に後輩が放った“予想外の勘違い”に「思わず笑ってしまった」

  • 2026.6.3
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。元鉄道駅員の川里です。

今回は、私が駅員時代に体験した「駅事務室の本音」をご紹介します。ダイヤが乱れたある日の、思わず笑ってしまった出来事です。

信号故障発生!

ある日の暮れ方、指令所から駅に連絡放送が入りました。

「〇〇駅、△△駅間で信号故障発生。上りは123M、下りは120Mから運転を見合わせます。各駅はお客さまの案内に注意してください」

このとき、ちょうど私は社内で123Mと番号があてられている列車のきっぷを売ろうとしてお金をいただいていたときでした。

「大変申し訳ありません。ちょうどいま、この列車が運転見合わせになりました。路線バスを使ったほうが早く着くと思うので、このきっぷの発売は取り消させてください」

あと1分早く売ってしまっていれば、結果的にこのお客さまは運転再開まで列車を待つか、払い戻しの列に並んでいただくことになっていたと思います。

申し訳ないと思いながらも、同時に「ここでバスを案内できてよかった」とも感じました。

列車遅延時のお客さま案内は駅員総出

この連絡放送があったのは、私の駅ではあと30分ほどで早番の退勤時刻になるタイミングでした。

しかし、トラブルで列車が大幅に遅れているときは、駅員は定時に帰れません。当時配属されていた小さな規模の駅なら、なおさらです。

しばらく運転再開の見込みはなかったため、きっぷを払い戻して路線バスなど別の交通期間を改札ときっぷ売り場の係員総出で案内にあたります。この日の早番だった私の先輩たちは、構内放送で列車の運転見合わせを繰り返し伝えていました。

ところがお客さまへの案内は、なかなかうまくいきません。

ちょうど帰宅しようとするお客さまが少しずつ増えてくる時間帯で、ついさっき構内放送で言ったつもりのことでも、放送後にまた新しく駅に来たお客さまが「この改札の混雑はなんだ?」と立ち止まってしまう…という光景が繰り返されるのです。

チームワークの見せ所

構内放送、電光掲示板、改札口のホワイトボードで「しばらく列車は駅に来ません」と案内しても、お客さまは改札口に留まります。最終的には1人ずつにお声がけして「バスなどを使ってください」とお願いしていきました。

列車遅延時の残業中には、もちろん「この時間からこの社員は休憩時間」と決まっていません。とはいえ何時間も対応し続けることもできないので、駅員同士で声を掛け合って、交代で駅事務室に下がって休憩を取ります。

私は早番の先輩たちが休憩から戻ってきたあと、ひとつ下の後輩と休憩に入りました。

この休憩中にも、早番の先輩たちが窓口や改札で応対している。早番は本来ならとっくに退勤しているはずの時間です。そう思うと、ゆっくり休むことができません。きっと後輩も同じだろうと思い、

「さすがに、そろそろ帰ってほしいよね」

と気を利かせたつもりで話しかけました。

言ったの!?

後輩は私の発言に共感したようで、こう返しました。

「いや本当ですよ! ずっと言ってるのに!」

「えっ言ってるの!?」

私は思わず聞き返しました。

トラブル対応とはいえ、私たちを手伝ってくれている先輩に面と向かって「早く帰れ」と? さすがに冗談だろう。ところが後輩は不思議そうに

「え? ずっとそう放送してるじゃないですか」

と言います。

「放送」というワードに違和感を覚えた私は、その後すぐに後輩が先輩たちに帰ってほしいと言っているわけではないと気づきました。「他の交通手段を電光掲示板やホワイトボードで案内しているので、お客さまは改札口に長く留まらないでほしい」という意味で言っていたのです。

主語って大事

「いや、お客さまじゃなくて先輩のことなんだけど…」

「あっ! そうですよね! もちろんです!」

もしかしたら、先輩がいま残業していることについては特になんとも思っていなかったのかもしれません…。

列車遅延時はお客さまはもちろん、駅員も正規の休憩がとれなかったり、怒声や嫌味を浴びせられたりしてストレスを溜めやすい状態にあります。そのような中で、偶然にも少し気分転換になるようなおもしろい勘違いが起き、私はこの日を乗り切ることができました。


ライター:川里隼生

鉄道会社の駅係員として8年間、4つの駅を経験しました。コロナ禍やデジタル化を通して移り変わってきた、会社としての鉄道サービスの未来像と、お客様それぞれが求めている鉄道サービスのあり方の両方から学んだことを記事にしていきます。



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